運動会の花形競技といえばリレー種目かもしれませんね。
「勝負はアンカー勝負になってきました!!」など、リレーは数人の選手がバトンをつないで走ってタイムを競う競技ですが、最後の走者を「アンカー」と呼んだりします。
どうして、リレーの最終走者を「アンカー」と呼ぶのでしょう?
今回は、リレーの最終走者をアンカーと呼ぶのはなぜ?についてご紹介します。
リレーの最終走者をアンカーと呼ぶのはなぜ?語源や由来を知ると納得!
陸上のリレー競技の最終走者や水泳のメドレーリレーの最終泳者を「アンカー」と呼びますが、「アンカー」は英語表記で「anchor」と書きます。
この「anchor」は日本語で「錨(いかり)」を意味します。
錨(いかり)は、船が流れないために、綱や鎖につけて水底に沈めておく重いおもりのことです。※下記写真参照。
この「アンカー」という呼び名は、「綱引き」の用語からきています。
実は、綱引きは、1900年の第2回パリ大会から第7回アントワープ大会まで、オリンピックの陸上競技種目として実施されていました。
綱引きがオリンピック競技だったとは、現在からはイメージできませんが、拡大化したオリンピックの縮小化運動によって、アントワープ大会を最後に、綱引き競技は姿を消すことになったのです。
オリンピックの正式種目だったこともある「綱引き」では、チームの最後尾に位置する選手は「アンカー」と呼び、この最後尾の選手が重要とされ、体重が重くて屈強な体格の選手が最後尾を務めていました。
体重が重くて力持ちでどっしりとチーム全体を支える、まさに船の錨のような役割を果たすところから、最後尾の選手を「アンカー」と呼ぶようになったのです。
このことから、最後尾の選手を「アンカー」と呼ぶようになり、それが他の種目にも波及し、リレー種目の最終走者にも使われるようになったのです。
ちなみに、テレビやラジオのニュース番組のキャスターのことも「アンカー」といいます。
このアンカーも英語表記で「anchor」と書くんですが、これも、語源などは上記と一緒で、ここから「放送などの最後のまとめ役」を「アンカー」と呼ぶようになりました。
まとめ
広大な海のなかで、最後の砦のような力強い存在で力強くつなぎ止める錨。
「アンカー」は、「いちばん最後」で「全体的に重要なポジション」であることがポイントかもしれません。
船の錨のマークは、ヨーロッパなどでは、「希望」の象徴として大切にされてきました。
綱引きの最後尾の人や、リレーの最終走者を「アンカー」と呼ぶのも、最後の希望とみんなの信頼を託すという意味も込められて使われたのかもしれませんね。