会社や企業で出す年賀状は、ほとんどが印刷といったところが多いものですね。
出す枚数も大量なので仕方ないことではありますが、受け取った側からすれば、そんな全面印刷の年賀状に、とっても事務的で虚礼的な印象を持ちやすいのも事実です。
でも、そんな事務的な年賀状でも、短くてもいいので手書きの一言メッセージなどが添えられていると、ちょっとした人間味や心を感じることが出来て、受け取った人はグッと親しみや嬉しさが増すものです。
そこで今回は、取引先やお客様に出す年賀状の一言メッセージをご紹介します。
年賀状に一言添える文例 ビジネス編でのポイントは?
年賀状といえども、会社として出すものですので、まず基本として、より丁寧な言葉づかいを心掛け、誤字脱字がないよう必ず再確認するようにしましょう。
また、字はキレイに丁寧に書くよう心掛けましょう。年賀状であれば「筆ペン」などを用いて書くと、より季節感や丁寧さを感じておすすめです。ここで、注意したいのがインクの色です。弔事を連想させてしまうため、グレー(薄墨)の文字は避けるとともに、ボールペンなどでもインクがかすれるようなことがないようにしましょう。
字が汚くても、一生懸命丁寧に書こうとした文字は相手にも不思議と伝わるものです。逆を返せば、とりあえず書いた字も相手に伝わりやすいということです^^;
自分ではたくさんの枚数の中の1枚かもしれませんが、受け取るほうは、ただ1枚のあなたからの年賀状ですので、そのポイントは忘れないようにしましょう。
他にも、年賀状の基本として使ってはいけない言葉などもありますのでご紹介します。
賀詞との重複
年賀状でよく使われる「謹賀新年」などの賀詞ですが、使い方によっては間違っていたり、失礼になる場合もあるので注意しましょう。
- 謹賀新年:謹んで新年のお喜び(お慶び)を申し上げるという意
- 迎春:新年を迎える意
- 頌春:新年をほめたたえる意
上記は、ビジネスの年賀状の賀詞としてよく使われるものですが、特に「謹賀新年」が用いられている際に、続けて、「明けましておめでとうございます。昨年はお世話になり・・・」と書くのはNGです。
「謹賀新年」は、その言葉自体が新年の祝いの意味ですから、謹賀新年の後に再び「明けまして・・・」と続けるのは、祝いの語の重複となるため避けましょう。
ポイント
忌み言葉
年賀状では、「去年はお世話になりまして」などの言葉よりも「旧年中は」などの表現が用いられます。これは、 「去」という語が「去る」ということを連想させるためといわれるためです。
新年は新しい年の幕開けとして、昔からめでたいお祝い事でもありました。そんなおめでたい場面で縁起の悪い言葉や水を差すような言葉は縁起が悪いとされ、あまり用いるべきではないとされてきているのです。
他にも、「潰れる」「枯れる」「衰える」「破れる」「失う」「倒れる」「滅びる」などの縁起が悪い言葉やイメージの悪いことを連想させるような言葉は使わないように注意しましょう。
添え書きに句読点はつけない
年賀状では、「、」「。」などの句読点はつけないのがマナーです。
昔、筆で書かれていた時代の名残という説もありますが、年賀状は、年初めの大切な挨拶でもあるので、 「”区切り”をつけないために句読点は用いない」とされています。
手書きでメッセージを書く際には、いつものクセで思わず句読点をつけてしまいそうになりますので、注意しましょう。
年賀状に一言添える文例 取引先への一言は?
ビジネスの年賀状では、すでに印刷された文面に昨年の感謝の言葉や変わらぬご厚意をお願いする文章がある場合が多いですので、ポイントを抑えながら、失礼のない気が利いた一言メッセージを書いていきましょう。
取引先への年賀状では、昨年の感謝よりも、新年の抱負や変わらぬご厚意など前向きな一言を添えることで、お互いのより一層の発展を感じられて力強く響きます。
下記に例文をご紹介します。
- 本年もよろしくお願いいたします
- 本年も変わらぬご愛顧(ご厚意、ご交誼)のほど心よりお願い申し上げます
- 本年もなお一層のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます
- 御社のますますのご発展を祈念させていただきます
- 本年も皆様のお役に立てるよう一層の努力をもってご厚情にお応えしてまいります
年賀状の場合は、手紙と違い、文面が多くの人の目に触れることもあるので、プライベートな一言や取引内容などの具体的な仕事内容については書かないようにするのがマナーです。
そのため、シンプルな文言にはなりますが、手書きで添えることで、人間味を感じますし、その手間を掛けてくれたことへの感謝も伝わりますので、シンプルな文章も丁寧に心を込めて書くようにしましょう。
年賀状に一言添える文例 お客様への一言は?
お客様への年賀状の場合は、昨年の感謝の言葉や変わらぬご厚意をお願いする文章とともに、営業日などを印刷されていたりするものが多くあります。
お客様の場合は、個人宛に送る場合も多いので、それぞれのお客様に合わせた一言を添えることで、グッと魅力的な年賀状になりますし、取引先よりも少し長めのメッセージを添えることで、信頼感や親しみやすさも向上しやすいですよ。
また、お客様への年賀状は基本的に「目上の方」に出す形式で言葉を選ぶようにしましょう。
下記に例文をご紹介します。
- 本年もより一層のご愛顧を賜りますよう よろしくお願い申し上げます
寒い日が続きますが くれぐれもご自愛ください - 旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り 誠にありがとうございました
○○様をはじめご家族皆様にとって幸多き一年となりますよう心からお祈りいたします - 旧年中はひとかたならぬご愛顧にあずかり 誠にありがとうございました
○○様をはじめご家族皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます - 本年も社員一同さらなる努力をもって 皆様のお役に立てるよう頑張る所存です
本年も変わらぬご愛顧のほど心よりお願い申し上げます
寒さ厳しき折 くれぐれもご自愛ください
お客様への年賀状では、相手や家族の健康を気遣う文言を添えることで、心を感じる一言メッセージになります。具体的に○○様といった感じで相手の名前を入れて書くと距離感も縮まる効果があります。
宣伝や案内なども添えたいところではありますが、年賀状で営業的な文言は無粋な印象を与えてしまい、かえって事務的な印象を倍増させ逆効果にもなりやすいので、あまり書かないほうがよいでしょう。
新年のセール情報など営業的な案内は、年賀状とは別に後日送付することで、人間関係や仕事に対しての誠実さを感じる印象を持たれやすくなります。
まとめ
いかがでしたか?
ビジネスの場面では、相手に失礼のないよう形式を大切にしながらも、自分自身の言葉を綴ることで、相手に響く年賀状になります。
手間は掛かりますが、そのぶんあなただけのオンリーワンの年賀状が贈れますので、日頃の感謝と新年のお祝い、これからのご愛顧を願い、心を込めて書いてみてくださいね。