和風月名

毎月の暦は、1月、2月、3月といった呼び方をしますが、カレンダーを見ると、睦月、如月、弥生といった和風の呼び名が書いてあるのを見たことがありませんか?

これらは、旧暦における日本ならではの12か月の呼び名で、それぞれ旧暦の季節感や行事がベースになっています。

睦月、如月、弥生・・、それぞれに月の名の由来などがあり、その意味を知ることで、四季折々に感じてきた旧暦の知識や行事や習わしなどについても、感慨深く感じることができるんですよ。

今回は、日本人なら知っておきたい!睦月 如月 弥生など旧暦の月名の意味や由来&読み方とは?についてご紹介します。

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睦月 如月 弥生など旧暦の月名の意味や由来&読み方とは?

私たちが現在使用しているカレンダーは、太陽の動きを基準にした「太陽暦」に基づいて作られています。

この太陽暦は、1872年(明治5年)12月3日から使用され、「新暦」と呼ばれています。

そして、太陽暦以前には、現在「旧暦」と呼ばれている「太陰太陽暦(たいいんたいようれき)」が使われていました。

「陰」とは「月」のことで、太陰太陽暦は、太陽の動きをもとにした太陽暦と月の動きをもとにした太陰暦を合わせたものでした。

太陽暦と太陰太陽暦の違いとは?

太陽暦と太陰太陽暦の大きな違いは、「閏年(うるうどし)」の存在です。

地球は365.2422日かけて太陽の周りを1周しているため、太陽暦では4年に1度、2月29日を設けて誤差を調整しています。

それに対して、太陰太陽暦の場合、月が地球を1周するのは約29.5日で、1年が約354日となり、太陽暦の1年365日とは11日のズレが生じます。

そのズレを放置しておくと暦と季節がどんどんズレ、農耕の周期にも影響してくるため、この11日の誤差を調整するために、太陰太陽暦では約3年に1度「閏月」を設けて1年を13か月としていました。

上記のように、太陽暦(新暦)と太陰太陽暦(旧暦)では、大きな違いがありますが、現在でも旧暦で行われてきた行事が数多く残っています。

例えば、お盆なども、新暦の7月15日に行う地域もあれば、ひと月遅れの8月15日や、旧暦の7月15日に行う地域があったりと、旧暦に基づいた行事が引き継がれていたりもします。

また、季節や月日の呼び名に旧暦の呼称が使われていたり、旧暦が日本の文化としても引き継がれ、私たちの生活に長く息づいているものでもあります。

睦月、如月、弥生・・といった呼称は、「和風月名(わふうげつめい)」などともいわれ、旧暦における日本ならではの12か月の呼び名で、四季の変化と暮らしがより密接だった旧暦の季節感や行事がベースになっており、現在の季節感とは1か月ほどのズレがありますが、旧暦ならではの趣を感じるものといえるかもしれません。

「和風月名」の起源は古く、720年(養老4年)に成立した「日本書紀」に最初に登場しているとされています。

和風月名の意味や由来&読み方

1月【睦月(むつき)】

睦月とは、睦む(仲良く親しみ合う)月が語源となり、正月に家族や親類が往来して、仲良く睦み合う月「むつぶ月」が「むつき」になったといわれています。

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また、睦月は、日本古来のお正月の呼び名で、昔は、正月や1月という言葉はあまり使われませんでした。

2月【如月(きさらぎ)】

如月の名の由来は、寒さのため着物をさらに着重ねることから「きぬさらにき=衣更着」という説が有力です。

そのほか、日ごとに陽気が暖かくなることから「気更来(きさらぎ)」や草木が生え始める月で「生更木(きさらぎ)」「建卯月(けんぼうげつ)」、「梅見月(うめみづき)」、「雪消月(ゆきぎえづき)」、「初花月(はつはなづき)」などの異称もあります。

3月【弥生(やよい)】

「弥生」は、「草木弥生月(くさきいやおいづき)」を略した言葉で、「弥」「いよいよ」「ますます」という意味があり、草木が「いよいよ生い茂る」という意味の「弥生(いやおい)」が変化した呼び名といわれます。

そのほか、「桜月(さくらづき)」、「花見月(はなみづき)」、「春惜月(はるおしみづき)」などの異称もあります。

4月【卯月(うづき)】

ユキノシタ科の落葉低木「ウヅキ」の花である「卯の花」が咲くころの意味があります。

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また、卯月の「う」は、「初(うい)」「産(うぶ)」を意味することから、農耕のはじまりを表すなどの説があります。

ほかにも、旧暦ではこの月から夏がはじまるので「花名残月(はななごりづき)」「夏初月(なつはづき)」などの異称もあります。

5月【皐月(さつき)】

五月は田植えがはじまる時期なので、「早苗を植える月」という意味から「早苗月」と呼ばれ、それが略されて「さつき」になったといわれています。

また、耕作を意味する古語の「さ」に、「神にささげる稲」という意味がある「皐」の字を当てたという説もあります。

そのほか、「雨月(うげつ)」、五月雨で月が見れないことから「月不見月(つきみずつき)」などの異称もあります。

6月【水無月(みなづき)】

新暦では6月は梅雨の時期ですが、旧暦では梅雨明けの酷暑の頃となり、厳しい日照りが続いて水が涸れる月ということから「水無月」という説や、田んぼに水を張った状態「水の月」が変化した呼び名という説もあります。

7月【文月(ふみつき、ふづき)】

七夕の日に、短冊に詩歌をしたため、書(文)の上達を祈る風習があったことからこの名前がついたといわれます。

また、7月は稲穂が育つ頃であることから「穂見(ほみ)」や「含み」に由来し、「穂含月(ほふみつき)」からきているという説もあります。

ほかにも、「七夕月」、「棚機月(たなばたつき)」、「女郎花月(おみなえしづき)」、「涼月(りょうげつ)」などの異称もあります。

8月【葉月(はづき)】

葉月は、古くは「はつき」と濁らずに発音されていました。

旧暦では木の葉が落ちる頃なので、葉が散り始める月「葉落月(はおちづき)」からきているとされ、北方から初めて雁が来る頃なので、「初来月(はつきづき)」が変化した呼び名という説もあります。

また、稲穂が張る「張り月」が転じたという説もあります。

ほかにも、「月見月」、「萩月」、「仲秋」などの異称があります。

9月【長月(ながつき)】

日増しに夜が長くなる「夜長月(よながつき)」からきたという説が有力で、秋雨が多く降る頃であることから「長雨月(ながあめづき)」などに由来する説もあります。

ほかにも、9月は菊の季節なので「菊咲月(きくさづき)」、「菊月(きくげつ)」など菊にまつわる異名や、「紅葉月(もみじつき)」、「色取月(いろとりづき)」、この時期は稲の収穫期でもあることから「稲刈月(いなかりつき)」、「稲熟月(いなあがりつき)」などの異名もあります。

10月【神無月(かんなづき、かみなしづき)】

神無月は、全国の神々が出雲大社に集い、出雲以外の神社には「神様がいなくなる月」という意味で「神無月」の名がついたといわれています。

反対に、神々が集う出雲地方(島根県)では、「神在月(かみありづき)」と呼ばれています。

ほかにも、雷が鳴らない月なので「雷無月(かみなしつき)」や「時雨月(しぐれづき)」、「神去月(かみさりづき)」などの異名もあります。

11月【霜月(しもつき)】

旧暦の12月にあたり、本格的な冬を迎え、霜が降りるようになることから「霜降月」が転じて「霜月」と呼ばれるようになったといわれています。

また、秋の収穫期を終え、神楽を奉納するため「神楽月(かぐらづき)」ともいわれています。

12月【師走(しわす)】

普段は落ち着いているお坊さん(師)でさえ、忙しく走り回る月であることから「師馳す」あるいは「師走り月」が語源といわれています。

また、1年を納める月を意味する「四季果つ」、「為果つ」が変化した呼び名ともいわれています。

ほかにも、「晩冬(ばんとう)」や「春待月(はるまちづき)」などの異名もあります。

まとめ

上記にご紹介した和風月名。

その季節ごとの豊かな自然観から生まれたことが意味や由来を知るとわかってきます。

その月や季節ごとに変化する気候や植物などの様子など、四季の移ろいを感じる心はいつの時代も忘れたくない、大切な感性かもしれませんね。

たまには、暦をめくって、和風月名の季節感を感じながら、四季の変化を感じてみるのも趣があるものかもしれません。