忘年会の幹事に指名されたものの、「誰にどの挨拶をお願いすればいいのか」「上司にどう依頼すれば失礼にならないか」と頭を悩ませていませんか。
役員や部長クラスが参加する忘年会では、普段の飲み会とは違い、役職に応じた挨拶の順番やマナーが求められます。
とはいえ、押さえるべきポイントさえ分かってしまえば、決して難しいものではありません。
この記事では、忘年会における挨拶の正解順序から、そのまま使える上司への依頼メール文面、当日のタイムテーブル、司会進行の台本までを一気通貫でまとめました。
事前準備の負担を減らし、当日のトラブルも回避しながら、「気が利く頼もしい幹事」として一年を締めくくりましょう。

忘年会の挨拶、基本の順番と役割を確認しよう
忘年会における挨拶は、開会から閉会まで大きく4つのパートに分かれます。
それぞれの役割と、「誰に依頼すべきか」の基本原則を整理しました。
| パート | 目的・役割 | 依頼する対象の目安 |
|---|---|---|
| 開会の挨拶 | 忘年会のスタートを告げ、今年の労をねぎらう | 参加者の中で最も役職が高い人(社長・支社長・部長など) |
| 乾杯の発声 | 宴を開宴し、場の雰囲気を盛り上げる | 参加者の中で3番目に役職が高い人、または最年長者 |
| 中締めの挨拶 | 宴を一度締め、一本締めなどで一体感を出す | 参加者の中で2番目に役職が高い人、または現場のリーダー |
| 一本締め | 全員で手を打ち合わせ、手締めを行う | 締めの挨拶を行った人物(または司会・若手代表) |
原則は「役職が高い人から」、ただし乾杯だけは少し立場が軽い人へ
ビジネスの宴会マナーでは、開会の挨拶にトップを配置するのが最も一般的です。
ここで意外に感じるかもしれないのが、乾杯の発声です。
開会の次に偉い人ではなく、3番目に役職が高い人(あるいは最年長者)にお願いするのが実務上のセオリーとされています。
乾杯は短くテンポよく済ませる場面なので、あえて少し軽やかな立場の人に任せることで、場の空気がほどよく和らぐという狙いがあります。
一方、宴の締めくくりとなる中締めの挨拶は、2番目に役職が高い人が担うのが一般的です。
開会・乾杯・中締めの3人でバランスよく役割分担する、と覚えておくとスムーズに割り振れます。
社内の慣行(ローカルルール)は必ず事前に確認しておく
一般的なマナーは以上の通りですが、会社や部署によっては独自の「ローカルルール」が存在することもあります。
- 乾杯の発声は毎年、新入社員や若手が担当して場を和ませる
- 締めの挨拶は、今年もっとも成果を上げたプロジェクトのリーダーが担当する
- 開会の挨拶と乾杯は、トップがまとめて短く行う
こうした慣行があるにもかかわらず原則どおりに進めてしまうと、かえって「気が利かない」と受け取られるリスクがあります。
事前に前年度の幹事や部署の事情に詳しい先輩社員へ、「例年はどなたにどの挨拶をお願いしていましたか?」と一言確認しておくのが一番確実です。
(参考:ホテルによる忘年会幹事の進行例)
忘年会幹事がまず確認すること|会場選びと設備チェック
挨拶の割り振りと並行して進めたいのが、会場の決定と設備チェックです。
どれだけ進行がスムーズでも、会場設備や宴会プランに不備があると、幹事の評価はそこで下がってしまいます。
事前に確認しておきたいポイントは、次の4つです。
おすすめの理由(メリット):役員・上司にも喜ばれる上質な個室やプランを比較・予約でき、利用時間や設備条件も事前に確認できます。
注意点(デメリット):格安の大衆居酒屋を探している場合や、すでに会場が決まっている場合は不要です。
上司・役員への挨拶依頼メール文面|そのまま使えるテンプレート
挨拶をお願いする相手が決まったら、遅くとも開催日の2週間前、できれば1ヶ月前には依頼を済ませておきたいところです。
直前の依頼は相手の負担になり、失礼にもあたります。
基本は直接口頭で依頼し、その後に詳細をメールで送るのが最も丁寧なやり方です。
1. 開会の挨拶依頼メール(最高役職者向け)
〇〇部長
お疲れ様です。〇〇(幹事の名前)です。
今年度の部署忘年会につきまして、以下の通り詳細が決定いたしましたのでご案内申し上げます。
つきましては、今年一年の締めくくりといたしまして、〇〇部長に【開会のご挨拶】を賜りたく存じます。
直前のお願いとなり大変恐縮ですが、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
■忘年会概要
日時:2026年12月〇日(〇)19:00〜21:00(開場18:45)
場所:〇〇居酒屋(〇〇駅徒歩3分)
参加予定人数:約30名
※当日の開会ご挨拶のお時間は【19:05頃から3分程度】を予定しております。
ご多忙中恐れ入りますが、ご了承いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
2. 乾杯の発声依頼メール(3番目の役職者向け)
〇〇課長
お疲れ様です。〇〇(幹事の名前)です。
〇月〇日(〇)開催の部署忘年会につきまして、〇〇課長に【乾杯のご発声】をお願いしたく、ご連絡いたしました。
当日は開会の挨拶(〇〇部長)に続き、乾杯のご発声をお願いできればと考えております。
■概要
日時:2026年12月〇日(〇)19:00〜21:00
場所:〇〇居酒屋
※乾杯のご発声は【19:10頃から1〜2分程度】を予定しております。
ご承諾いただけるようでしたら、当日スムーズに進行できるよう準備を進めてまいります。
お忙しいところ恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
3. 中締めの挨拶依頼メール(2番目の役職者向け)
〇〇副部長
お疲れ様です。〇〇(幹事の名前)です。
〇月〇日(〇)に開催いたします部署忘年会につきまして、宴の締めくくりとして〇〇副部長に【中締め・一本締め】のご挨拶をお願いしたく存じます。
■概要
日時:2026年12月〇日(〇)19:00〜21:00
場所:〇〇居酒屋
※中締めのご挨拶は【20:50頃から3分程度】を予定しております。
当日の終盤のお時間となりますが、何卒ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
メール作成時に気を付けたいポイント
2時間の忘年会タイムテーブル例|当日の進行表

一般的な「2時間(120分)飲み放題付きコース」を想定した、標準的なタイムテーブルです。
| 時間 | 進行内容 | 担当・詳細 |
|---|---|---|
| 18:45 | 受付開始・着席案内 | 会計の回収(事前に済ませている場合は案内のみ) |
| 19:00 | 開会の言葉 | 司会(幹事):開会を宣言し、注意事項をアナウンス |
| 19:05 | 開会の挨拶 | 最上級者(例:部長):今年1年の振り返りと労い |
| 19:10 | 乾杯の発声 | 3番目の役職者(例:課長):グラスを行き渡らせて乾杯 |
| 19:15 | 歓談スタート | 料理・ドリンクの提供開始 |
| 19:45 | 余興・企画(ビンゴ等) | 司会(幹事):景品抽選会などの進行(約30分) |
| 20:15 | 再度歓談 | ドリンクのラストオーダー案内(終了30分前) |
| 20:45 | 締めの挨拶・手締め | 2番目の役職者(例:副部長):締めの言葉と一本締め |
| 20:55 | 連絡事項・閉会の言葉 | 司会(幹事):二次会の案内、忘れ物の注意喚起 |
| 21:00 | 退場・完全撤収 | 参加者の見送り、会場の最終確認 |
(参考:幹事の仕事に関する解説記事)
おすすめの理由(メリット):予算に応じた「目録・パネル付き景品セット」で、買い出しや搬入の手間をかけずに余興を盛り上げられます。
注意点(デメリット):景品を個別に買い揃えたい方や、余興・ゲームを行わない会には不要です。
司会進行でそのまま使える台本
当日の司会を担当する幹事が、そのまま読み上げられる台本を用意しました。
言葉に詰まりそうなときは、このセリフ通りに進めれば問題ありません。
1. 開会〜乾杯まで
「皆様、お疲れ様です。定刻となりましたので、只今より
『2026年度 〇〇部 忘年会』を執り行いたいと思います。
本日司会を務めさせていただきます〇〇です。
どうぞよろしくお願いいたします。
それでは開会にあたりまして、〇〇部長より一言ご挨拶を
頂戴したいと存じます。〇〇部長、よろしくお願いいたします。」
(挨拶終了後)
【司会】
「〇〇部長、ありがとうございました。
続きまして、乾杯のご発声を〇〇課長にお願いしたいと存じます。
皆様、お手元にグラスのご用意をお願いいたします。
……それでは〇〇課長、よろしくお願いいたします。」
(乾杯終了後)
【司会】
「〇〇課長、ありがとうございました。
それでは、しばし歓談とお料理をお楽しみください!」
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2. 余興(景品抽選会など)
「皆様、お食事とお酒は進んでおりますでしょうか?
ここで、皆様お楽しみの景品抽選会(余興)に移りたいと思います!
本日は豪華景品を多数ご用意しております。
皆様、お手元の番号札(または抽選券)をご確認ください……!」
おすすめの理由(メリット):準備や配送の手間がなく、誰が当選しても嬉しい万能な景品・賞品として活用できます。
注意点(デメリット):大きなパネルのような見た目のインパクトは目録景品に比べると控えめです。
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3. 中締め〜閉会まで
「宴もたけなわではございますが、お時間が近づいてまいりました。
ここで一度、宴を締めさせていただきたく存じます。
中締めの挨拶を〇〇副部長にお願いいたします。」
(挨拶・一本締め終了後)
【司会】
「〇〇副部長、ありがとうございました。
これにて『2026年度 〇〇部 忘年会』を閉会とさせていただきます。
本日の二次会ですが、近隣の『〇〇居酒屋』にて
21時15分よりお席を用意しております。
お時間に余裕のある方はぜひご参加ください。
お帰りの際は、お忘れ物のないようお確かめの上、
お気を付けてお帰りください。本日は誠にありがとうございました!」
飲酒をした場合は車・バイク・自転車を運転せず、公共交通機関や徒歩、代行、宿泊など安全な方法で帰宅するようアナウンスしておくと、幹事としての配慮が伝わります。
詳しくは警察庁の飲酒運転根絶に関する案内も参考になります。
時間が押し・巻いた時のリカバリー術
忘年会では、挨拶が長引いたり料理の提供が遅れたりして、予定通りに進まないことがよくあります。
慌てずに、次の方法で柔軟に対応しましょう。
時間が押している場合
時間が巻いている場合
「皆様、盛り上がっていらっしゃいますので、歓談時間をあと10分延長いたします。引き続きお楽しみください」とアナウンスすれば、参加者もリラックスして過ごせます。
新人幹事が当日失敗しないためのチェックリスト

当日の混乱を防ぎ、最後まで「気の利く幹事」として評価されるための最終確認ポイントです。
- 会場への早めの到着(開始20〜30分前)
マイクの音量確認、挨拶用の立ち位置、景品の配置を事前に確認しておきます。 - 挨拶者へのリマインド
会場に到着した挨拶担当者(部長・副部長・課長等)に「本日〇時〇分頃に挨拶をお願いいたします」と一言声をかけておきましょう(参考:当日の進行で確認したいポイント)。 - 会計処理のタイミング確定
歓談が始まったタイミング、または中締めの直前に、幹事のうち1名が静かにレジへ行き会計を済ませておきます。 - 退場・帰宅への配慮
お酒を飲まない参加者の確認、代行業者やタクシーの手配が必要な人がいないかを確認します。 - 忘れ物チェック
全員が退場した後、テーブルの上や上着掛けにスマートフォン・財布・傘などの忘れ物がないか、幹事が必ず最終確認しましょう。
飲酒の席では、無理な一気飲みやお酒の強要を避けることも大切な配慮です。
詳しくはアルコール健康医学協会の飲酒に関する注意喚起をご確認ください。
また、飲酒の有無や二次会への参加を含め、参加者が断りにくい空気をつくらないことも幹事の役割のひとつです。
職場のハラスメント対策については、厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」や「あかるい職場応援団」も参考になります。
まとめ:準備とマナーを押さえてスムーズな忘年会運営を
忘年会の幹事はやるべきことが多く、大変に思えるかもしれません。
ですが、押さえるべきポイントは実はシンプルです。
- 挨拶の順番は「役職順」が基本。ただし乾杯だけは3番目の役職者に、中締めは2番目の役職者に依頼する
- 社内の慣行は、必ず事前に先輩幹事へ確認しておく
- 挨拶の依頼は2週間前までに、時間とタイミングを明記して送る
- 当日は司会台本と進行表を手元に用意し、状況に応じて柔軟に時間調整する
事前の準備さえしっかり整えておけば、当日は落ち着いて進行できます。
このテンプレートや進行表を活用して、参加者全員が笑顔で一年の労をねぎらえる、素晴らしい忘年会を実現させてください。