「なんだか熱っぽいけど、微熱程度だからインフルじゃなくて風邪かな・・・?」
インフルと言えば「高熱」のイメージが強いですが、実は微熱程度や症状が軽い場合でもインフルエンザを発症している可能性があるんですよ。
今回は、微熱程度でのインフルエンザの可能性や対応などについてご紹介します。
インフルエンザ 微熱や症状が軽いけど可能性はある?
インフルエンザは「インフルエンザウイルス」への感染によって発症します。
インフルエンザは、人に感染する種類として「A型・B型・C型」の3つがあります。
「C型」は、大人には感染しにくく、幼児の間で感染するもので、感染したとしても風邪程度の影響力しかなく、ほとんどの人が幼少時に感染し、その免疫は一生続くので問題ありませんが、注意が必要なのが残りの「A型」と「B型」です。
インフルエンザA型とは?
ヒトに感染する3つの種類のなかでも最も感染力が強く、もっともやっかいで、症状も重症化しやすいのが「A型」です。
毎年、インフルエンザの流行の中心となっている種類で、「新型インフルエンザ」なども、このA型が変異したものですし、よく聞く「香港型」「スペイン型」「ロシア型」などもA型から派生したものです。
ウイルスのパワーが強いため、体感的にも「しんどい」と感じる度合いが大きいのも特徴的です。
インフルエンザA型の主な症状は?
●全身症状
寒気、悪寒、関節痛、筋肉痛、頭痛、倦怠感、食欲不振 等
●呼吸器症状
咳、喉の痛み、くしゃみ、鼻水 等
インフルエンザA型の症状の特徴は、高熱とともに強い全身症状が現れます。
高齢者や乳幼児・小児や基礎疾患のある方は免疫が低いため、長引きやすいだけでなく、肺炎など合併症を引き起こしやすくなります。
子供の場合は意識障害や異常行動などの症状が出る「インフルエンザ脳症」など重症化するケースもあるため注意が必要です。
インフルエンザB型とは?
流行のもとになるのはA型とともにこの「B型」が多いですが、B型は変異しにくいため免疫の抗体も維持されやすく、A型ほど爆発的に流行することはありません。
そのため、毎年流行するわけではなく、数年おきに定期的に発生します。
インフルエンザB型の主な症状は?
●高熱(38度以上)
●呼吸器症状
咳、喉の痛み、くしゃみ、鼻水 等
●消化器症状
吐き気、下痢
●全身症状
寒気、悪寒、関節痛、筋肉痛、頭痛、倦怠感、食欲不振 等
微熱や症状が軽い場合でもインフルエンザを発症している可能性
予防接種を受けていた
予防接種を受けていた場合、インフルエンザにかかりにくくなる他に、もし感染したとしても症状が軽く済むことがあります。
これは、予防接種により体内にインフルエンザウイルスへの抗体(免疫)を作ることができているためで、それによりインフル特有の急激な発症や高熱などの症状が抑えられている可能性もあります。
風邪薬や解熱剤などを飲んだ
「風邪かな?」と、市販の風邪薬や解熱剤などを飲んだ場合には、その影響により症状が抑えられ、軽い程度で済んでいる場合があります。
インフルエンザも風邪も「ウイルス」への感染によって引き起こされます。
風邪のウイルスはそこまでパワーがないため、高熱や全身症状などは出にくいですが、インフルの場合はウイルスのパワーが強いため、症状も強く出やすくなります。
でも、症状が出る前に風邪薬や解熱剤などを飲んだ場合には、ある程度薬の影響で抑えられ症状も強くは出にくい状態となります。
インフルエンザB型への感染
インフルエンザB型特有の症状として、「発熱(平熱~微熱程度、微熱が続く)」があります。
A型に比べ、急激な発症を見せないB型は、発症間もない時期は「風邪」と判断がつきにくいのが特徴です。
そのために、風邪かと思っていたら、実はインフルエンザB型に感染発症している状態だった。という事態もあるのです。
不顕性感染にも要注意!
近年、インフルエンザ流行時期に注意が必要になってきているのが「不顕性(ふけんせい)感染」です。
インフルエンザと言えば、38度以上の発熱や頭痛、関節痛、筋肉痛などの症状が特徴的ですが、「不顕性感染」の場合には、これらのインフルエンザ特有の症状が出ないのが怖いところ。
インフルエンザ特有の辛い諸症状が出ないため、本人にとってはありがたいことなのですが、知らなうちに不顕性感染の人が媒介役となって、インフルエンザの感染を拡大させる可能性もあるのです。
「不顕性感染」は、自分には自覚がないままインフルエンザを拡大させてしまうという怖さがあるので、インフルエンザ特有の症状が出ていない場合で、「風邪かな!?」と思う程度でも、「せきやくしゃみが出るようであればマスクを着用する。」、「こまめに手洗いを行う。」など、インフルエンザの流行時期には「もしかしたら!?」という心構えで、ケアを怠らないようにすることも大切です。
インフルエンザ 微熱や症状が軽いけど病院に行くべき?
「もしかして!?」と思うけれど、症状も軽いし病院に行くべきなのかな?と悩む場合もあります。
病院に行くことで、インフルエンザか否かの判断ができる場合があります。(※発症から時間が経過している場合などは判定ができない場合もあります)
インフルエンザの場合やそうでない場合でも、病院に行くことで症状に応じた適切な処置が受けられますので、早期回復を望むのであれば病院に行って医師の診断を受けるのがおすすめです。
病院に行かなくても治る?
インフルエンザに有効な「抗インフルエンザウイルス薬」は、インフルエンザウイルスの増殖を防ぐものであり、インフルエンザウイルスを死滅させたり、治すことはできません。
インフルエンザウイルスを撃退する唯一の方法は、人間の身体にもとから備わっている「免疫力」しかありません。
そのため、この免疫力を維持しながら、しっかりとケアすることで自然治癒することは十分可能です。
ですが、インフルエンザウイルスはパワーが強いため、感染・発症した場合、体内では非常に大きなエネルギーが消耗されます。
体力に自信のある方でも、発症後は大きなダメージを受けやすいのも事実ですので、大人で健康な方でも体力に自信のない方は、病院を受診し適切な処置を受けることをおすすめします。
病院などで処方される抗インフルエンザ薬は、体内でのインフルエンザウイルスの増殖するのを防いでくれます。
ただ、インフルエンザの症状がピークに達してからでは薬の効果もあまり期待できません。症状が出始めたら遅くとも翌日までに医療機関を受診して薬を処方してもらうのが通常のため、症状が軽い場合は病院に行かず自宅で様子を見るのも一つの手段です。
特に、症状が軽い場合や微熱程度であれば、自宅で安静にすることで十分に完治は見込めます。
病気を治すのは薬ではなく免疫力で、十分な休養や栄養補給は必須です。
安静にして水分や栄養の補給に気をつけていれば、5~7日程度、場合によっては10日前後で自然に治癒するのが一般的です。
特に、「安静=睡眠」が大切で、インフルエンザウイルスを撃退してくれる免疫力をあげるためには、しっかりと栄養補給を行いゆっくりと睡眠を取るのが大切です。
微熱が続く場合などは病院へ
自宅で様子を見ても、微熱が続く場合や1週間以上経っても、体調の回復が見込めない場合は、インフルエンザ以外の病気も考えられますので、速やかに医療機関を受診しましょう。
微熱がある状態での外出は?
インフルエンザの臨床研究などによると、インフルエンザ発症後5日間を経過すると、ウイルスの排出量はある程度収まるとの研究結果の報告があります。
このような研究報告を基に、感染拡大の予防策として、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」子供であれば、学校などへの出席は停止するのが望ましいとされています。
インフルエンザウイルスの感染力が最も強いのは「症状が出てから2~3日後(48~72時間後)」なのですが、上記のように解熱後や発症後もしばらくの期間は、まだ感染力の強いウイルスを体内に保持しているため、十分な警戒と注意が必要なのです。
微熱程度や症状が軽い場合でも、体内にはインフルエンザウイルスを保持している可能性が十分に考えられますので、感染拡大の予防としても、外出は控え安静にして、早期の完治を目指すのが最良とも言えます。
また、どうしても外出する場合には、マスクはもちろん手洗い・うがいなどを徹底し、接触感染や飛沫感染を防ぐように心掛けましょう。
尚、インフルエンザウイルスが強いパワーを持っていると言っても、単体のみで長期間微熱が続くほどの影響力があるとは考えられないため、微熱が長期間続く場合や、症状の改善が見られない場合などは、他の病気の影響も考えられるため、速やかに医療機関への受診をおすすめします。
まとめ
微熱程度や症状が軽い程度でもインフルエンザを発症している可能性があります。
心配な場合は速やかに病院を受診することで安心できますし、病院に行かない場合も、まずは体を休めることが大切ですし、長引くような場合には、速やかに医療機関を受診しましょう。