最近は、気温の変化も激しく、大人でも体調管理が大変になってきています。
特に、小さな子供は大人よりも体力がないぶん、余計に体調管理が難しいものです。
また子供の場合は、さっきまで元気に遊んでいたのに、急にぐったりすることもあるので、親としては子供の変化に気を配りたいものですね。
暑い時期は、熱中症などにもなりやすく、脱水状態を引き起こす場合も…。
お出かけの時はもちろん、いろんな場面で、いざ!という時のために、脱水症状などの基礎知識は身につけておくと安心です。
今回は、子供の脱水症の症状や見分け方について&経口補水液も、ただ飲ませればいいのではなく、飲ませ方のコツがあるのであわせてご紹介します。
子供の脱水時の症状とは?
脱水症とは、病気で食事を十分にとれないときや、外で遊んで大量の汗をかいたときなど、体の水分と塩分(電解質)のバランスが崩れたり、体内の水分が不足したときに起こる状態のことをいいます。
特に、子どもは身体が未発達なぶん体温調整がうまくできなかったり、エネルギーの代謝が活発に行われるために水分の消費も激しく体の水分を失いやすくなってしまうのです。
また、近年では気温の上昇など、夏場は猛暑日(35℃以上)や熱帯夜(夜間25℃以上)を記録する日も多くなってきており、環境の変化は年々大きくなってきています。
それに加え、室内ではエアコンの使用などで外気と室温の温度差が大きく、大人でも体温調整が難しくなってきているほどです。
特に、小さな体の子供にとっては、昔と比較しても非常に過ごしにくい環境になってきている現実があるのです。
子供はひとつのことに集中しがちだったり、体調の変化などを上手く伝えられないことも多いため、気が付けば脱水の症状がすすんでしまい重症化することも多かったり・・・。
そこまで目に見える変化はなくても「かくれ脱水」になっていることもあるので、「食べる量が減っている」「元気がない」など、「あれ?」と思うことがあれば、すぐにチェックすることが大事になります。
子供の体は未発達でデリケートですので、症状の変化も急激になりやすいものです。
子どもが出しているサインにいち早く気づいてケアしてあげることがとっても大切ですので、親御さんはまず、注意深くお子様の様子を見てあげてくださいね。
脱水症の主な症状や見分け方は?
- 下痢がつづく(1日6回以上など)
- 血便が出る
- 嘔吐が続く
- おしっこの量が少ない
- おしっこの色が濃い
- 泣いても涙が出ていない
- 機嫌がわるい
- ボーっとしたり、眠りがちになる
- 大量に汗をかいている
- 顔色が悪い
- 目が落ち込んでいるようにみえる
- 唇や口の中、肌が乾燥している
脱水症状が重症化すると、体の中の血液の量が減るため体中に酸素が回らなくなってしまい、チアノーゼ(唇や爪が青紫になり、体の酸素が不足している状態)を起こすことや、場合によっては死に至ることもありますので注意してあげてくださいね。
ですので、脱水症の初期の状態を把握することで、脱水症状を避けたり、症状の重症化を防いだりすることにつながります。
このような症状が、2つ以上続くような場合や、経口補水液など水分補給をしても症状の改善が見られない場合は、脱水症状が重症化している可能性があるので、すぐにお医者さんに診てもらうようにしてください。
子供の脱水症状時の経口補水液の飲ませ方は?
脱水症状を改善させる最も効果的な方法は、出来るだけ素早く、失われた体の水分や塩分(ミネラル)を補充することが大切になります。
特に緊急性の高い場合は、経口補水液を飲ませることはとても効果的です。
経口補水液ではなくスポーツドリンクではダメなの?
わざわざ経口補水液を飲ませなくてもスポーツドリンクじゃダメなのかな?と思われる方も多くいらっしゃいます。
スポーツドリンクは、通常時やスポーツ時などに水分補給として摂取するのに優れています。
汗をかくと水分だけでなくミネラルも体内から失われていきます。スポーツ時などは、それらをすばやく補う必要があるため、浸透圧が低く、体への吸収が早まるようにつくられています。
では、なぜ脱水時にはなぜ経口補水液がいいんでしょう?
なぜ脱水症のときに経口補水液がいいの?
スポーツドリンクは、塩分が低く、糖分が高く配合されているために、通常時に摂取するぶんにはとても有効です。
しかし、脱水症状が出ているときには、水分と塩分のバランスが崩れていたり、体の水分が失われていますので、塩分量が高く、素早く体に吸収することができる経口補水液の方が適しているのです。
また、脱水症状が出ているときは、こまめに失われた体液を体に補充していく必要があります。
この時にスポーツドリンクを摂取すると、糖分の摂りすぎになり「ペットボトル症候群」を引き起こしてしまったり、必要な塩分が補えず、水分や糖分だけが過多になり体内バランスが保てず余計に体調不良を引き起こす原因にもなってしまうこともあります。
経口補水液は、体内の失われた水分や塩分を素早くかつ効率的に吸収可能にしているだけでなく、ブドウ糖やナトリウムなどを絶妙なバランスで配合されているために、脱水時には最適な飲料であると言えるのです。
ペットボトル症候群とは?
糖分を過剰摂取してしまうことが原因で、吐き気や腹痛、意識がもうろうとするなどの症状が出現するもので、急性の糖尿病のような状態になることです。若年者に特に多いことも特徴的です。
ポイント
通常の水分補給には、お水やお茶、スポーツドリンクを!脱水時には、経口補水液に切り替えて最適な水分補給を行いましょう!
注意ポイント
経口補水液の飲ませ方は?
経口補水液は、ただ飲ませればいいというものではありません。
下痢やおう吐、汗をかくことによって、失われた体液(水分・塩分・ミネラルなど)を失われた分だけ補うというのが基本的な飲み方です。
脱水症状が出始めた時と時間が経過してからは、摂取の仕方が違ってきますし、経口補水液は1日の摂取量も決まっているので、その目安の範囲内での摂取するように注意が必要です。
経口補水液の1日の摂取量は?
(例:赤ちゃんの体重 5㎏ = 経口補水液 150ml~250ml)
メモ
◆幼児…300ml~600ml/1日
◆小学生以上…500ml~1000ml/1日
経口補水液の飲ませ方のコツは?
足りない分を補充するためにも、脱水症状が出始めて3~4時間は飲めるだけ飲ませるようにしましょう。
ただし、経口補水液を一度にたくさん飲ませてしまうと、体が弱っているため吐いてしまうことがあります。
たとえ吐いても失われた体の水分やミネラルバランスを補うよう、一口ずつ、もしくはスプーンなどを使って少量をこまめに飲ませるようにして、水分補給を行いましょう。
また、ある程度経口補水液を飲ませても吐かない場合は、飲めるだけ自由に飲ませても構いません。
顔色が戻ってきたり、おしっこの量が増えてきたり、おしっこの色が薄くなってきたら、脱水症状が改善してきた証拠ですので、お子様の状態をみて、通常の食事を再開して栄養補給を行ってください。
※経口補水液を飲み続ける場合は、医師、薬剤師などの指導のうえ飲むようにしましょう。
経口補水液がないときはどうするの?
経口補水液は、コンビニやスーパーなどで販売されていないため、すぐに手に入らない場合もあります。
経口補水液は、家にあるもので簡単に作ることができますので、必要な場合は下記を参考にして作ってくださいね。
塩(食塩) 1.5g
砂糖 20g
塩や砂糖は、常温や冷えている水などでは溶けにくいので、急いでいる場合は、少量のお湯に溶かして、常温の水と混ぜ合わせると、素早く作ることができます。
また、レモン汁などお好みの果汁を入れると、風味がでるので子供でも飲みやすくなります。
まとめ
いかがでしたか?
脱水症状が出ているときは、体に足りなくなった水分や塩分、ミネラルなどを補給することが、何よりも大切になってきます。
また、喉がカラカラになっているときは、脱水症状を起こしかけていますので、喉が乾くまえに、こまめに水分や、塩分を取ることが脱水症の予防になります。