「開運招福」、「商売繁盛」の祭礼として賑わう「酉の市」。
酉の市といえば縁起物の「熊手」が名物。
酉の市では、いろんな熊手が所狭しと並んでいて、どれにしようか本当に迷うし、悩んでしまいます。
でも熊手には選び方や粋な買い方があるんですよ。
せっかくなら縁起を担いで、大きな運をかき込見たいもの^^
今回は、酉の市に行くなら知っておきたい!酉の市の熊手の正しい選び方&買い方は?買い替える時の注意点などについてご紹介します。
酉の市の熊手の正しい選び方は?
酉の市は、毎年11月の酉の日に行われる、開運の神さまといわれる鷲(おおとり)明神の祭礼です。
酉の市のはじまりや起源&由来などについては下記の記事もご参考に!
酉の市では、境内に熊手を売る露店が軒を連ね、熊手を買い求める多くの人で賑わい、活気あふれる雰囲気が楽しめます。
熊手はもともと、とある商売人が店先に飾ったのがはじまり
江戸時代から続く酉の市。
そんな酉の市がはじまったのは、東京都足立区にある大鷲 (おおとり) 神社ではじまった、秋の収穫祭とされています。
それが次第に、今年の収穫の感謝とともに、来年の商売繁盛や開運招福を願うお祭りへと変化していきました。
熊手は、もともと市の一角でとある商売人が店先に飾ったのがはじまりとされており、普通の農具として売られていた熊手が、「物をかき寄せる」ところから、福運や富を集める道具に見立てられ、飾り付きの熊手が「福をかき込む」、「福をとり(酉)込む」という縁起物として酉の市に欠かせない幸運のアイテムとなったのです。
酉の市の熊手の飾り
酉の市の熊手には、下記のような縁起を担ぐたくさんの種類の飾りがついています。
この飾りは指物 (さしもの) と呼ばれ、それぞれに縁起に結び付いた願いが込められています。
招福
- おかめ
- 招き猫
- 鯛
- 扇子
- 鶴亀
- 松竹梅
- 七福神
おかめは「お多福 (おたふく) 」とも呼ばれ、その名の通り、福を多く招く。家内安全招福、子孫繁栄。
福を招く。
鯛といえば恵比寿様が掲げていたり、お祝いごとで食卓にのぼったり昔から日本では「めでたい」場では欠かせない縁起物。健康長寿。
末広がりの形から末に広がるということでめでたい。
ふくろう:「福来郎」「不苦労」と「福が来る」「苦労がない」。
「鶴」は、長寿、夫婦円満の象徴。「亀」は、長寿、甲羅の紋様の六角形は吉兆を表します。
松は常緑樹で一年中緑を保ち、樹齢も長いことから「長寿」の象徴。竹はまっすぐに伸びる様子や地面にしっかりと根をはり新芽を出していく様子から「子孫繁栄」の象徴。梅は寒い冬に気高い香りとともに花を咲かせる生命力の強さから「気高さ」や「長寿」の象徴。
不老長寿、商売繁盛、五穀豊穣、家内安全など、所願成就のご利益。
金運
- 大判小判、千両箱、丁銀、分銅、巾着
- 小槌
- 瓢箪
金運アップの象徴。
一寸法師の「打ち出の小槌」ように金運や「大きくなる」などの願いを叶える道具。
千成瓢箪はお金がふえる。六つの瓢箪は、無病息災の意味。災難除け延命。
商売繁盛
- 稲穂
- 俵、金俵
- 桝
豊作や実りなど吉兆(きっちょう)のめでたい事が起こる前ぶれの印。
豊作。五穀豊穣、俵が重なっていると家内安全商売繁盛。
「益々(ますます)繁盛」を意味する縁起物。
縁起物を飾りには、それぞれいろんな吉兆を込めて飾られているので、願いを込めて自分の好きな縁起物の飾りがついたものを選んだりするのもいいかもしれませんね。
酉の市の熊手の買い方&買い替える時の注意点は?
熊手は買うときは毎年より大きく
酉の市の熊手は、もっと大きな福をかき集められるようにと、毎年大きなものに買い替えていくのが習わしとされています。
そのため、最初は小さなものを買い、年々少しづつ大きなものに買い替えていきましょう。
熊手は去年より小さいものを選んじゃダメなの?
熊手もお守りなどと同じく、できれば一年間飾った熊手は感謝とともに神社にお返しして、新しいものにするのが基本です。
その際に、去年より安いものや小さい熊手にすると「福徳が下がる」ともいわれます。
ですが、1年間の間に、身内に不幸があったり、事故や会社の業績が下がったなど、「ツイてないな」と感じるような場合には、ツキを一旦リセットしてまた一から頑張ろう!という意味で、あえて去年よりも小さいものを買うことがあります。
熊手は安く買うほど縁起がいい
自分が決めた予算内で、気に入った熊手が見つかったらいよいよ購入!といきたいところですが、酉の市では熊手の買い方にも習わしがあるんです。
まず、熊手は値切れば値切るほど縁起がいいとされており、店先では売り手と買い手の売り値の駆け引きが盛んに行われ、賑やかな場となります。
熊手は値切って買い、値切ったぶんのおつりやその一部を受け取らずに売り手のご祝儀にするのが、酉の市でのいなせな江戸っ子の粋な買い方とされています。
なかには、縁起物を値切ることは「運を値切る」ことにもつながるので、最初から値切らない、値切りはしてはいけないという人もいらっしゃいます。
値切りは酉の市ならではの楽しみのひとつでもありますが、上級者向けの方法であるともいえるかもしれませんね。
うまく値切れた際や熊手を買った後には、店の人が威勢のいい掛け声で商いの成立を意味する手締めを行ってくれるのも酉の市ならではの楽しみ方です。
まとめ
酉の市の熊手は、名物の縁起物とあって、年々熊手のバリエーションも広がってきています。
年々大きいものに買い替えていくのがよいともされる熊手ですが、自分のお気に入りの熊手と出会えた時には、それだけで縁起をいただける気がするものです。
まずは、難しく考えず、気に入ったものを買う!というのが「ご縁」かもしれませんね。