伊勢神宮内宮と外宮の違い

古くから「お伊勢さん」として親しまれる「伊勢神宮」

パワースポットとしての人気も絶大で、老若男女問わず年中参拝客が絶えないスポットでもあります。

先日、「伊勢神宮に行くのは、人生で初めてだ!」という友人を連れて伊勢神宮を参拝したのですが、その友人が「なんで、内宮と外宮に分れてるの?」と、質問が・・。

確かに、伊勢神宮には「内宮」と「外宮」がありますが、どうして分かれているんでしょう?また、内宮と外宮にどんな違いがあるのでしょう?

今回は、せっかく伊勢神宮に行くなら知っておきたい基礎知識!として、伊勢神宮 内宮と外宮の違いって何?についてご紹介します。

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伊勢神宮 内宮と外宮の違いって何?

伊勢神宮の正式名称は「神宮」

伊勢神宮は、三重県伊勢市にあり、「伊勢神宮」とよく呼ばれるのですが、実は正式名称は「神宮」といいます。

「神宮」というと、明治神宮や鹿島神宮、熱田神宮など、日本には多くの神宮がありますが、ただ一言で「神宮」と呼んで通るのは伊勢の神宮のみとされています。

まさに神の中の神、日本神社界の中心であり、唯一無二の神社であるからこその「神宮」なのです。

また、特定の地域を示すのではなく、日本全体を護っていただいている神社であるため「神宮」と呼ばれるとも考えられています。

なお、「神宮」とはひとつの神社を指すのではなく、最も大きな内宮と外宮を中心に、両宮の14の別宮のほか、摂社・末社・所管社という109の社からなる125社の総称を指すものです。

これら125社が鎮座するエリアは、内宮・外宮の鎮座する伊勢市をはじめ、松阪市、鳥羽市、志摩市、度会郡、多気郡と広範囲にまたがっています。

伊勢神宮といえば、内宮と外宮が有名ですが、そのほかにも多くの社があり、それらを総称して「神宮」と呼ばれているんですね!

一部は大きなお宮の中に祀られていたり、参拝できないものもありますが、その大半はお参りできるので、すべては無理でも、別宮といわれる比較的大きなお宮はお参りするといいかもしれませんね。

ちなみに「内宮」「ないくう」と読み、「外宮」「げくう」と読みます。「ないぐう」「げぐう」と濁らないのでご注意を!

伊勢神宮 内宮と外宮の違いとは?

①祀られている神様が違う

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内宮の正式名称は「皇大神宮(こうたいじんぐう)」といい、御祭神は「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」

天照大御神は、皇室の御祖神で、日本人の総氏神。命の源である太陽にもたとえられ、神話では天上世界である高天原の最高神とされています。

一方、外宮の正式名称は「豊受大神宮(とようけだいじんぐう)」といい、御祭神は「豊受大御神(とようけのおおみかみ)」

豊受大御神は、「御饌都神」とも呼ばれる、神さまに供える食事を司る神様で、いまでは食事だけでなく、衣食住全般、さらには産業の神様としても崇められています。

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天照大御神が伊勢の地に鎮座してから500年後、当時の天皇である雄略天皇の夢枕に天照大神が立ち、「丹波の国の真奈井にいる食の神「豊受大御神」をここへ呼びなさい」とお告げがありました。

この言葉に従い、外宮に丹波の国から豊受大御神を迎えると、外宮の中に御饌殿を造営し、ここで朝夕、天照大神に捧げる食事(御饌)を供えることになりました。

伊勢神宮には大小さまざまな宮があありますが、天照大神が祀られた内宮と、豊受大御神が祀られた外宮別格とされています。

なお、どちらも「正宮(しょうぐう)」と呼ばれていますが、同列ではなく内宮がすべての中心になっています。

②御正殿の造りが若干違う

伊勢神宮の内宮、外宮の御正殿は、「唯一神明造」と呼ばれ、日本古来の神社建築の様式で建てられています。

特に、内宮と外宮は特別な存在のため神明造のなかでもトップ2と考えられ、その他神明造とは異なるため「唯一神明造」と呼ばれています。

神明造は、多くの神社で用いられている建築様式です。

身近なものといえば、国技館では大相撲の場所中に土俵上に屋根をつるしていますが、あれも神明造のものです。

ほかにも、お伊勢さんから受けた神棚は神明造になっています。

内宮と外宮は、「唯一神明造」ですが、それぞれ下記のような違いがあります。

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  • 鰹木(かつおぎ)の本数が違う
    鰹木
    屋根の上に置かれた鰹木の数が、外宮では9本、内宮では10本という違いがある。
  • 千木(ちぎ)の形状が違う
    千木
    屋根の端にある2本が交差して屋根の上に突き出したものが千木と呼ばれるもので、内宮は水平に切る「内削ぎ」、外宮は先端を垂直に切る「外削ぎ」になっています。
  • 梁(はり)と桁(げた)の上下が逆
    建物上部の大棟に対し、平行方向にある木材が桁で梁は直角方向にありますが、梁が下、桁が上にくるのが外宮で、内宮はその逆となっています。
伊勢神宮の御正殿 ココをチェック!

神宮の御正殿は、「まるで倉庫のようなかたちをしているな。」「意外と質素な建物だな。」と思ったことはないですか?

実は、神明造は、弥生時代の高床式穀倉から発展したといわれています。大切な穀物を納める倉庫に、ご神宝を納めるようになり現在のかたちになったとされています。

また、見た目がシンプルな感じがする御正殿ですが、棟持柱に使われているのは木曽檜ですが、フシなど見当たらず、御正殿に使われている太さや長さで、さらにフシがないものとなると値段のつけようがない貴重なものなんです。

また、茅葺の屋根に使う萱も伊勢神宮の広大な萱の栽培場で育ったものだけを使用するという徹底したものです。

伊勢神宮の御正殿は、素朴でシンプルな建物ですが、とても価値のある材料で作ってある特別な唯一無二の建物なんですよ!

御正殿を見るときは、そのシンプルななかにある、こだわりの美を見つけてみるのもおすすめです!

③神宮の全体の配置が違う

外宮の御正宮は、内宮の御正宮とほぼ同じつくりですが、最大の違いが「御饌殿(みけでん)」があることです。

御饌殿とは、朝夕の2回、天照大御神に食事をお供えする場所のことです。

また、東方殿と西方殿が手前にあるのも外宮の特徴となっており、内宮の配置とは違うところになっています。

④外宮は左側通行、内宮は右側通行

御正宮へ向かう際、内宮と外宮で通行方法が違うのを知っていましたか?

通常、神社は左側通行が多いですが、外宮では左側通行内宮では右側通行となっています。

参道は直線ではありませんが、御正宮のそばまで来ると、外宮は東から西に内宮は西から東に歩くように作られています。

なお、参道の真ん中は「正中(せいちゅう)」とされ、神さまの通り道とされていますので、なるべく中央を歩かないようにしましょう。

また、鳥居の前では出入りの際、一礼を忘れずに!

上記のように、伊勢神宮の内宮と外宮は、祀られている神様が違うなど、似ているようで違いがあるんですね。

伊勢神宮 内宮と外宮 参拝はどっちから?片方だけの参拝はダメ?

伊勢神宮のお祭りは、「外宮先祭(げくうせんさい)」といって、外宮から内宮の順に行われます。(※式年遷宮のお祭り以外)

「外宮先祭」は、天照大御神が「お祭りでは豊受の神を先に」と命じたためとも伝えられています。

お参りの際も、これにならい、外宮から内宮の順で参拝するのが古くからの習わしとされています。

なかには、内宮だけをお参りする人も多いのですが、どちらかだけでは「片参り」「片参宮」になると昔の人は嫌いました。

伊勢神宮の内宮と外宮は、天と地、陰と陽の違いがあるともいわれたりします。

お宮の屋根にある千木の先が、外宮は天と垂直、内宮は平行、鰹木の数が外宮は奇数、内宮は偶数、参道も外宮は東から西に、内宮は西から東に、といった具合に、対照的になっています。

内宮の神は、いわば太陽の神。天に輝く太陽の強い神気をきちんと受け取るには、お参りする側も、それを受け取る土台やパワーが必要になってきます。

そのためにも、すべてを生み出す豊穣の神でもある豊受の神・外宮に先に参拝し、大地のパワーで、内宮の太陽・天のパワーを受け止める土台やパワーを授けて頂いてから、内宮を参拝するのがおすすめかもしれません。

物事には、一見すると、面倒なことに思われることこそに、本当の意味が隠れていたりもするものです。

外宮と内宮の両宮を参ってこその神宮参拝と心得て、大地と太陽のパワーを存分にいただいてくださいね。

まとめ

伊勢神宮というと、内宮と外宮があることは知っていても、その違いについてなどは知らない人も多いかもしれません。

あくまで内宮が中心ではありますが、外宮の成り立ちなどの歴史を知ると、外宮の大切さや唯一無二の存在であることに気づきます。

内宮・外宮、それぞれに大きな感謝を込めて参拝したいものですね。