「お尻がかゆい…」
でも、恥ずかしくて病院にも行けないし、人に相談なんてもってのほか。
そんな悩みを抱えている人は少なくありません。
仕事中(日中)は、痒みが出てもデリケートな部分のため我慢するしかなく、また肛門が痒くて眠れない…など、ストレスを感じることも多いものです。
今回は、我慢できない肛門の痒みの原因についてご紹介します。
また、併せて自分でケアできる方法として市販薬でも効果があるのか?効果のある市販薬は?についてもご紹介します。
お尻が痒いのは病気なの?
日々感じるお尻の痒みなどは、デリケートな部分のため人に相談できずに一人で抱えている方もたくさんいます。
「もしかして自分だけ?」「変な病気だったらどうしよう?」なんて考えてしまい、日々ストレスを感じている方もいらっしゃいます。
「お尻(肛門)が痒い」のは、病気の場合もありますが、実はその多くが、病気ではなく自ら引き起こしていることが多いんです。
「肛門の痒み」の症状は、総称して【肛門掻痒症(こうもんそうようしょう)】と呼ばれます。
大層な名前がついていますが、これは病気ではあなく、自分で掻きむしって出来た湿疹なんです。
【肛門掻痒症】は、アトピー性の皮膚炎のように体の内側から吹き出して出来る湿疹とは違い、 お尻を拭きすぎたり、掻いたりするなど、物理的な刺激をお尻に与え続けることで発症することが多い症状です。
さらにひどくなると、肛門の周辺に出来た傷が、赤くなったり、 ひどくなると皮膚全体が腫れて盛り上がったようになり、色も白っぽくふやけたようになります。
ここまでの状態になるとお尻のかゆみは慢性化していることが多く、治療にも時間がかかります。
また、【肛門掻痒症】ではなく、本当に病気の場合もありますので注意が必要ですので、こちらも簡単にご紹介します。
【肛門掻痒症】でない場合は?
- 接触皮膚炎
- 皮膚カンジダ症
- ぎょう虫症
- 皮膚癌
- 尖圭コンジローマ
いわゆる「かぶれ」です。肛門のかぶれの原因として多いのは、 市販の軟膏、ナプキン、肛門専用のスプレー、消毒薬、ウエットティッシュなどが原因の場合があります。
その場合はこれらの使用は避けましょう。また、脱肛(だっこう)や痔瘻(じろう)からの分泌物で皮膚がかぶれる場合もあります。 その場合は脱肛や痔瘻の治療をしなければ皮膚炎も治りません。
いわゆる「カビ」で、「水虫」のようなものです。
もともと【カンジダ】という真菌は正常な皮膚にも少しだけ存在するのですが、 体の抵抗力が落ちることによって増殖します。痒みはほとんどないか、あっても軽度のものが多いです。
小学生の時に肛門にセロハンを当てて検査したことがありませんか?
「ぎょう虫症」の特徴は明け方に痒みが発生することですが、 湿疹などの皮膚変化は見られないことが多いので発見が遅れる場合があります。
お近くの保健所などにお問合せし検査しましょう。
ぎょう虫症は駆除する薬を内服すれば治ります。
まれに肛門に発生した皮膚癌で痒みが発生することがあります。
長期間、湿疹だと思って治療していたら実は癌だった…という可能性もあります。
もし、1ヶ月以上たっても肛門周囲の湿疹が治らず、痒みが治まらなかったり、 痒みや湿疹の症状が悪化するようでしたら、勇気が必要かもしれませんが、肛門科か皮膚科を受診することをおすすめします。
いわゆる性病の一つです。ヒトパピローマウイルスによる感染症で、主に性行為を介してうつる病気です。 人に感染したり、他の場所での感染拡大にも繋がりますので早めに受診することをおすすめします。
お尻が痒い原因は?
お尻の痒み【肛門掻痒症】の原因の多くは、肛門周辺が痒くなり、自分で掻きむしったことによることで皮膚に湿疹が発生し、掻くことによって痒みが増して、さらに皮膚を傷つけてしまし、悪化させることによるものです。
まさに、負のスパイラルになっているわけです。
では、元々の痒みの原因はどういったものだったのでしょう?痒みの原因を知れば、これ以上悪化させずに済むかもしれませんね。
【肛門掻痒症】になる原因は?
原因その①:便の拭き残しによる刺激
また、人によって肛門の周りに毛が多く生えている方は、毛についた便が取り切れていないことも…
原因その②:汗による刺激
お尻が蒸れることによって、皮膚が刺激され痒みを起こす原因の一つになります。
原因その③:直接肌に触れる(下着など)ものによる刺激
また、女性は生理用ナプキンやおりものによるかぶれも多く、月経のたびにお尻がかぶれて痒みがでる方もいらっしゃいます。
原因その④:乾燥肌による刺激
乾燥している皮膚は外部の刺激に負けやすい状態になっていますので、掻きむしるなどの刺激によって皮膚がただれやすく、かゆみが続く可能性もあります。
また、入浴時に肛門部分を石鹸などでゴシゴシし過ぎると、保湿を保つための必要な角質や皮脂成分なども余計に落としてしまい乾燥しやすくなるため注意が必要です。
原因その⑤:便秘による刺激
肛門の中や直腸に便がたまったり、残ったりしています。 たとえ毎日便が出ていても、すっきり出ずに肛門や直腸内に便が残っていれば便秘なのです。その便の刺激でかゆみが引き起こされます。
そこでお尻を清潔にするために、トイレットペーパーなどでゴシゴシこすって拭いたり、ウォシュレットで念入りに洗ったり、 入浴時に石鹸で肛門を洗ったりして摩擦を加え洗い過ぎるようになる方が沢山いらっしゃいます。
石鹸洗浄・過洗浄により皮膚は乾燥し、かゆみはさらにひどくなっていきます。洗うという行為がエスカレートしていき、掻きむしるようになります。
初期の頃は入浴後から就寝前にかゆみを感じるケースが多いですが、 ひどくなると寝ている間に無意識に掻くようになったり、 夜だけではなく一日中かゆみを感じるようになってしまいますので気をつけましょう。
では、痒みを抑えるのに有効な市販薬を下記でご紹介します。
お尻が痒みは市販薬でも効くの?
肛門の痒みは、一人で悩んでいる方が多いものです。お医者さんにも恥ずかしくて、相談できないという方も沢山いらっしゃいます。
しかし、「痒みをどうにか抑えたい!!」ものですので、市販薬で痒みを抑える効果のあるものをご紹介します。
基本的には、痒みを抑える抗ヒスタミン薬が入ったステロイド軟膏(なんこう)を1日2~3回、肛門の周囲に満遍なく塗ると、改善されることがあります。
また、皮膚がただれている場合は亜鉛華軟膏を使うなど、症状に応じて薬を使い分けましょう。
また、肛門の周辺は粘膜質なので刺激の強い軟膏はおすすめしません。
デリケートゾーン専用の軟膏が市販されていますのでこれらを使うようにしましょう。
小林製薬 オシリア軟膏
「小林製薬 オシリア軟膏 10g」は、きれ痔などによるかゆみ・はれ・痛みのための軟膏です。ヒドロコルチゾン酢酸エステルがトラブルの原因である炎症を抑え、肛門のかゆみ・はれを鎮めます。リドカインおよびジフェンヒドラミン塩酸塩が、肛門のしつこいかゆみを素早く抑えます。べたつきの少ない使用感です。外用痔疾用薬。医薬品。 |
池田模範堂 デリケアエムズ
デリケアエムズ(M's) 35g は、デリケートエリアのかゆみを考えて開発された治療薬です。スッキリとしたクール感が、かゆみ感覚をすばやく鎮め、3つの特長(かゆみを止める、炎症を鎮める、雑菌を抑える)で、悪化の要因となるかゆみの悪循環を抑えます。汗やムレの多いデリケートエリアに適したサラッとべたつかないクリームタイプです。 |
ロート製薬 メンソレータムリシーナ軟膏
メンソレータムリシーナ軟膏Aは「つらい痔の諸症状を効果的に治す」ことを目的に作られた痔のお薬。◆ベタつかず、伸びがよいさらっとタイプの軟膏。指先軽くスッと広がるので、傷んだ患部に負担をかけずに薬剤が肛門細部にまで行き渡ります。◆患部に直接塗れる軟膏タイプ。 |
※ただし、市販薬は症状に合ったものでない場合は症状を悪化させることもありますので注意が必要です。本来は医師に相談し、処方されるものを使用することをおすすめします。
まとめ
肛門の痒みというものは非常にツライものです。
どうしても一人で悩みを抱えがちになることですので、この記事を読んで少しでも症状が軽減されれば嬉しいです。