11月。
福をとり(酉)込む縁起担ぎの習わしといえば「酉の市」。
客商売の開運をつかさどる鷲神社などに露店が立ち並び、盛大に市が開かれ、賑やかな風情を楽しめます。
賑やかな雰囲気に誘われ、足を運んでも、初めての場合だと、
「酉の市ってどんなものなの?」と、ギモンに思うかもしれませんね。
今回は、酉の市とは?どんな行事なの?起源や由来についてなど、酉の市の基礎知識についてご紹介します。
酉の市とは?どんな行事なの?起源や由来をご紹介!
「酉の市」は、11月の酉の日に、鷲(おおとり)明神をまつる各地の鷲神社や大鳥神社で行われる、商売繁盛を祈願する祭礼です。
酉の日とは?
「酉の日」とは、十二支の酉にあたる日のことです。
十二支と聞くと、「来年はねずみ年だね~。」といった感じで、来年の干支などが馴染みが深いかもしれませんね。
十二支は、年だけでなく、日や時、方位にも用いられるもので、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥(ね・うし・とら・う・たつ・み・うま・ひつじ・さる・とり・いぬ・い)」の12種類の動物に当てはめられ、酉の日は、12日ごとに巡ってくることになります。
干支については下記の記事もご参考に!
今年2019年の酉の市はいつなの?
- 11月8日(金)【一の酉】
- 11月20日(水)【二の酉】
酉の日は、12日ごとに巡ってくることから、月に2回ないし3回ありますが、最初の酉の日を「一の酉」、次を「二の酉」、続いて「三の酉」と呼びます。
ポイント
暦上、11月に酉の日が2回の年と3回の年がありますが、『「三の酉」まである年は火事が多い』という言い伝えがあります。
これは、いくつかの説があり、ひとつは「宵に鳴かぬ鶏が鳴くと火事が出る」とう俗語によるものとされています。
ほかにも、ひと月に3回も祭礼があることで、活気がありすぎて火事が多いというものや、三の酉の頃になると次第に寒さも増し、火を使う機会も増えることから、注意を喚起する意味もあったとされる。などの説があります。
酉の市のはじまりとは?
酉の市の起源は、江戸時代、現在の東京都足立区にある「大鷲(おおとり)神社」といわれています。
その昔、神社の近隣に住む農民たちが秋の収穫を祝って、この神社に鶏を奉納し、境内で熊手や竹箒、ヤツガシラや餅を売ったのがはじまりといいます。
現在も、酉の市は関東地方で盛んに行われており、なかでも浅草・長國寺の鷲大明神で開かれる酉の市は、「新(しん)の酉」と呼ばれ、江戸時代から現在まで続いており有名です。
酉の市は江戸情緒を残した関東の行事で、関西では1月10日の「十日えびす」が関東の酉の市にあたる行事になります。
酉の市の縁起物
開運招福・商売繁盛のお祭りでもある酉の市。
せっかくならありがたいご縁を担いで帰りたい!
酉の市にも、名物の縁起物があるので、名物の縁起物で福をとり(酉)込むのもおすすめですよ!
熊手が縁起物とされるのは「福をかき入れる」という縁起担ぎからだといわれています。
熊手は値切って買い、割り引いてもらった一部をご祝儀として返すのが粋な買い方といわれています。
買った後には、店の人が威勢のいい掛け声と手締めをしてくれて、なんだかその活気を受けるだけでも、縁起が良いと感じる酉の市ならではの風景です。
「黄金餅」は、粟餅(あわもち)ともいわれ、もち米と粟を同じ割合にしてついた餅のことなんですが、色が黄色がかっており、小判のような形をしていることから「黄金餅」と呼ばれるようになりました。
「お金持ちになりますように」との意味が込められており、毎年多くの人が買い求める人気の縁起物です。
まとめ
あれこれと祈念して縁起を担ぐ心情は古今東西を問わずいつの世でも不変のことかもしれません。
酉の市の活気あふれる雰囲気を味わうだけでも、元気と笑顔をもらえますよ。
みなさんが幸運をかき入れて、笑顔になる酉の市となりますように。