寒い季節は、インフルエンザが流行する時期でもあります。
インフルエンザは風邪の病原体とは違う、インフルエンザウイルスの感染で起こる病気です。
インフルエンザも種類があり、症状にも違いがあります。また、風邪との違いもあるので、「大して変わらないのでは?」という油断は禁物です。
今回は、インフルエンザの種類別の症状や風邪との違いについてご紹介します。
インフルエンザの症状の特徴は?
インフルエンザは「インフルエンザウイルス」に感染することで起こる病気で、通常の風邪の症状よりも急激に発症し、症状が重いのが特徴です。
インフルエンザの具体的な特徴は?
高熱(38度以上)
全身症状
寒気、悪寒、関節痛、筋肉痛、頭痛、倦怠感、食欲不振 等
呼吸器症状
咳、喉の痛み、くしゃみ、鼻水 等
消化器症状
吐き気、下痢
風邪と似た症状のなかでも、インフルエンザの症状の特徴は「高熱」と「急激に発症する」ところです。
インフルエンザの症状の経過は?
インフルエンザに感染した場合、通常約1~3日の潜伏期間の後、多くは突然の高熱でインフルエンザを発症します。
発症後の約1~3日では、高熱(38度以上)や全身症状が強く現れます。その後、やや遅れて呼吸器症状が現れ、なかには消化器症状を訴える人もいます。
そして最終的には、7~10日前後で症状が落ち着き治癒するのが通常です。
インフルエンザは高熱や全身症状が強い病気のため、高齢者では肺炎、小児ではひきつけや脱水症、急性脳症などの合併症を起こすことがあり、重篤な場合には死にいたることもある病気としての認識も必要です。
インフルエンザの種類別の症状は?
インフルエンザウイルスは、多くの種類がありますが、ヒトに感染する種類は「A型、B型、C型」の3つです。
インフルエンザA型とは?
ヒトに感染する3つの種類のなかでも最も感染力が強く、もっともやっかいで、症状も重症化しやすいのが「A型」です。
毎年、インフルエンザの流行の中心となっている種類で、「新型インフルエンザ」なども、このA型が変異したものですし、よく聞く「香港型」「スペイン型」「ロシア型」などもA型から派生したものです。
メモ
インフルエンザA型の主な症状は?
- 発熱
高熱(38度以上) - 全身症状
寒気、悪寒、関節痛、筋肉痛、頭痛、倦怠感、食欲不振 等 - 呼吸器症状
咳、喉の痛み、くしゃみ、鼻水 等
高齢者や乳幼児・小児や基礎疾患のある方は免疫が低いため、長引きやすいだけでなく、肺炎など合併症を引き起こしやすくなります。
子供の場合は意識障害や異常行動などの症状が出る「インフルエンザ脳症」など重症化するケースもあるため注意が必要です。
インフルエンザB型とは?
流行のもとになるのはA型とともにこの「B型」が多いですが、B型は変異しにくいため免疫の抗体も維持されやすく、A型ほど爆発的に流行することはありません。
そのため、毎年流行するわけではなく、数年おきに定期的に発生します。
インフルエンザB型の主な症状は?
- 発熱
高熱(38度以上) - 全身症状
寒気、悪寒、関節痛、筋肉痛、頭痛、倦怠感、食欲不振 等 - 呼吸器症状
咳、喉の痛み、くしゃみ、鼻水 等 - 消化器症状
吐き気、下痢
また、B型のインフルエンザウイルスは一度かかると免疫ができるため、2度目はかかりにくくなるものの、ウイルスは定期的に変異するため数年後には再び感染する可能性もあります。
インフルエンザC型とは?
大人には感染しにくく、幼児の間で感染するものですが、それほど脅威ではありません。感染したとしても通常の風邪と同程度で、流行性が低いのが「C型」です。
また、季節に関係なく感染し、ほとんどの人が幼児の際に感染します。一度免疫を持つと、ほぼ一生免疫が持続します。
インフルエンザC型の主な症状は?
- 呼吸器症状
鼻水など
インフルエンザB型とC型は「ヒトとヒトの間」でしか感染しません。ですので、1度感染したり、予防接種により抗体を作ると効果が長く続きます。
インフルエンザはシーズン中に2度かかることもあるの?
C型は特に問題ありませんが、A型とB型はそれぞれ抗体が変わるため、A型とB型の両方にかかる可能性や変異性の高いA型に2回かかることもあるので注意が必要です。
インフルエンザB型:決まった形でしか現れないので、予防接種で流行や感染ブロックできる型
インフルエンザC型:影響がまったくない微弱な型
インフルエンザと風邪の違いは?
インフルエンザの症状の特徴的なものとして「高熱」があげられますが、そのほとんどが風邪の症状と似ているため判断が難しいのも事実です。
ですが、インフルエンザと風邪の症状はやはり違いがありますし、症状の違いを把握しておくことで、インフルエンザの感染拡大や感染後の早期回復もしやすくなります。
風邪の場合、発熱もインフルエンザほど高熱ではなく微熱程度のものも多く見られます。
また、症状的にも、呼吸器系症状などが出やすく、「全身症状」はあまり見られません。
しかし、インフルエンザの場合、突然の発熱など急激な発症が特徴的ですし、強い「全身症状」など、体感的に「しんどい」と感じる度合いも高いので、「おかしいな」と感じたら、素早く医療機関を受診し、インフルエンザへの感染を確認するのがおすすめです。
まとめ
インフルエンザは、風邪よりも重症化しやすいためしっかりとしたケアが必要です。
インフルエンザウイルスの種類によっても症状の違いがありますので、症状を把握し、しっかりとケアしましょう。