以前、「インフルエンザかも!?」と思い病院へ行って検査を受けたら陰性で、次の日に「やっぱりしんどい!」と病院に行き再検査を行ったところ今度は陽性反応が・・・、といった経験があります。
熱が高くて動くのもしんどいなか、必死の思いで病院を目指した記憶が忘れられません。
インフルエンザは病院に行くタイミングが難しいとよく言われます。
私のように、しんどい体で何度も病院へ足を運ぶことのないよう、今回は、インフルエンザで病院に行くタイミングについて詳しくご紹介します。
インフルエンザ 病院に行くタイミングは?
インフルエンザは、「インフルエンザウイルス」への感染によって起こる病気です。
インフルエンザの特徴的な症状として「急激な発症」と「高熱」、「全身症状(全身倦怠感など)」があり、通常の風邪の症状と見極める方法のひとつとして「体感的なしんどさが強い」傾向があるため、「あれ、なんだかいつも風邪とは違うな?」と思ったら、インフルエンザの可能性も考えるべきでしょう。
また、インフルエンザは主に「飛沫感染」と「接触感染」によって拡大していきます。
住んでいる地域でインフルエンザの流行が確認されていたり、周りでインフルエンザに罹っている人と接触した可能性がある場合などは合わせてインフルエンザへの感染の疑いもあるため注意が必要です。
まずは、インフルエンザと風邪の症状の違いについても知っておくと迅速に対応しやすいですよ。
インフルエンザの初期症状や風邪との違い
インフルエンザの場合、一般的な風邪とよく似た症状が多く見られるため、「インフルエンザかどうか?」の判断は、初期の段階では非常に難しい場合もあります。
インフルエンザの初期症状のポイントとしては、 「突然の発熱、全身への強い倦怠感・関節痛・筋肉痛(※人によっては鈍痛程度の強い痛みを感じる場合も)、急激な衰弱、食欲不振」などが挙げられます。
特に、インフルエンザは「全身症状」が強く現れやすく、普段の生活が送れないほど体調が悪くなるため、風邪と比較すると症状が重い傾向があるのが特徴的です。
インフルエンザの発症診断はどうやって行うの?
最終的に「インフルエンザに罹っているかどうか」を判断するためには、インフルエンザウイルスに感染しているかどうかを調べるしかありません。
一般的に調べる方法としては、まず「問診」で症状を確認するとともに、インフルエンザウイルスの有無や型を調べる「検査」を行います。
検査方法は、鼻の奥や喉の奥を細い綿棒で拭い、そこにウイルスがいるかどうかを判断します。
現在では、多くの医療機関で「インフルエンザ迅速診断キット」または「簡易キット」を用いて10~20分程度という短時間で簡単に診断が可能なキットを用いて判定しています。(※陽性の場合は、もう少し早くわかるようです)
検査のタイミングが大切!
インフルエンザウイルスは、驚異的なスピードで増殖し、1つのウイルスに感染後、8時間後に100個程度、1日経つ頃には約100万個にまで増殖すると言われています。
インフルエンザは、このインフルエンザウイルスへの感染を確認するための検査を受けるタイミングがとても重要です。
それは、感染初期の段階で検査を受けるとウイルスの数が少なすぎて、陽性の反応が出ないこともあるため、ある程度の時間をおいてから、再度検査をし直す必要もあるからです。
現在多くの医療機関で用いられている「インフルエンザ迅速診断キット」や「簡易キット」は、結果が早く出る反面、精度に多少の難があり、インフルエンザの感染初期の場合などウイルスの数が少ない時点で検査を行っても、キットの性質などによっては陽性反応とならない場合があり、ある程度ウイルスが増えた段階でないと正確な診断が難しいのが現状なのです。
キットによっては、ウイルスが微量である初期の段階でもインフルエンザウイルスの検出が可能なものも開発されており、医療機関によって診断キットの導入状況は異なります。
インフルエンザで検査を受けるベストなタイミングは?
インフルエンザの感染初期の段階では、ウイルスの数が少なすぎて検査結果が確実ではない場合もあります。
そのため、検査を受けるタイミングとしては、「インフルエンザ発症後24時間以内」がベターとされています。
ポイント
上記の「インフルエンザの初期症状や風邪との違い」などを参考に症状をよく確認、見極めながら行動することが大切です。
場合によっては、「早めに対応したい!」という思いから、症状が出ていない段階で検査を受けようとする人もいらっしゃいますが、その段階での感染の有無の確認ができない場合もあることを理解しておきましょう。
インフルエンザ 熱が下がってから病院に行くのは遅い?
通常、インフルエンザの感染が確認された場合、体内にいるインフルエンザウイルスの増殖を防ぐ「抗インフルエンザウイルス薬」の服用が有効とされています。
病院などでも、検査で陽性反応が出た場合は、多くの場合「抗インフルエンザウイルス薬」が処方され、十分な水分・栄養補給と安静を指示されることが多くあります。
「抗インフルエンザ薬」が有効なのは、インフルエンザの症状が出てから48時間以内といわれており、発症後2日以上経ってから検査しても、抗インフルエンザ薬の効果を十分に発揮できない可能性が高くなります。
ですので、病院に行くのが遅すぎても早すぎてもタイミングを逸してしまうことになります。
インフルエンザの場合、一般的に発症後すぐに高い熱が出ることがあります。
人間の身体には「免疫機能」が備わっており、身体を形成する組織と違うウイルスなどの異物が侵入すると、それを排除しようと強い免疫作用が働きます。
「発熱」も、その免疫機能が活発に働いているために起こる現象のひとつで、「発熱時=ウイルスが活発に動いている」状態とも言えます。
そのため、熱が下がった時点でウイルスの活動もある程度収まり、徐々に回復へと向かっているともいえるため、解熱後に病院に行くのは得策ではないとも言えます。
また、病院は不特定多数の人がやって来るため、病院に行くことで、他の人から違う型のインフルエンザウイルスがうつったり、他の病気に感染したりという可能性もあります。
インフルエンザは非常に大きなパワーがあるため、感染後は体内で非常に多くのエネルギーを消耗し、抵抗力や免疫力も著しく低下している状態です。
そんな中で、さらなる病気への感染や、体を疲弊する行為は、せっかく徐々に回復へ向かっている状態を悪化させる原因にもなるため、ある程度熱が下がった状態であれば、無理に病院に行かずに、自宅で安静にして回復を優先させるほうがいいかもしれません。
インフルエンザが治癒したかどうか確認したい場合は?
インフルエンザが完治したか否かを確認するために医療機関を受診する方もいらっしゃいますが、病院では発症の有無や確認はウイルスの存在等によって判断できますが、何をもって「インフルエンザが治った」と言えるのかは微妙なところです。
実際、インフルエンザを診断する検査キットは、インフルエンザが治ってからもしばらくは陽性反応が出るそうです。
2012年4月の学校保健安全法施行規則の一部改正に伴い、インフルエンザにかかった際の子供の出席停止期間の基準は、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」に改正されました。
インフルエンザの臨床研究などによると、インフルエンザ発症後5日間を経過すると、ウイルスの排出量はある程度収まるとの研究結果の報告があります。
このように、「解熱後2日間」+「発症後5日間」が経過していれば、周囲への感染力が十分低下するため登校しても大丈夫とされていますが、発症の正確な時間や経過の判断は、厳密には難しいものですし、症状の経過も個人差があるものですので、一概に一括りにできない側面も持ち合わせています。
ですので、最終的には、病院の判断というよりも自己判断での領域にもなるため、「解熱後2日間」+「発症後5日間」が経過を基準に、自分で判断するのがいいかもしれません。
確実なのは、インフルエンザになったら、一旦病院を受診し、その時点でインフルエンザと診断されたことが証明できる書類をもらっておく(検査の結果コピーや、タミフルなどインフルエンザ薬の処方箋でも可)。
その後は、毎日体温表をつけ経過を確認し、「発症日」や「解熱日」の日付や、「解熱後2日間」+「発症後5日間」が経過した日付も記録しておき、最終的に「解熱後2日間」+「発症後5日間」が経過したことを証明できるようにしておけば、自己判断も確実ですし、周囲も安心できるでしょう。
ポイント
まとめ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスへの感染を検査などによって確認することで確実な治療方針が立てられます。
病院に行くタイミングは、初期の段階では検査結果に不確定な部分もあるため、確実な検査結果を求めるのであれば、「インフルエンザ発症後12~24時間以上経過してから」行くようにしましょう。
でも、体調を最優先に外出が困難な場合には、安静を心掛け適切な行動を心掛けるようにしましょう。