ちょっとしゃがんだりすると膝が「パキッ!」。
痛みがある訳ではないので放置する方も多いのですが、人間の体はいつも色んな信号を出してくれているものです。
その関節の音も、「このくらいなら大丈夫」と、見逃しているといつの間にか危険信号に変化してしまうことも多く、気付けば膝が曲がらない状態に悪化する可能性もあります。
人間の生活のなかでも最も大切な役割を担う膝ですので、しっかり原因を知り、正しい改善法で健康な膝と付き合っていきましょう。
膝の関節が音が鳴る原因は?
関節の仕組み
関節というのは、骨と骨の繋ぎ目で、人間の体には約350箇所あります。
この関節のおかげで、体を自在に曲げ伸ばしできるのです。
また関節は、硬い骨同士が直接ぶつからないように、骨と骨が接する部分は、クッションの役割を果たす関節軟骨で覆われており、この軟骨の表面は非常に滑らかなため、腕や足などをスムーズに動かすことができます。
そして、その関節を包むように袋(関節包)存在しています。
この袋の内側には滑膜があり、関節が動くときに潤滑油の役割を果たす滑液を分泌・吸収しています。
どうして膝がポキポキ鳴るの?
実は、膝の関節が鳴る原因やシステムは、現代の医学でも完全には解明されておらず、様々な原因が言われています。
そのなかでも最も有力と言われている説が、「キャビテーション」と言われるものです。
上記の関節の仕組みのように、関節の繋ぎ目部分は関節包という袋があります。
関節を曲げた時などに関節包の中にある滑液の圧力が下がることで、炭酸飲料のような気泡が生じ、この気泡がはじける音がパキパキ鳴る原因とされています。
膝の関節 音が鳴るのを放置していても大丈夫?
膝の関節がポキポキ鳴っても、別に痛みはないし・・・。と、膝の関節の音をあまり気にしない人もいますが、音が鳴るのも体のサインかもしれませんよ。
膝の関節がパキパキ鳴るのは悪いことなの?
膝に限らず関節をあまりずっと鳴らしていると、「関節の節が太くなる」と言われています。これは昔から良く言われていますね。
関節の節が太くなると言われるのは、関節が「関節炎」という炎症が起きるためです。
これは、炎症がひどくなると腫れたりといった症状が出るのと同じメカニズムで、音が鳴るのを続けると炎症がひどくなり本当はあまり良くないことなのです。
膝が鳴る人は他の関節に連鎖も!
膝の関節から音がする人は、「首」や「腰」にも何らかの症状を持つ人が圧倒的に多いとされています。
これは、立った姿勢時に「後頭部・肩甲骨・お尻・かかと」が一直線にくるのが通常ですが、猫背などの姿勢が悪い状態が慢性化している場合、「頭部が前に出る」ことで、「腰が曲がる」→「膝が曲がる」といたように、1箇所でも姿勢バランスが崩れると他の関節にも連鎖し、体の他の部分にも複合的に影響が出る場合が多いのです。
あなたの関節は大丈夫?関節が悪い人を見分ける方法
自分の関節は大丈夫かな?と思ったら簡単に見分けることができる方法があるので試してみましょう。
壁に真っ直ぐに「後頭部・肩甲骨・お尻・かかと」が一直線にくるように立つことが苦痛なくできれば問題ありません。
ちょっとしんどかったりその状態をキープすることができない人は注意が必要です。
下記でご紹介する自分でできる改善法などの実践をおすすめします。
膝の音を放置すると要介護の可能性も!
関節は、体の各部分を曲げ伸ばしに重要な役割を担っているぶん、負担も大きいものです。
特に膝の関節は、立つ、座る、歩くなど日常の動作で重要な役割を担う膝は休むことなく働いています。
また、歩行時には体重の2~3倍の荷重がかかるなど、体重による負担も大きく、関節は年齢とともに消耗しているのも事実です。
また年齢とともに関節が硬くなることもあり、この関節が硬い状態を放置していると、音が鳴る程度から次第に痛みを伴うようになったり、さらには関節が曲がらないなどの症状が出る場合もあるのです。
さらに、放置すると「ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)」とも言われる「運動器の障害」により「要介護になる」リスクの高い状態になる可能性もあり、「このくらいなら大丈夫」と、見逃しているといつの間にか危険信号に変化してしまうことも多いのです。
また、現代では若者も運動不足や運動機能の低下などから関節の弱さや筋力の衰えが心配されており、「自分は若いから大丈夫」と安心していられないのも現代の特徴でもあります。
膝にトラブルを抱えている人は4人に1人
日本では、膝に何らかのトラブルを抱えている人が、なんと約3,000万人以上いるとされており、実に日本人の4人に1人がトラブルを抱えている状態で、もはや他人ごとではない誰もが直面する問題にもなっています。
膝の関節の音 自分でできる改善法は?
膝が鳴るのは、体が教えてくれる信号でもあります。小さな信号のうちに改善策を行い、深刻化するのを防ぎましょう。
関節をやわらかくする食事
「カニの殻・エビの殻・フカヒレ・ラム肉」などには、関節に大切な軟骨を構成する成分である「ヒアルロン酸・コンドロイチン」などが多く含まれています。
また、軟骨の代謝を良くするのも大切ですので「納豆・ごま」などに多く含まれる「カルシウム・ビタミンD」などを食事などで摂取することが有効です。
適度な運動や筋トレ
関節に問題を抱えている人の多くが、筋肉が少なかったりアンバランスに筋肉がついていることが多いと言われています。
バランスの良い筋肉や体幹を鍛えることで、関節への負担を大きく減らすことができるので運動や筋トレなどで体を支える筋肉を鍛えることはとっても有効です。
上記の食事&運動・筋トレはすぐに成果が出るものではなく継続することで効果が高い方法です。
良い姿勢を意識する
運動や筋トレが良いと言っても、急に激しい運動やむやみやたらに筋トレをしても逆効果にもなりやすいため、まずは日常生活のなかで正しい姿勢を意識することからはじめるのもおすすめです。
例えば、日常生活のなかで、壁に真っ直ぐに「後頭部・肩甲骨・お尻・かかと」が一直線にくるように立ってみたり、肩甲骨を寄せながら頭を軽く後ろに持って行き、軽く背中を反るような姿勢を30~60秒程度維持したりなど、を継続して行うことだけでも良い姿勢改善が期待でき、良い姿勢が身につくようになれば関節への負担は減少できます。
枕をしないで寝る
いつもの寝る時に、枕をしないで寝るのも体を真っ直ぐに矯正するのに有効で、特に猫背の人にはおすすめです。
枕をしないのは寝る時と最初の3時間程度で大丈夫です。
眠りにつくときだけ枕をしないで横になり、枕は横に置いておけば眠りについて寝返り時などには使用してもOKです。
仰向けの状態で体を真っ直ぐに矯正できるので一番簡単で継続できる方法かもしれませんね。
膝の関節ストレッチ
上記のような仰向けに寝た状態で膝を曲げるストレッチ。
これに「テニスボール」を膝の裏に挟み込んでストレッチを行うことで、テコの原理で膝の関節を効果的に広げることができてテニスボールを使用しない場合に比べ効果がアップします。
膝は重力が常にのしかかっている状態ですので、関節を広げてあげるストレッチはとても大切で、1日1回やってあげるだけでもすごく血流が良くなります。
朝起きた時に3秒程度やるだけで効果は絶大ですので、是非お試しください。
上記の動きは、人間の生活のなかでもまず行わない動きですので、ちょっとの膝の故障などにも効果があります。歩き過ぎた後や慣れない運動を行った後などにこの運動をするだけでも膝の違和感がすぐ治るのでおすすめですよ。