十日戎の縁起物である「福笹」や「熊手」。
縁起を担いで福を呼び込むために購入したものでもあるので、返却する時にも感謝の気持ちを忘れずに正しいマナーで取り扱いたいものですね。
昔からお礼参りのほうが大事といわれるように、縁起物も購入して終わりではなく、感謝の気持ちをもってお返しするほうが大事なのかもしれません。
昔ながらの風習の意味を知って行うことで、福を呼び込むパワーもより強化されるかもしれませんよ^^
今回は、十日戎の笹や熊手の返納のマナーについてご紹介します。
十日戎の笹や熊手の返納のマナーは?
「去年購入した笹や熊手を処分して新しいものに交換しようと思うけど、どう処分したらいいんだろう?」
神社などで購入するお守りのご利益は1年間で終わるとされています。
そのため、お守りなどは1年ごとに新しいものに交換したほうがいいともされています。
お守りなどは神様が宿るものでもあるため、できれば失礼のないよう正しいマナーで取り扱いたいもの。
十日戎で購入した「福笹」や「熊手」は、入手した神社に返納するようにしましょう。
神社などには「納札所(のうさつしょ)」や「古札納所(こさつおさめしょ)」と呼ばれるものが設置されているところがあります。
ポイント
去年購入した福笹や熊手などもこの納札所へ納めます。
お守りやお札などは、「授与品(じゅよひん)」と呼ばれ、受ける、授かると表現するのが正式です。
また、納札所に返すときも、返納する、納めるといった表現をします。
納札所に納める際のマナーとは?
まずは、これまでの感謝の気持ちを込めて納札所に納めます。
日本では、古来言葉には霊力が宿り、口に出すことによって、その力が発揮されるという「言霊(ことだま)」の信仰がありました。
納札所に納める際には、「1年間見守ってくださってありがとうございました」といった賜った恩恵への感謝の気持ちを込めてお納めするようにしましょう。
ポイント
なお、縁起物を納める際は、「もう用なしだ!」や「もう効果がないから捨てよう!」といった自分本位な気持ちで納めたり、「投げる」、「投げ入れる」などして納めないように気をつけましょう。
「縁起」とは、仏教から生まれた言葉とされています。
その元になったとされるのは「因縁生起(いんねんしょうき)」という考え方です。これは、あらゆるものは関係し合っていて、その縁が結果となり物事が起こるという意味を持つ思想です。
縁起物も自分の用が済んだからといって粗末に扱うと、その縁が結果となり自分にかえってくるものかもしれません。
災厄を自ら呼び込まないよう、古い縁起物もまずは感謝の気持ちをもって丁寧に取り扱うようにしましょう。
大切なのは、一度授かった縁起物は、その恩恵への感謝を最後まで忘れず、「ありがとうございます」のご縁を繋いでいくことが大事なのかもしれませんね。
納札所に納める際の初穂料(料金)は?
縁起物を返す際に悩むのが、「こういうときってどれぐらいのお金を入れるものなんだろう?」といったもの。
神社や社寺によっては初穂料(料金)を書かれてある場合もありますのでそれに従って納めるようにしましょう。
ほとんどの神社や社寺では、何も書かれていないところが多いものかもしれません。
納札所には、その場所に「お賽銭箱」などが設置せれているところもあります。そこに感謝の気持ちを込めてお金をお納めするようにしましょう。
「お賽銭」の「賽」の字には、「神様から受けた幸福に感謝をする」という意味があるとされています。
つまり、お賽銭は神様に感謝し、お礼をするためにお供えするものです。
昔は、お米や野菜などをお供えしていましたが、現在ではお金をお供えするのが一般的になっています。
感謝を込めて、その年に収穫できたお米や野菜などをお供えしていたため、お賽銭に明確な相場といったものはありません。
そのため、納める人が負担できる額を奉納するのが一番です。
何よりも大切なのは、心を込めて神様に感謝することですので、納札所に納める際も、ご自身が負担できる無理のない金額を奉納するようにしましょう。
福笹や熊手 別の神社に返納してもいいの?
「授与してもらった神社や社寺が遠方で、なかなか納めに行けない。」といった人もいるかもしれません。
受けた神社に返納するのが一番ですが、その際は、近くの神社や社寺で、ほかの社寺の縁起物でも返納を受け入れてくださっているところもあるので、そこに納めるようにしましょう。
まとめ
福を呼び込むために授与した福笹や熊手の縁起物。
縁起物を授与される時よりも、お返しする時の姿勢が大事で、そのいろんな行動が繋がって「福」を呼び込んでいくのかもしれませんね^^
縁起物をお返しする際も、感謝の気持ちを忘れずに、心を込めてお返しするようにしましょう。