敬語

敬語の使い方ビジネス完全ガイド!よく使う尊敬語・謙譲語・丁寧語の一覧表とチャット・メールの定番フレーズ・NGマナー徹底解説

ビジネスの場面では、様々な場面で敬語を使うことが多くなります。

最近ではメールだけでなく、SlackやTeams、LINE WORKSなどの「ビジネスチャット」を使う機会も増え、よりスピーディーで正しい敬語の使い分けが求められるようになりました。

自分の立場や相手との関係によって敬語を使い分ける場面も多く、使い方を間違えると相手を不愉快にさせてしまうこともあるので、正しい敬語の知識はしっかり身につけておきたいものですね。

今回は、現代のビジネスの場面でよく使われる敬語のルールや使い方、そのままコピペして使える便利な定番フレーズ、ビジネスチャットならではの最新マナーまでを分かりやすくご紹介します。

敬語の基本:尊敬語・謙譲語・丁寧語の違いとは?

日本語は難しいもので、そのなかでも「敬語」の使い方は頭を悩ませる場面も多いものです。

「敬語」といっても単純に丁寧な言葉を使えばよいというわけではなく、丁寧すぎると「慇懃無礼(いんぎんぶれい)」(※言葉や態度などが丁寧すぎて、かえって無礼であるさま)な印象を与えてしまうことにもなりますので注意が必要です。

ビジネスにおける敬語は、基本となる「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つを押さえるのが分かりやすくておすすめです。

📌 補足:敬語の5分類について

文化庁の「敬語の指針」では、現在はさらに細かく「謙譲語Ⅰ・Ⅱ」「美化語」を合わせた【5分類】が正式なマナー基準とされています。

今回は実践で迷わないよう、基本の3グループを中心に解説しますね!


尊敬語(そんけいご)
相手が自分よりも上に位置するものとして敬意を表す言葉です。基本的に目上の人に対して使いますが、ビジネスの場面では、年下であっても取引先や顧客など社外の人には必ず尊敬語を用います。

謙譲語(けんじょうご)
自分や身内を相手より低く扱い、相手にへりくだることで、間接的に相手への敬意を表します。分かりやすく「謙譲語は、自分や身内(社内の人間も含める)の動作に対して使う」と覚えておくといいでしょう。

丁寧語(ていねいご)
丁寧な言葉遣いで、聞き手に対して直接敬意を表します。「です」「ます」「ございます」などを用いるのが丁寧語の特徴で、同僚との会話やチャットツールでも基本となる言葉遣いです。

🏢 「弊社」と「当社」はどう違う?自社と他社の正しい呼び方ルール

ビジネス敬語の中でも、特に若手社員が迷いやすいのが「自分の会社の呼び方」です。

「弊社(へいしゃ)」「当社(とうしゃ)」は、相手との関係性によって明確に使い分ける必要があります。

社外には「弊社」、社内には「当社」

弊社(へいしゃ) = 社外の相手に対して使う

取引先、顧客、社外のパートナー企業などに対して自分の会社を指すときは、必ず「弊社」を使います。自分自身をへりくだることで、相手への敬意を表す「謙称(けんしょう)」にあたります。

当社(とうしゃ) = 社内の人間や公式な発表で使う

自社の社内会議、社内メール、就業規則などの「身内向けの場面」では「当社」を使います。

また、企業のプレスリリースや公式発表、就職活動の企業説明会などで「客観的に自社を示す」場合にも当社が使われます。

📌 補足:上司を社外に伝えるときのルール

取引先の人に対して自社の上司のことを話すときは、たとえ役職が上の社長や部長であっても呼び捨てにするのが鉄則です。

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【NG】:佐藤部長がおっしゃっていました。
【OK】:部長の佐藤が申しておりました。

📊 よく使う敬語の尊敬語・謙譲語・丁寧語の一覧表

ビジネスの現場やチャットツール、メール等で特によく使う基本動詞の敬語を一覧表にまとめました。

「謙譲語」に関しては、現代のビジネスマナー基準に合わせて、「高める相手がいる場合(謙譲語Ⅰ)」と、「自分の行動を丁重に言う場合(謙譲語Ⅱ/丁重語)」に分かりやすく分けてご紹介します。

元の動詞 丁寧語 尊敬語(相手を高める) 謙譲語(自分側を下げる)
行く 行きます いらっしゃる、おいでになる、お越しになる 【相手:Ⅰ】伺う、参上する
【丁重:Ⅱ】参る
会う 会います お会いになる、会われる 【相手:Ⅰ】お目にかかる、お会いする
聞く 聞きます お聞きになる、お尋ねになる 【相手:Ⅰ】伺う、承る、拝聴する、お聞きする
見る 見ます ご覧になる 【相手:Ⅰ】拝見する
言う 言います おっしゃる、お話になる 【相手:Ⅰ】申し上げる
【丁重:Ⅱ】申す
知っている 知っています ご存じ 【相手:Ⅰ】存じ上げる
【丁重:Ⅱ】存じる
思う 思います お思いになる、思われる 【丁重:Ⅱ】存じます、存じる
考える 考えます お考えになる 【相手:Ⅰ】拝察する
【丁重:Ⅱ】存じる、検討いたす
受ける/もらう 受けます/もらいます お受けになる/お受け取りになる 【相手:Ⅰ】いただく、頂戴する、賜る、授かる
与える
(目上へ出す)
あげます 【相手:Ⅰ】差し上げる、進呈する
与える
(目上から頂く)
くれます くださる、お与えになる、賜る
食べる 食べます 召し上がる 【相手:Ⅰ】ごちそうになる
【丁重:Ⅱ】いただく、頂戴する
読む 読みます お読みになる、ご覧になる 【相手:Ⅰ】拝読する、お読みする
いる(居る) います いらっしゃる、おいでになる 【丁重:Ⅱ】おる
する(行う) します なさる、される
する(行う) します なさる、される 【相手:Ⅰ】させていただく
【丁重:Ⅱ】いたす

🏢 呼称の敬語:相手側(尊称・敬称)と自分側(謙称・自称)の一覧

人、組織、物、場所の「呼び方(呼称)」そのものを変えるルールの一覧です。正しい組み合わせをしっかり覚えておきましょう。

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対象 相手側(尊称・敬称) 自分側(謙称・自称)
会社・銀行 貴社(※書き言葉)
御社(※話し言葉・チャット)
貴行(銀行)、貴店(店舗)
弊社、小社、当行、当社
官公庁・役所 貴省、貴庁、貴署、貴自治体、貴役所 当省、当庁、当署、当役所
団体・組合 貴会、貴協会、貴組合、貴法人 当会、当協会、当組合、当法人
意見・考え ご意見、ご高説、ご意向 私見、愚見、私案
文書・メール 貴信、貴書、ご書面、お手紙 弊信、書面、一筆
品物・ギフト ご厚志、ご高配、お心づくしのお品 寸志(※目下へ)、粗品、心ばかりの品
気持ち ご厚情、ご芳情 微志、寸志、せめてもの気持ち
自分自身・本人 〇〇様、貴殿(※男性宛書面)、あなた様 私(わたくし)、当方
夫・妻(配偶者) ご主人様、奥様、配偶者様 夫(おっと)、妻(つま)
父親・母親・両親 ご尊父、ご母堂、ご両親様 父、母、両親
息子・娘(子供) ご子息、ご令息、ご令嬢、ご息女 息子、娘
家族一同 ご一同様、ご家族の皆様 家族、私ども一同

上記のように、手紙や書面だけでなく、日々のビジネスメールやチャットツールでのやり取りも、相手(尊称・敬称)と自分(謙称・自称)のルールに則って用いられていることがわかります。

咄嗟の場面でもスムーズに正しい言葉が出てくるよう、しっかり覚えておきたいものですね。

📝 チャットやメールですぐ使える!定番のビジネス敬語フレーズ言い換え集

単語だけでなく、実際の文章作成でよく使う定番フレーズを正しい敬語に言い換えてまとめました。

コピー&ペーストしてメールやチャットにご活用ください。


確認してください
➡️ 「ご確認ください」 / 「ご査収(さしゅう)ください」

無理です / できません
➡️ 「いたしかねます」 / 「ご希望に添えず恐れ入りますが」

伝えておきます
➡️ 「申し伝えます」(※社外に対して「佐藤に申し伝えます」などと使います)

わかりました
➡️ 「承知いたしました」 / 「かしこまりました」

後でメールします
➡️ 「追ってメールにてご連絡いたします」

ミス多発!ビジネスでよく間違う敬語の例

現場やチャットで特によくやってしまいがちな、間違いやすい敬語のNG例をまとめました。

1. 身内に尊敬語を使ってしまう

【NG】:弊社の課長がいらっしゃいます。

【OK】:弊社の課長は、ただいま外出しております(または、〇〇が伺います)。

📌 補足:身内への敬語ルール

社外の人に対して話すときは、たとえ自分の上司(課長や部長)であっても「身内」になるため、尊敬語を使うのはNGです。

呼び捨てもしくは役職名のみで呼び、自分の動作と同じように謙譲語を使いましょう。

2. 相手に謙譲語を使ってしまう

【NG】:〇〇様が申されました。

【OK】:〇〇様がおっしゃいました。

📌 補足:主語による敬語の使い分け

「申す」は自分側がへりくだるときに使う謙譲語です。

これに尊敬の「〜れる」を混ぜても正しい敬語にはなりません。相手の動作には必ず尊敬語の「おっしゃる」を使いましょう。

3. 「ら」抜き言葉

【NG】:9時に来れますか?

【OK】:9時に来られますか?

📌 補足:「ら」抜き言葉の注意点

ビジネスシーンやチャットでのやり取りでは、フランクな「ら抜き言葉」は教養がない印象を与えてしまうことがあります。

「来られる」「見られる」と正しく使いましょう。

4. コンビニ敬語(バイト敬語)

【NG】:こちらが見積書になります。

【OK】:こちらが見積書でございます(または、見積書です)。

📌 補足:「〜になります」の誤用

「〜になります」は、何かが別の状態に変化するとき(例:水が氷になります)に使う言葉です。

目の前にある書類を指すときは、「〜です」「〜でございます」が正しい表現です。

5. 「ご苦労様」と「お疲れ様」の落とし穴

【NG】:(上司や社外の相手に向かって)昨日はご苦労様でした。

【注意】:昨日はお疲れ様でした。(※社内限定)

【OK】:昨日は誠にありがとうございました(または、お世話になりました)。

📌 補足:ねぎらい言葉の注意点

「ご苦労様」が目上の人から目下の人へ使うねぎらいの言葉であることは有名ですが、実は「お疲れ様」も本来は目下をねぎらう言葉のニュアンスを含みます。

そのため、社内の上司には「お疲れ様です」が定着していますが、社外の取引先や顧客に対して使うのはマナー違反とされています。

社外の相手には、シンプルに感謝や挨拶の言葉へ言い換えるのがスマートな大人のマナーですよ。

6. 二重敬語(過剰な表現)

【NG】:お客様がおっしゃられていました。

【OK】:お客様がおっしゃっていました。

📌 補足:過剰表現のデメリット

「おっしゃる」という尊敬語に、さらに尊敬の「〜られる」をつけてしまう二重敬語の典型例です。

敬語を重ねすぎると、かえって慇懃無礼で不自然な印象を与えてしまうため、1つの言葉に敬語は1回、が基本ルールです。

💬 現代の必須マナー!ビジネスチャットで失敗しない敬語のコツ

SlackやTeamsなどのビジネスチャットはメールよりも素早いやり取りが特徴ですが、そのぶん敬語のバランスを崩すと「冷たい」「失礼だ」と思われがちです。

チャットならではのコツを2つ押さえましょう。

クッション言葉を添えて「冷たさ」を防ぐ

チャットの短文は文字だけだと冷たい印象になりやすいです。

本題の前に「恐れ入りますが」「差し支えなければ」「ご多忙中恐縮ですが」といったクッション言葉を1言添えるだけで、トーンがぐっと柔らかくなります。

「了解しました」はチャットでも目上にはNG

フランクなチャットツールであっても、上司や社外の相手に「了解しました」「了解です」と返信するのはマナー違反です。

チャットでも必ず「承知いたしました」または「かしこまりました」を使用しましょう。

まとめ:正しい敬語はビジネスの最強の武器

ビジネスの場面では、敬語もTPOやコミュニケーションツール(メールやチャット)の特性をわきまえた使い方が必要になります。

最初は難しく感じてしまいがちな敬語ですが、ルールさえ掴んでしまえば、相手に信頼感と安心感を与えるための最強のビジネス武器になります。

正しい言葉遣いを心がけ、良好なビジネス関係を築いていきましょう!

※公的な敬語指針や、最新の正しい日本語の基準については、文化庁の公式情報等もあわせて参考にしてみてくださいね。

  • この記事を書いた人

山崎

中小企業での15年間、経理・総務・労務まで何でもこなす「現場の何でも屋」として実務を牽引。現在は独立し、ネット広告会社を経営しています。自社で実践している確定申告や節税、業務効率化のノウハウなど、実体験に基づいた「正確で、今すぐ使える実践的な知見」の発信が強みです。ビジネスの現場で直面する悩みをスピード解決できるよう、明快で迷わせない文章をお届けします。 詳しいライタープロフィールはこちら

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