八十八夜

八十八夜とは?意味やお茶との関係は?

八十八夜は雑節のひとつです。

雑節とは、季節の変化の目安とする特定の日の総称のことで、他にも節分や入梅、半夏生、二百十日、土用、彼岸などがあります。

八十八夜は、春から夏に移る節目の日でもあります。

今回は、この八十八夜について詳しくご紹介します。

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八十八夜の意味は?

八十八夜

今年、2020年の八十八夜は「5月1日」です。

八十八夜は、立春から数えて八十八日目にあたる日のことを言います。「夜」とは言うものの「日」と同義語で、昔の「太陰暦」を使用していた名残が残ったものです。

毎年1日程度のズレはあるものの、大体5月2日頃が八十八夜になります。

「八十八夜」と呼ばれるようになったのは江戸時代からで、春から夏に移る節目の日として、夏の準備を始める日とされてきました。

また、昔から「夏も近づく八十八夜」や「八十八夜の別れ霜」などと言われ、八十八夜は霜が降りなくなり、安定した気候の訪れる時期でもあるのです。

「八十八」は組み合わせると「米」という字になります。また、末広がりで縁起の良い「八」が重なることから、農業に従事する人にとって八十八夜は特別な日とされてきました。

八十八夜とお茶の関係

お茶は霜にとても弱く、霜対策は良いお茶作りには欠かせません。

八十八夜は霜が降りなくなり、安定した気候が訪れる時期にもなり、苗代のもみまき、野菜の移植のような農作業の目安とされ、お茶も、霜が降りなくなる八十八夜から、新茶の摘み取りが行われるようになったのです。

お茶は1年に3回程茶摘みが行われます。

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4月下旬~5月下旬に摘まれたものを「一番茶」と言い、今年初めて萌え出た新芽からつくられ、「新茶」と呼ばれるのです。

その茶葉には秋から春にかけて蓄えられた栄養が十分に含まれており、最も香味豊かなお茶とされています。

また、八十八夜に摘まれた新茶は、昔から栄養価が高いとされ、古くから縁起物とされ、神棚に供える風習もあります。

そして、6月中旬~7月上旬に摘み取られるものが「二番茶」、7月中旬~8月下旬が「三番茶」と続いていきます。

お茶は、お茶を摘む時期によって味が違います。

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若く柔らかいうちに摘んだお茶と、大きく開いて堅くなってから摘んだお茶では成分が違うのです。

茶葉は成長するに従って「カテキン類」「アミノ酸」「カフェイン」などが減少して食物繊維と糖類が増加します。

食物繊維が増えることは葉が堅くなるので、お茶にしたときに成分が溶けにくくなります。

ですので春先など、早く摘んだ若い茶葉の方がうま味成分が多く、また成分が溶けやすく美味しいお茶ができるのです。

八十八夜の新茶は特別です!

新茶は1年で収穫される茶葉の中でも、特別なものとして珍重されてきました。

京都では通常、煎茶は二番茶まで、高級な碾茶や玉露は一番茶のみです。

このように、一番茶は高級で特別なものの中でも、八十八夜に摘まれた新茶は縁起もプラスされ、現在でも貴重とされているのです。

新茶は、1年でその時期だけのお楽しみのようなものです。

新茶ならではの青々しく若い味と香りを楽しむとともに、ワインのボージョレーヌーヴォーのように年ごとに異なる味わいを楽しめます。

寒い冬をじっと耐え忍びながらたくさんの養分を蓄え、春先、太陽の光をたっぷり浴びて芽吹いた新茶は、自宅や、ご贈答にも喜ばれる日本の風情を感じることのできる「おもてなし」としても喜ばれるものです。

まとめ

いかかでしたか?

八十八夜の意味を知ると、季節とともに生きる先人たちの歴史も感じることができます。

八十八夜の新茶を味わいながら、ゆっくりと季節の移ろいを感じてみるのもいいかもしれませんね。

  • この記事を書いた人

ゆうこ

私は普段、介護のお仕事をしています。 老人ホームや介護施設では、春夏秋冬、季節感のある趣向を凝らしたさまざまなイベント・行事が行われます。 日本ならではの「和」を感じる日々がこれからも大切に子ども達にも繋いでいけるよう、日々の暮らしの年中行事や歳時記についての記事を中心に書いています。 詳しいライタープロフィールはこちら

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