テーブルマナー

箸のマナー 食事中や食後の箸使いは?箸置きがない時は?

日本で箸を使って食事をするようになったのは、8世紀になってからのことです。

現在では、箸は日本人が一番よく使う食器になりました。古くから日本人が手先が器用なのは、箸を使うからだともいわれています。

箸という道具は二本の棒を片手で操り、様々な機能をもたせることのできる優れた食器(道具)でもあります。

日本人の食文化である和食の際には、箸を使うのは当然のことかもしれませんが、当たり前のように使っている箸にも色々なマナーがあるのです。

日本の食文化が見直されている現在、食事をする道具「箸」に関するマナーについて、もう一度確認してみるのもいいかもしれませんね。

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箸のマナー 食事中に気をつけることは?

箸のマナー

箸のマナーと言っても、そんなに難しく考えることはありません。

箸は食事の時に使うことが多いですね。食事中に一緒に食べている人に不快な思いや不潔な感じを与えてしまうような箸の使い方をしないようにすればいいのです。

下記に、「忌み(嫌い)箸」と言われる昔からやってはいけない箸の使い方をご紹介します。

見てみると分かりますが、もし同じ食卓で食事を共にする人がこういった箸の使い方をしていると、不快な感じがして、美味しい食事も口を通らなくて、げんなりしてしまうような箸の使い方があったりします。

また、弔事の時に使われる箸使いなども、通常の食事の際にはやってはいけない箸の使い方とされています。

忌み(嫌い)箸のいろいろ

  • あげ箸
  • 口より上に箸をあげること。
    ※料理を落としがちになるので。

  • 移し(拾い)箸
  • 箸から箸へ料理を受け渡すこと。
    ※火葬後のお骨拾いの時にこの箸使いをすることから。

  • 込み箸
  • 箸で料理を口の中にいっぱいつめ込んでほおばること。

  • 逆さ箸
  • 自分の箸を逆さにして使うこと。

  • 探り箸
  • かき回して器の中身を探すこと。

  • 刺し(突き)箸
  • 料理を突き刺すこと。

  • 差し箸
  • 箸で人や料理を指差すこと。

  • すかし箸
  • 魚の骨の間から下身をかき出すこと。

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  • 竹木箸
  • 不揃いの箸で食べること。
    ※弔事のお骨拾いでは、竹と木の箸を使います。

  • たたき箸
  • 箸で器をたたくこと。

  • 立て箸
  • 箸をご飯に差すようにして箸休めをすること。
    ※弔事の枕飯を連想させるため。

  • ちぎり箸
  • 箸を1本づつ両手に持って料理をちぎること。

  • 涙箸
  • 煮物の汁やお刺身の醤油をポタポタ垂らしながら口に運ぶこと。

  • 握り箸
  • 器を持っている手で箸を握るように持つこと。

  • ねぶり箸
  • 箸の先を舐めること。

  • 振り箸
  • 箸の先についた汁などを振って落とすこと。

  • 迷い箸
  • どれを食べようかとお膳の上で箸をウロウロさせること。

  • もぎ箸
  • 箸の先にくっついたご飯粒を口で取ること。

  • 楊枝箸
  • 箸を爪楊枝の代わりに使って歯をほじること。

  • 寄せ箸
  • 箸を使って、器を自分の方に引き寄せること。

  • 渡し箸
  • 箸を器の上に渡すように置くこと。

フランス料理の食事マナーとして、ナイフ・フォークの使い方があるように、和食の場合も、箸のマナーは食事のマナーでもあります。

美味しい食事を楽しむ席ですので、一緒に食べる相手が不快な思いをしないようしっかりとした箸のマナーを身に付けましょう。

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箸のマナー 食後に気をつけることは?

食後に箸をお皿の上に投げ出すように無造作に置いたりするのはやめましょう。
食後は、箸は食事前のように箸置きの上に戻すことがマナーです。

割り箸の場合のマナーは?

使い終わった割り箸は、箸袋に戻します。箸袋に戻したときは、袋の端を折っておくと、使った箸ということがすぐに分かるので、お店の人にとっては親切です。

また、割り箸と同様に、使い終わった爪楊枝なども箸と一緒に箸袋に入れておきます。

おもてなしには塗り箸は失礼!白木の箸!

おもてなしの席で、「お客様に割り箸でもてなすのは失礼だ!」と思い、最高級の塗り箸でおもてなしをするのは、実は間違いなんです。

どんなに高級なものでも、塗り箸は何度も洗って使えるからダメなんです。箸にも格があり、「あなただけのためにつくった一回限りの箸」ということで、白木の箸がもっとも格が上なのです。

普段のおもてなしの席では、片端が細い片口箸、お祝いのときには、神様と一緒に食事をするという意味で、両端が細く柳の木で作られた柳箸利休箸を出します。

また、おもてなしの席で、お客様に白木の箸を出して、自分たちは普段通りの箸を使用するのは、普段着で接するのと同じこととされ、してはいけないマナーとされています。

箸のマナー 箸置きがない時ってどうするの?

箸置きがあれば箸を置くことができますが、ない場合はどうしたらよいのでしょう。

テーブルの上に割り箸がまとまってささっているような大衆店などの場合には、箸置きがない場合が大半でしょう。

その場合には、取り皿の上手前に一文字にして渡して置いたり器のフチに箸先を立て掛けて置くようにすればよいでしょう。

器の上に箸を置くのは、「忌み(嫌い)箸」のひとつでもある「渡し箸」にならないか?と感じる方もいるようですが、正式な和食の席では、箸置きが用意されていますが、箸置きがない場合に正式な和食の作法を持ち出しても大変です。

そのへんは、臨機応変に対応するのが妥当です。

箸袋を箸置きにしても大丈夫?

箸置きがないお店などで、箸袋に入った割り箸だけが置いてある場合などに、箸袋を千代結びにしたり、折りたたんで山型などにして箸置きにすることは、決して問題ありません。

使い終わったら、箸先を箸置きとして結んだ箸袋の端に差し込んだり、箸袋を広げてその中に戻すようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?

箸のマナーもいろいろありますね。

箸は家の食卓でも毎日使うものです。大人になった時に箸のマナーができている子は、見ていて気持ちがいいものでもあります。

普段の箸使いに慣れていると、急に変えることは難しいかもしれませんが、普段の生活の中で、少し箸のマナーに気を付けて食事をしていくと、徐々に上達するかもしれませんよ!

この機会に家族みんなで、箸のマナーを身に付けてみてはいかがでしょうか?

  • この記事を書いた人

ゆうこ

私は普段、介護のお仕事をしています。 老人ホームや介護施設では、春夏秋冬、季節感のある趣向を凝らしたさまざまなイベント・行事が行われます。 日本ならではの「和」を感じる日々がこれからも大切に子ども達にも繋いでいけるよう、日々の暮らしの年中行事や歳時記についての記事を中心に書いています。 詳しいライタープロフィールはこちら

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