土用の丑の日と言えば、「うなぎ」。
「土用の丑の日」っていつのことを指すのか知っていますか?
なぜ、うなぎを食べるんでしょう?
今日は、素朴な疑問「土用の丑の日」に関する情報についてご紹介します。
土用の丑の日っていつ?由来や意味とは?
まずは「土用」の意味を紐解いてみましょう。
「土用」は「立春、立夏、立秋、立冬」の直前の約18日間のことを言います。
「立春、立夏、立秋、立冬」とは、「二十四節気(にじゅうしせっき)」のなかの季節を表すものです。
「二十四節気」とは、1年を「春、夏、秋、冬」の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたもので、合計24等分となります。
24等分されたそれぞれの節気は、約15日ほどあり、期間内の1ヶ月前半を「節(せつ)」、後半を「中(ちゅう)」と言います。
旧暦の節分を基準としていますので、現在の暦(新暦)では下記の表の日付が該当します。また、その年によって1日程前後するので、「頃」としてまとめておきます。
季節 | 二十四節気 | 月名 | 新暦 |
春 | 立春(りっしゅん) | 1月節 | 2月4日頃 |
雨水(うすい) | 1月中 | 2月19日頃 | |
啓蟄(けいちつ) | 2月節 | 3月5日頃 | |
春分(しゅんぶん) | 2月中 | 3月21日頃 | |
清明(せいめい) | 3月節 | 4月5日頃 | |
穀雨(こくう) | 3月中 | 4月20日頃 | |
夏 | 立夏(りっか) | 4月節 | 5月5日頃 |
小満(しょうまん) | 4月中 | 5月21日頃 | |
芒種(ぼうしゅ) | 5月節 | 6月6日頃 | |
夏至(げし) | 5月中 | 6月21日頃 | |
小暑(しょうしょ) | 6月節 | 7月7日頃 | |
大暑(たいしょ) | 6月中 | 7月23日頃 | |
秋 | 立秋(りっしゅう) | 7月節 | 8月8日頃 |
処暑(しょしょ) | 7月中 | 8月23日頃 | |
白露(はくろ) | 8月節 | 9月8日頃 | |
秋分(しゅうぶん) | 8月中 | 9月23日頃 | |
寒露(かんろ) | 9月節 | 10月8日頃 | |
霜降(そうこう) | 9月中 | 10月24日頃 | |
冬 | 立冬(りっとう) | 10月節 | 11月7日頃 |
小雪(しょうせつ) | 10月中 | 11月22日頃 | |
大雪(たいせつ) | 11月節 | 12月7日頃 | |
冬至(とうじ) | 11月中 | 12月21日頃 | |
小寒(しょうかん) | 12月節 | 1月5日頃 | |
大寒(だいかん) | 12月中 | 1月21日頃 |
土用の日とは
上記の内容を踏まえると、「土用」とは、
■立夏(5/5頃)の前18日間 ・・・4/17~5/5頃
■立秋(8/8頃)の前18日間 ・・・7/20~8/8頃
■立冬(11/7頃)の前18日間・・・10/20~11/7頃
「丑」の日とは?
「土用」の意味は分かりましたが、「土用の丑の日」ということですので、今度は「丑の日」について詳しくご紹介します。
「丑」は、十二支にある「子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)・・・」の、「丑」のことです。
昔から、この十二支(干支)は、年を数える時だけではなく、時刻や方角、月、日などを数えるものにも使われています。
よく時代劇なんかで、
「もうすぐ、丑三つ時(うしみつどき)だぜぇ。」
なんてセリフを聞いたことありませんか?
あれは、時刻のことを言ってるんですね。
ちなみに、「丑三つ時」は今の時間で言うと、「午前2時」なんですよ!
話をもどして、毎日の暦は「5/4」などの「暦日付」だけではなく、十二支を使った日付の数え方もあるということです。
詳しいカレンダーなんかには、きちんと記載されてるんですよ。参考に日めくりカレンダーの赤枠の部分です。
上記をまとめると、「土用の丑の日」は、
「土用」の期間の「丑」の日のことを指す!ということで、「土用の丑の日」は、年に4回あるんですよ!
2019年の丑の日はいつ?
今年2019年の丑の日は、下記の通りとなっています。
- 冬の土用:1月17日(土用の入り)~2月3日(土用の明け)【丑の日】:1月28日
- 春の土用:4月17日(土用の入り)~5月5日(土用の明け)【丑の日】:4月22日、5月4日
- 夏の土用:7月20日(土用の入り)~8月7日(土用の明け)【丑の日】:7月27日
- 秋の土用:10月21日(土用の入り)~11月7日(土用の明け)【丑の日】:10月31日
年に4回の「土用の丑の日」は、それぞれ、「春の土用の丑の日、夏の土用の丑の日・・・」と言われます。
ちなみに、「土用の丑の日」は、上記のようにそれぞれの期間中に2回あることもあります。
これは、丑の日が干支なので12日周期で繰り返され、1年間の日数は12の倍数ではないので毎年ズレが生じるのです。
2回ある場合は、それぞれを「一の丑」「二の丑」と言います。
土用の丑の日にうなぎを食べる理由は?
「土用の丑の日」については分かったんですが、ではなぜ「土用の丑の日」に「うなぎ」を食べるのでしょう?
「う」のつくものを食べる風習
昔は、季節の変わり目に様々な禁忌(してはいけないこと)や風習がありました。
その中でも、夏の土用は梅雨明けと、体力も消耗する暑い季節の始まりの時期にあたり、滋養のあるものや、夏の暑さで食が細くなる時期でも食べやすい「梅干し、うどん、うり」など「う」のつくものを食べて夏バテ防止をしていました。
なぜ「う」のつくものなのか?
昔から「う」のつくものを食べると病気にならないという迷信があったのです。
それを信じてみんなが「う」のつくものを食べていたんです。
平賀源内さんが火付け役?
上記のように昔から「土用の丑の日」に「う」のつくものを食べていたんですが、なぜ「うなぎ」が根付いたのか?
これは、江戸時代の蘭学者「平賀源内」さんが夏場の営業不振に悩んでいたうなぎ屋に助言したことが始まりとされています。
江戸時代、うなぎ屋さんの店主が夏場にさっぱり売れなくて困っていることを、平賀源内に相談しました。
平賀源内は、「本日土用丑の日」という張り紙を店に貼るようアドバイスしたところ、大盛況となりました。
そこから、他のうなぎ屋さんたちがこぞって真似するようになり、それぞれ、「夏には滋養のあるうなぎをどうぞ!」「うなぎを食べれば夏バテしないよ!」などの宣伝文句が謳われるようになり、昔から「う」のつく食べ物を食べる風習とも相まって広がり、根付いていったのです。
うなぎを食べるのは夏だけ?
上記のような流れから、「土用の丑の日」にうなぎを食べるというよりも、「夏の土用の丑の日」にうなぎを食べることが広がり、現在では、「土用の丑の日」と言えば「夏の土用の丑の日」を指すようになったのです。
最近では、「土用の丑の日」が年4回あることを理由に、それぞれの「土用の丑の日」に張り紙をして宣伝しているうなぎ屋さんも多くなりました。
でも「土用の丑の日」が年に4回あることを知っている人も少ないでしょうし、やはり「土用の丑の日」と言えば「夏」というイメージが根付いてしまっているのかもしれません。
土用の丑の日にうなぎ以外を食べちゃダメなの?
ここまでくると、もうお分かりかもしれません。
昔から「う」のつくものを食べる風習があったので、別に絶対にうなぎを食べないといけない訳じゃありません。
むしろ「うなぎ」は後付けされて広まった食べ物ですから。
では「土用の丑の日」にどんなものを食べるのか?
「う」のつくもの以外にもこんな食べ物があります。
- 土用餅
- 土用しじみ
- 土用卵
※土用に食べるあんころ餅。お餅は「力餅」、小豆は「厄除け」として「暑さに負けず無病息災に過ごせる」として食べられています。
※夏が旬の「土用しじみ」は栄養価が高く肝臓の働きを助けてくれます。
※昔、卵は高価なもので、栄養価が高く滋養物として人気なのです。
とにかく夏を乗り切る食べ物を食べる!
上記のように、梅雨と夏の季節の変わり目に体が順応するようなもの、そして夏の暑さに負けないような食べ物を食するよう心掛けてください。
「うなぎ」は栄養価も高いですし、滋養のある食べ物としても有名ですので、「土用の丑の日」に食べるものとしてはピッタリです。
うなぎが苦手な人も、うなぎに限らず、自分の体調に合った、体の疲労回復、体力向上できるような食べ物を食べるとよいでしょう。
まとめ
「土用の丑の日」
うなぎに限らず、季節の変わり目や夏の暑さに負けない体力作りの基礎となる食べ物を食べて、元気に夏を乗り切りましょう。