アウトドアやキャンプ、登山で蜂に刺される被害は毎年のように報告されています。
特に自然の中では、私達人間が注意しても防ぎきれない事態も多くあるものです。
そうした場合でも、いかに防ぎ、また刺されたときはどう対処すればよいのかを学んでおく必要があります。
今回は、アウトドアでの蜂対策や刺された時の応急処置などをご紹介します。
アウトドアでの蜂対策は?
蜂は6月頃に巣作りを始め、夏になると女王蜂の生んだ蜂が働き蜂となって、活発化し、神経質になり出します。
日本にいる蜂は4000種を越え、その中で攻撃的かつ危険なのは、主にスズメバチ科の蜂と言われています。
スズメバチはミツバチと違い肉食で、夏から秋にかけて食糧を探して活発化していき飛び回るため、人と遭遇する確率が高まるのです。
人を刺す蜂で深刻な被害を及ぼすのはスズメバチとアシナガバチです。
スズメバチの活動期間は長く、5月上旬~11月頃まで活動し、アシナガバチは、4月上旬ごろ~9月頃まで活動します。
特に巣に近づくことは、蜂を一番刺激してしまいますので、注意しましょう。
アシナガバチは葉の裏や茂みの中、スズメバチは地中等にも巣を作ります。
近づかないことが大切ですが、目立たない場所が多いので、気付かないうちに巣に近づいてしまっていた場合も多くありますので、蜂が飛び回っていないか?など周囲の気配にも気を配りましょう。
蜂対策や被害を防ぐポイントは?
- 肌を露出させない。
- 化粧品や香水など強いにおいを発するものは身に付けない。
- 黒い色のものは着ない。
※衣類や帽子などで保護するとともに、蜂は黒いものに向かってくる習性があるので、頭や黒眼にも注意が必要です。
※蜂は匂いにも反応しますので注意が必要です。
注意ポイント
蜂の巣に近づいてしまった場合は?
まず、蜂は、巣への接近を感じると、巣の外へ出てこちらを見ながら飛び回ります。
さらに近づくと、蜂が近づいてきて威嚇行動を取り始めます。
高い羽音を出して飛び回ったり、オオスズメバチは顎をかみ合わせてカチカチという威嚇音を出したりします。
この時点では、ハチを刺激しないようにじっとしているか、巣とは反対方向へゆっくり後ずさりします。
注意ポイント
警告を無視して近づくと、刺されます。
その場でじっとしていると集団で襲ってくるので、一刻も早く逃げましょう。
蜂の眼は視野の関係で地表近くは見えにくいので、目を閉じ、姿勢を低くして、蜂の巣の近くから静かに離れるようにしてください。
蜂は頭や顔を狙って飛来し、まず腕や手を刺し、次いで、頭や顔を攻撃してきます。逃げ切れず、蜂が体にとまってしまったら、手で払わずに、刺される前に一気に叩き潰してください。
時に数十メートル追われることもありますが、とにかく逃げ切ることが一番です。
また、スズメバチはミツバチと違い、一度刺しても死ぬことはありません。
そして、一匹を興奮させ、毒液(警報フェロモン)をまき散らすことは総攻撃の合図ですので、刺されなくても自分の衣服に付着すると攻撃のターゲットになってしまいます。
もし刺された場合などは、すばやく正確な処置が大切です。
蜂に刺されたら!?応急処置は?
アウトドアなどに行く場合には、ケガなどに備えて簡易の救急用品を備えていくかと思います。
その際に、蜂に刺された場合の応急処置用の下記の3点も付け加えることをおすすめします。
②瞬間冷却剤
③抗ヒスタミン剤含有のステロイド軟膏(ウナコーワAなど)
蜂に刺された場合の応急処置は?
※蜂の毒は水に溶けやすいので、傷口から毒液をしぼり出すように、もみながら流水にさらすと効果的です。
②そして、刺された患部を高くあげ、できれば瞬間冷却剤などですばやく冷やします。または、傷口を谷川などのきれいな水で洗いつつ冷やしてください。
③抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏などがあれば塗布する。そして、濡れたタオル等で冷やし、安静にする。
④アナフィラキシーショックを思わせる症状が見られた場合、急いで救急車を手配し、決して背負わず、移送も担架にのせて運ぶようにしてください。
口の渇き、しびれ、息苦しさが出だすと深刻な症状になる可能性が高いです。
「アナフィラキシーショック」は刺されて数分後に起こります。
不幸にして亡くなった方は刺されてから10~15分程度で激しいアレルギー反応によって、痙攣、血圧降下、意識障害を起こし、呼吸困難で死亡しています。
すべての人がこのアレルギーを起こすわけではありませんが、過去にアナフィラキシーショックを起こしたことがある、もしくは、起こす危険性があると思われる場合は、緊急時にそなえてアドレナリン自己注射薬を常に携帯しておくとよいでしょう。
注意ポイント
蜂に刺されたら何科に行くの?
上記の手順で応急処置を行い、20~30分ほど様子をみて、異常がないようならひとまずは安心ですが、途中で少しでも様子がおかしいと思ったら、直ちに医療機関を受診してください。
また、異常がない場合でも、蜂に刺された場合には、念のため、病院を受診しましょう。
蜂に刺された場合は、基本的には皮膚科を受診するのが一般的です。
外科や内科、総合病院の救急外来は、病院によって受診できない場合がありますので、事前に電話で「蜂に刺された」ことを伝え、受診可能か確認してから行くとよいでしょう。
まとめ
アウトドアなどは、自然の中で過ごすものですので、蜂などの有毒な生き物と遭遇する機会は意外と多いのかもしれません。
蜂に襲われた場合は、最悪の場合死に至ることもあります。
しっかりと対処法や応急処置などを身に付けて備えることはアウトドアをやるうえでは必須ですので、しっかりと備えてアウトドアを楽しみましょう。