春の訪れが待ち遠しい時期、ビジネスの場面では、まもなく転勤や職場の異動をする人も多くなってきます。
転勤や異動の際には、お世話になった方や取引先などに挨拶状を出すことがマナーでもあります。
「転勤の挨拶のタイミングはいつ頃がベストなの?」
「挨拶状はメールでも失礼じゃない?」
など、素朴な疑問も浮かびます。
今回は、転勤の挨拶のタイミングについてや、挨拶状の文例について詳しくご紹介します。
転勤の挨拶のタイミングは?
転勤や異動の際には、正式な辞令を出す前に、本人側に連絡または通知する「内示」が出るのが一般的です。
基本的には正式な辞令が出る1か月前程度のタイミングで内示が出ることが多いですが、会社によって方針に違いがあり、場合によっては内示後すぐに辞令が出る場合もあります。
内示の時期については、会社の社内規定によってそれぞれ異なりますので、所属する会社の社内規定を確認してみましょう。
内示は、転勤や異動の対象となる本人に、異動までの準備期間を与えるもので、引き継ぎも含め心の準備期間も考慮されて設けられています。
また、やむを得ない諸事情により転勤や異動を受け入れられない場合もあるため、正式な辞令の前に確認のために内示が出されます。
なお、この内示が出された段階で、正式ではないですが転勤や異動はほぼ確定ともいえます。
そのため、この内示が出た段階で業務の引き継ぎをするための準備や取引先や関係者など挨拶をすべき相手先のリストアップを行ったりと、自分でできる範囲での準備をすすめていきます。
その際に注意したいのが、基本的に、正式な辞令が出るまでは口外禁止が原則です。
そのため、内示の段階で転勤の挨拶をしたりするのはNGとなります。
また、会社によっては、告知の解禁日が設けられている場合もあるため、その方針に従い行動するようにし、自分勝手な判断で口外するようなことがないようにしましょう。
ポイント
かんたん説明
転勤の挨拶状を出す相手は?
転勤や異動の挨拶は、取引先やお世話になった方へ出します。
- 取引先
- 仕事や業務でお世話になった方
- 個人的につながりの深い人
上記のような相手に転勤や異動の挨拶状を出すのが一般的ですが、あまり関りが深くない人へ向けて出すと先方も戸惑ってしまうため、ある程度の接触がある方へ出すようにしましょう。
転勤の挨拶を電話で行ってもいい?
転勤や異動が正式に決定すると、通常業務に加え、引き継ぐや新しい着任先への準備などで大変忙しくなります。
その合間にも、取引先への挨拶と社内の関係各所やお世話になった方などへ挨拶を行っていきます。
その際に、まずは電話やメールで挨拶をする場面も増えています。
業務上、引き継ぎなどが滞りなくスムーズに運ぶようできる限り早く、ご報告することも大切なため、取り急ぎ電話にて転勤や異動の旨を連絡しておき、後日、新しい担当者などを連れて直接出向いてご挨拶するようにします。
ここで注意したいのが、電話やメールでのご報告は、あくまで取り急ぎの手段であって、正式には、電話やメールの後に、改めて書面にて挨拶状を出すのが正しいマナーとなります。
この挨拶状には、これまでお世話になった方々に対するお礼と、これからお世話になる方々へのご挨拶も含まれているため、大切なものといえます。
失礼のない書面にてご挨拶ができるようにしたいですね。
転勤の挨拶の文例は?
まずは、挨拶状に盛り込むべき要素を下記にご紹介します。
転勤や異動の挨拶状のポイントは?
- 転勤・異動の報告(時期、理由、赴任先など)
- 今までお世話になったお礼
- 今後の抱負や予定
- 後任者の名前
- 新しい所属先の連絡先
個人的に親しい間柄であれば、電話やメールなどで別途、詳細な内容等を報告すればいいですので、一般的には挨拶状に盛り込む事項は簡潔にするようにしましょう。
転勤の挨拶 例文①
注釈
②:縦書きの場合は、最後に日付、自分の名前、宛名の順に書きます。
転勤の挨拶 例文②
このたびの人事異動により○○支店勤務を命ぜられ過日着任致しました。
○○支店在勤中は一方ならぬご厚情を賜り誠に有難く厚く御礼申し上げます。
今後とも何かとお世話になることと存じますがこれまで同様よろしくご指導賜りますようお願い申し上げます。
尚 当地にお越しの節は是非お立ち寄り下さいませ。
末筆ながら皆様のご健康とご多幸をお祈り致します。
まずは略儀ながら書中をもってご挨拶申し上げます。
敬具
平成○○年○月
転勤の挨拶 メールでの文例もご紹介!
ビジネスの場面で送るメールで気をつけることの基本として、「Bcc」などを使って一斉に送信をするのはNG!です。
メールは、書面を書くよりも簡単に、多くの方へ送ることが出来る半面、一斉送信したメールなどでは失礼に当たる可能性があります。
一斉送信メールは、先方に「これは、一斉送信しているメールだな」とわかってしまいますので注意が必要です。
また他にも、ビジネスメールを送る時に失礼にならないように気をつけるべきポイントがあるので確認しておきましょう。
- 【良い例】
- 【悪い例】
「㈱○○(自社名) ●●(自分の名前)転勤のご挨拶」
「転勤のご挨拶 ㈱○○ ●●」
「お疲れ様です」
「お世話になっております」
「Re:」
「no subject」
株式会社○○(会社名)
△△課(部署名)
●●●●(担当者名) 様
と書きます。
また、肩書きや役職がある場合は、名前の前に役職をつけます。
- 【良い例】
- 【悪い例】
「社長 ●●●●様」
「●●●●社長 様」
「御中」は特定の人に送る場合は使いません。「会社宛」や「部署宛」に送る時に使います。
- 【良い例】
- 【悪い例】
「株式会社○○御中」
「株式会社○○ △△課御中」
「株式会社○○御中 △△課御中」
「株式会社○○ △△課御中 ●●●●(担当者名) 様」
- 【例】
「○で囲んだ数字(丸数字)」や「ローマ数字」「単位記号」など。
このような文字は極力避けるようにするのがマナーで宇です。
メールでの転勤の挨拶の例文
○○株式会社
営業部 ○○様
いつも大変お世話になっております。
株式会社○○○○ 営業部の山本です。
さて、私事ではございますが、
この度、○月○日付けで、○○支社へ転勤することとなりました。
本社在勤中は、ひとかたならぬご交誼にあずかり、誠にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
新しい部署に移りましても、より一層の努力を重ね、本社での経験を活かし、仕事に邁進していきたいと思っております。
着任後には、改めましてご挨拶させていただく所存ですが、
メールにて恐縮ですが、取り急ぎお礼かたがたご挨拶申し上げます。
平成○○年〇月〇日
…………………
◇◇株式会社
東京都千代田区千代田123-45
▲▲部 ■■■■
tel.03-0000-0000
E-mail:*****@#####.com
…………………
まとめ
ビジネスの場面では、挨拶のひとつひとつが大切な繋がりのツールにもなります。
転勤や異動といった場面でも、お世話になった方や取引先など、関わった方々への感謝と御礼を心を込めて伝えるようにしましょう。
ビジネス文書は、一見すると簡潔ですので素っ気ない感じもしますが、一言手書きでメッセージを付け加えるなど、自分なりの工夫で相手の印象も大きく変わります。
ビジネスの場面だからこそのルールは守ったうえで、自分なりの感謝やお礼が伝わる挨拶状が書けるといいですね。