毎年11月に全国の神社や寺院で開催され、晩秋の風物詩として親しまれている「酉の市(とりのいち)」。
威勢の良い掛け声とともに豪華な縁起熊体が飛び交う、賑やかなお祭りです。
一方で、こんな疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
- 具体的にどんな行事なのかよくわからない
- 熊手の買い方やマナーが難しそう
- 飾る場所や1年後の処分方法がわからない
- 2026年の詳しい日程や、混雑を避ける方法を知りたい
酉の市は、江戸時代から続く歴史ある開運招福・商売繁盛の祭り。
作法やマナーを押さえておけば、初めて参拝する方でも安心してその魅力を存分に楽しめます。
この記事では、2026年(令和8年)の最新日程をはじめ、酉の市の基本的な仕組みや歴史的背景、熊手の粋な買い方から正しい飾り方・返納方法、主要会場の比較、混雑をスマートに回避するコツまで徹底解説します。
大人としての嗜みを身につけて、良い運気を呼び込みましょう。
酉の市とは?知っておきたい基本知識と魅力

まずは、酉の市の基本的な概要や開催時期、知っておきたい用語の仕組みについて解説します。
酉の市(とりのいち)の定義と開催される時期
酉の市とは、毎年11月の「酉の日」に、鷲神社(おおとりじんじゃ)や大鳥神社、鷲山寺(じゅせんじ)など、鷲や鳥にゆかりのある神社・寺院で開催される、開運招福・商売繁盛を願う祭礼です。
主に東日本を中心に盛んに行われており、新年の開運や商売繁盛、家内安全を祈願する晩秋の風物詩として定着しています。
境内には開運の縁起物である「熊手」を売る露店が所狭しと立ち並び、夜遅くまで多くの参拝客で賑わいます。
「酉の日」の仕組みと十二支の関係
酉の市の開催日は、カレンダーの日付で固定されているわけではありません。
日にちに十二支(子・丑・寅・卯…)をあてはめる「干支(えと)」の周期に基づいています。
十二支は12日ごとに巡ってくるため、11月の間に「酉の日」は2回、または3回巡ってきます。
この酉の日に合わせて開催されるのが、酉の市です。
「一の酉」「二の酉」「三の酉」の違い
11月に入って最初に巡ってくる酉の日を「一の酉(いちのとり)」、2回目を「二の酉(にのとり)」、3回目を「三の酉(さんのとり)」と呼びます。
年によって酉の日の回数は異なり、2回しか巡ってこない年と、3回巡ってくる年があります。
どの酉の日に行ってもご利益に違いはありません。
ただし、開催回数が少ない年は、1日あたりの混雑が増す傾向にあります。
【2026年(令和8年)】酉の市の日程とスケジュール
2026年の酉の市に参拝を計画している方に向けて、最新のスケジュールと注意点を整理しました。
2026年の開催日一覧(二の酉まで・三の酉はなし)
2026年(令和8年)の酉の市は、全国的に「二の酉」までとなっています。
三の酉はありませんのでご注意ください。
- 一の酉:2026年11月7日(土)
- 二の酉:2026年11月19日(木)
- 三の酉:なし(2026年は2回のみ開催)
2026年の一の酉は土曜日にあたるため、週末を利用して参拝する方が多く、例年以上の混雑が予想されます。
ゆったり参拝したい方は、事前のスケジュール調整が大切です。
2025年・2027年の日程比較表
前後年の日程と比較すると、周期の仕組みがよりわかりやすくなります。
| 年 | 一の酉 | 二の酉 | 三の酉 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年(令和7年) | 11月12日(水) | 11月24日(月・振休) | なし | 2回開催 |
| 2026年(令和8年) | 11月7日(土) | 11月19日(木) | なし | 2回開催(一の酉が土曜) |
| 2027年(令和9年) | 11月2日(火) | 11月14日(日) | 11月26日(金) | 3回開催 |
「三の酉がある年・ない年」の仕組みと火事の俗信
三の酉がある年とない年は、11月1日から何日目に「最初の酉の日」が来るかによって決まります。
11月1日〜10日の間に最初の酉の日が来ると、12日周期のため月内に3回巡ってくる可能性があります。
古くから「三の酉がある年は火事が多い」という言い伝えがあり、理由としては次のようなものが挙げられています。
「宵に鳴かぬ鶏が鳴くと火事が出る」という古くからの俗信・戒め
11月に祭礼が3回もあると活気が出すぎて人々の気が大きくなり、火の元への注意が疎かになりやすいこと
三の酉を迎える11月下旬は寒さが増し、暖房や火気を使用する機会が格段に増えること
2026年は三の酉がない年ですが、寒くなる季節ですので、火の元には十分気をつけましょう。
なお、一部の神社(練馬・大鳥神社など)では独自の行事日程で11月29日などに三の酉行事を行う場合もあります。
参拝先の公式発表を確認しておくと安心です。
🟢 おすすめの理由(メリット):2026年の一の酉(11月7日)は土曜日と重なり、深夜まで大混雑が予想されます。浅草や新宿などの周辺ホテルに前泊・後泊しておくことで、混雑を避けてスマートに参拝できます。
🔴 注意点(デメリット):酉の市の開催期間中は近隣のホテルが早期に満室になりやすく、宿泊料金が高騰する傾向があります。
酉の市の起源と由来|複数の説から紐解く歴史
なぜ11月の酉の日に熊手を買う祭りが行われるようになったのでしょうか。
酉の市の起源には、主に4つの説があります。
収穫祭説:農民の秋の感謝祭が始まり
最も有力とされるのが、武蔵国足立郡花又村(現在の東京都足立区花畑)の大鷲神社(おおとりじんじゃ)で行われていた収穫祭が起源という説です。
近隣の農民たちが、秋の収穫を神様に感謝するために鶏を奉納し、境内で収穫物や農具を売る市が立ったのが始まりとされています。
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)説:戦勝祈願と武具の熊手
神話に登場する日本武尊が、東夷征討の際に鷲神社(浅草)で戦勝祈願を行い、志を遂げたお礼参りに11月の酉の日に訪れたという説です。
その際、日本武尊が社前の松の木に武具である「熊手」を立て掛けたことから、熊手が縁起物として授与されるようになったと伝えられています。
仏教説:日蓮上人の祈願と鷲山寺
文永2年(1265年)、日蓮宗の開祖である日蓮上人が、浅草の鷲山寺(じゅせんじ)にて国家平穏を祈願した際、鷲の背に乗った妙見菩薩が現れたという伝説に由来する説です。
この奇瑞が起きたのが11月の酉の日であったため、守護神として祀られるようになりました。
鶏奉納説:大鳥神社へ鶏を捧げる風習
鷲神社や大鳥神社に生きた鶏を奉納し、祭りが終わった後にその鶏を浅草観音(浅草寺)の堂前に放つという風習があったとする説です。
鶏は神の使い(神使)として尊ばれ、開運の象徴とされていました。
開運を呼び込む!熊手の正しい買い方とマナー完全ガイド

酉の市の一番の醍醐味は、「熊手(くまで)」の購入です。
熊手は「福をかき集める」「財をかき寄せる」という商売繁盛・開運招福の象徴。
ただし、買い方には独特の粋な作法が存在します。
縁起が良い「値切り交渉」と「ご祝儀」の粋な作法
酉の市での値切り交渉は、単なる安売り交渉ではなく「粋な遊び(作法)」です。
1. お店の人と交渉する:
2. 値切った分を「ご祝儀」として渡す:
3. 定価どおりの金額を支払う:
ご祝儀を渡すと、店主や周囲の職人たちが手拍子とともに威勢良く「三本締め(手締め)」を行ってくれます。
なお、非常に小さな「豆熊手」や一部の定価販売店では、値切り交渉を行わないのがマナーです。
熊手の値段相場(サイズ・種類別)
熊手の価格は、サイズや飾りの豪華さによって様々です。
- 豆熊手(卓上型・小サイズ):500円〜1,000円程度(個人向け、初心者におすすめ)
- 小〜中サイズ:3,000円〜10,000円程度(個人事業主、一般的なお店向け)
- 中〜大サイズ:10,000円〜50,000円程度(企業の事務所や店舗向け)
- 特大サイズ:100,000円〜数十万円(大型企業や毎年購入している常連向け)
毎年少しずつ大きくする?買い替えの黄金ルール
熊手を毎年買い替える際は、「昨年購入したものよりも少し大きいサイズ、または同等以上のものを選ぶ」のが縁起が良いとされています。
これは、「年々事業や運気が大きくなっていく(より大樹になる)」という願いが込められているためです。
いきなり身の丈に合わない特大熊手を買うのではなく、小さなサイズから少しずつ育てるように大きくしていくのが、スマートな買い方といえます。
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🟢 おすすめの理由(メリット):遠方で酉の市会場に行けない方や、事前にインテリアに馴染むモダンな熊手を探している方は、定価でじっくり比較しながらお気に入りの開運熊手を選べます。
🔴 注意点(デメリット):実際の酉の市ならではの活気ある値切り交渉や「手締め」の体験・空気感は味わえません。
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熊手の飾り方・方角と1年後の正しい処分方法
せっかく購入した熊手も、適当な場所に放置していては運気を呼び込めません。
正しい飾り方と処分マナーを押さえましょう。
運気が上がる飾る場所・方角・高さ
購入した熊手は、持ち帰る際も高く掲げるように持ち、家に着いたら以下の条件を満たす場所に飾ります。
場所:
高さ:
方角(正面の向き):
注意点:
引っ越しや模様替えをした時の対処法
年度の途中で引っ越しや模様替えをした場合でも、処分する必要はありません。
新しい住居の適切な高い場所(東・南・西向き)へ飾れば、そのまま1年間ご利益が続きます。
1年後の返納・お焚き上げのマナー
熊手のご利益は原則として1年間です。
翌年の酉の市に持参し、境内に設置されている「納め所(納札所)」へ返納してお焚き上げをしてもらいましょう。
感謝の気持ちを込めて返納し、新しい熊手を買い求めるのが一連の流れです。
もし購入した神社へ行けない場合は、近所の神社のお焚き上げや、お正月の「どんど焼き」で納めても問題ありません。
【関東三大酉の市】主要会場の魅力とアクセス比較

関東各地で開催される酉の市の中でも、特に賑わいを見せる有名会場を紹介します。
浅草・鷲神社(東京都台東区)|日本最大級の賑わい
日本最大の規模を誇るのが、浅草の鷲神社(おおとりじんじゃ)と隣接する長國寺です。
酉の日の午前0時から24時間通しで開催され、毎年数十万人の参拝客で賑わいます。
数百軒もの熊手店や屋台が立ち並び、圧巻のスケールを体験できます。
新宿・花園神社(東京都新宿区)|大都会で楽しむ大酉祭
新宿の繁華街に位置する花園神社の祭礼は「大酉祭(おおとりまつり)」として知られ、前夜祭と本祭が行われます。
2026年の開催日程は、11月6日(前夜祭)・7日(本祭)、11月18日(前夜祭)・19日(本祭)です。
夜遅くまで賑わうため、仕事帰りの参拝にも向いています。
秩父・鷲宮神社・その他関東の有名神社
- 埼玉・鷲宮神社(久喜市):関東最古の大社とされ、歴史ある静謐な空気の中で参拝できます
- 足立・大鷲神社(足立区):酉の市発祥の地とされ、地元密着の温かい雰囲気が魅力です
- 練馬・大鳥神社(練馬区):駅からのアクセスが良く、地域住民に長く愛されている神社です
2026年の主要会場比較一覧表
| 神社・寺院名 | 所在地 | 特徴・雰囲気 | 2026年開催のポイント |
|---|---|---|---|
| 浅草 鷲神社 | 東京都台東区 | 日本最大規模、24時間開催 | 一の酉(土曜)は終日激しい混雑 |
| 新宿 花園神社 | 東京都新宿区 | 都会の中心、前夜祭も開催 | 仕事終わりの夜間に賑わう |
| 足立 大鷲神社 | 東京都足立区 | 酉の市発祥の地、歴史深い | 厳かな伝統行事を感じられる |
| 練馬 大鳥神社 | 東京都練馬区 | 駅から近く立ち寄りやすい | 2026年は独自の三の酉行事予定あり |
混雑をスマートに回避!ピーク時間帯と穴場時間
酉の市、特に浅草鷲神社などは大勢の参拝客でごった返します。
スムーズに参拝するための時間帯選びのコツを紹介します。
最も混雑する時間帯と交通規制
- 最も混雑する時間帯:夕方18時〜21時頃(仕事終わりの時間帯)
- 2026年の特別注意点:11月7日(土)の一の酉は休日となるため、日中から夜間にかけて終日混雑が予想されます
浅草周辺では21時以降になると、東京メトロ入谷駅や三ノ輪駅周辺で入場規制や歩行者規制が実施されることがあります。
ゆっくり参拝できる穴場時間帯(深夜・昼下がり)
混雑を避けて落ち着いて熊手を選びたい方は、以下の穴場時間帯を狙うのがおすすめです。
深夜〜早朝(0時〜3時):
昼下がり(14時〜15時):
遅い深夜(22時〜24時):
酉の市で味わう名物屋台と縁起物
酉の市参拝のもう一つの楽しみは、境内に並ぶ名物屋台や縁起物です。
名物「黄金餅(こがねもち)」の由来と味わい
酉の市の代表的な名物菓子が「黄金餅(こがねもち)」です。
もち米と粟(あわ)を同率でついた黄色いお餅で、「黄金(お金)持ちになれますように」という商売繁盛の語呂合わせ・縁起物として江戸時代から愛されています。
焼いて醤油や砂糖醤油をつけて食べるのが一般的で、素朴で香ばしい味わいが特徴です。
活気あふれる人気屋台グルメとおすすめお飲み物
縁起物の黄金餅や矢羽根(やばね)のほか、境内や周辺には多彩な屋台が立ち並びます。
- グルメ:焼き鳥、お好み焼き、たこ焼き、肉巻きおにぎり棒など
- お飲み物:肌寒い季節に嬉しい「甘酒」「ホットワイン」、定番のビールなど
温かい飲み物を片手に屋台を巡るのも、晩秋の酉の市ならではの楽しみ方です。
【初心者向け】酉の市のよくある質問(FAQ)10選
初めて酉の市へ行く方が抱きやすい疑問や不安に、Q&A形式でお答えします。
❓ Q1. 酉の市は商売人以外(一般家庭)が行っても大丈夫?
🟢 もちろん問題ありません。
商売繁盛だけでなく「開運招福」「家内安全」「厄除け」のご利益もありますので、個人やご家族で参拝される方もたくさんいらっしゃいます。
❓ Q2. 雨が降った場合でも開催されますか?
🟢 基本的に雨天決行です。
浅草の鷲神社など主要な酉の市は、悪天候を理由に延期や中止になった歴史はありません。雨具を準備して出かけましょう。
❓ Q3. どんな服装や靴で行くのがおすすめですか?
🟢 11月夜間の境内は非常に冷え込みます。
コートやマフラーなどの防寒着をしっかり着用しましょう。境内は混雑して長時間歩くため、履き慣れたスニーカーなどの歩きやすい靴が必須です。
❓ Q4. 子ども連れ・ベビーカーでの参拝は可能?
🟢 参拝自体は可能ですが、ピーク時の夜間は大変混雑するためベビーカーでの移動は危険です。
小さなお子様をお連れの場合は、比較的空いている昼間の時間帯を選び、抱っこ紐を使用することをおすすめします。
❓ Q5. 駐車場はありますか?車で行っても大丈夫?
🟢 主要会場(浅草鷲神社など)には参拝客用の駐車場はありません。
周辺のコインパーキングも満車になるため、電車やバスなどの公共交通機関を利用するのがスマートです。
❓ Q6. 参拝にかかる所要時間の目安は?
🟢 空いている時間帯であれば、参拝と熊手購入で30分〜1時間程度です。
混雑するピーク時は、神社に入るための参拝列だけで1時間以上並ぶこともあります。
❓ Q7. 熊手を購入した後の持ち帰り方の注意点は?
🟢 熊手は縁起物のため、カバンの中にしまい込まず、正面を高く掲げるようにして持ち帰るのがマナーとされています。
満員電車に乗る際は、飾りが壊れないよう注意しましょう。
❓ Q8. 境内で撮影をしてもマナー違反になりませんか?
🟢 記念撮影自体は問題ありません。
ただし、熊手店の方々や他の参拝客の迷惑にならないよう配慮し、混雑した通路の真ん中で立ち止まっての撮影は避けましょう。
❓ Q9. 予算はいくら持っていくのが安心?
🟢 個人向けの小さな熊手や屋台を楽しむ程度であれば、5,000円〜10,000円程度持参すれば十分楽しめます。
本格的な熊手を購入する場合は、事前に相場を確認してお金を準備しましょう。
❓ Q10. 関西の「十日えびす」との違いは何ですか?
🟢 関西で1月10日に行われる「十日えびす(恵比寿様を祀る祭り)」が、関東の「酉の市」に相当します。
どちらも商売繁盛を願う行事ですが、飾る縁起物(関東は熊手、関西は福笹など)や開催時期に違いがあります。
まとめ|2026年の酉の市で開運と良縁を呼び込もう
酉の市は、江戸時代から受け継がれてきた活気あふれる伝統行事です。
2026年(令和8年)は「一の酉:11月7日(土)」「二の酉:11月19日(木)」の2回開催となります。
特に土曜日に重なる一の酉は大きな混雑が予想されますので、早めの計画や穴場時間帯の活用がスマートです。
マナーと嗜みを心に留め、素晴らしい酉の市参拝をお楽しみください。
※掲載している日程やイベント内容は変更となる場合があります。お出かけの際は、事前に各神社・寺院の公式サイト等で最新情報をご確認ください。