「結婚式で主賓の挨拶をお願いします!」
なんて依頼されると、新しい門出を迎える二人のためも来賓の方々にも失礼のないよう役目を果たしたいところですね。
結婚式での主賓の挨拶は、祝福の宴にふさわしい格調と節度が必要となります。
大勢の前でのスピーチは、慣れていないとどのようにすればいいのか悩んでしまうものです。
そこで今回は、結婚式でのスピーチ!新郎側の主賓の挨拶スピーチの文例&知っておきたいコツやタブーについてご紹介します。
結婚式 新郎側の主賓の挨拶スピーチの文例は?
主賓のあいさつは、新郎新婦の勤め先の役職者や恩師など、社会的に地位のある年長者が行う場合が多く、披露宴の冒頭に行われます。
簡単なおさらいとして、一般的な結婚式の流れについて下記にご紹介しておきます。
結婚披露宴での進行の流れは?
②主賓のあいさつ
③乾杯のあいさつ
④食事・歓談
⑤ウェディングケーキ入刀
⑥お色直し
⑦スピーチ・余興
⑧花束贈呈・謝辞・お開き
なお、披露宴の冒頭は、厳粛な雰囲気の中、参列者も静かに耳を傾けていることも多いため、場に相応しい格調と節度のある挨拶が必要になるため、初めての方や慣れていない方には、荷が重く感じることも多いものです。
ですが、心配しないでください。
スピーチや挨拶は、決まった流れやポイントを押さえておくと、簡単にまとまりのある挨拶文を作ることができます。
下記にスピーチ&挨拶の流れやポイントについてご紹介しますので、参考にされてください。
おさえておきたい!主賓の挨拶の構成
基本的な結婚式での主賓の挨拶文の流れは…
②自己紹介
③エピソード
④はなむけ・助言
⑤結び
それでは、下記にそれぞれのパートについて例文を加えてご紹介します。
①お祝いの言葉
お二人を手塩にかけて子育てになり、今日の良き日を迎えられたご両親様、 ご両家の皆様にも、心よりお祝い申し上げます。
※招待されたお礼を盛り込んでもOK。
②自己紹介
新郎新婦、そしてご媒酌人ご夫婦、ご両親様、どうぞご着席ください。
※婚家側が立っているときは、主題に入る前に着席を促します。
③エピソード
●●君は、いつもお客様や取引先の立場になり親身に対応し、大きな信頼を得ている優秀な営業マンです。
お客様の要望によっては、仕事の段取りが遅れるなどの影響が出ることもあります。ところが、●●君が人懐っこい笑顔で頭を下げて回るものですから、先方も「●●君からの依頼なら仕方ないな」と受け入れられてしまうんですね。
お客様も取引先も、●●君という人物が存在することで、うまく動いていける、そんな人柄には、私も学ぶところが大きいと感じています。
新婦の●●さんとはご友人の紹介で知り合ったそうですが、●●君によると大変優しい女性とのことで、実にお似合いだと先ほどから見とれておりました。
④はなむけ・助言
「家」を「家庭」にするのは何でしょう。
それは人の温かみではないでしょうか?私事ではありますが、私が家を建てた時に、父が家は調度品で飾るものではなく来てくれる友人で飾るもの」と申しておりました。
格調高い名言ではなく恐縮ですが、ご友人のお引き合わせで結ばれたお二人には、この言葉を餞にしたいと存じます。 お互いの友人を大切に、どうか笑いに満ちた、温かい家庭を作り上げていってください。
※「ふたりに贈る」という表現は「送る=送別」につながると気にする人もいるため避けた方がよい。
⑤結び
上記にご紹介したように、挨拶文を最初から最後まで一気に考えるのではなく、パートごとに分けて考えると、挨拶文も作りやすくなります。
また、役職や立場が変わると挨拶文も変わりますので、下記に役職や立場別の主賓の挨拶の例文をご紹介しますので、参考にされてください。
主賓の挨拶スピーチの文例は?
例文その①~社長の場合~
●●君、●●さん、そしてご両家の皆様本日はおめでとうございます。 どうぞご着席ください。新郎の●●君が当社に入社して〇年になります。社内ではまだ若手と言ってもいい年齢ですが、仕事においては所属する部署のまとめ役として、中堅、いやそれ以上の業務を行っており、私としても、大いに将来を嘱望しているところです。
本日●●さんという、素晴らしい伴侶と家庭という暖かい安らぎの場を得られました。これにより●●君も一層の活躍、大いなる飛躍をしてくれるものとは大変期待しております。
●●君の所属する部署は、仕事の性格上、仕事の時間がやや不規則ですし、場合によっては会社に泊りで対応することもあります。
新婚さんの●●さんには寂しい思いをさせてしまうこともあるかもしれません。しかし、●●君がより良い仕事をするためには必要なことなのだということを、ご理解いただければと思います。
結びは、新婦●●さんへのお願い事になりましたが、お二人の将来が輝かしいものになりますことを心よりお祈りいたします。本日はおめでとうございました。
ポイント
ポイント
例文その②~上司の場合~
ただいまご紹介にあずかりました、新郎と同じ職場の△△と申します。
●●君は入社してまだ3年足らずですが、営業マンとしてお客様にも信頼が厚く、若手のホープとして活躍してくれており、私としても、彼の将来には大きな期待を寄せております。
さて、結婚は、新しく大きな海への船出に例えられます。今、おふたりは旅への夢をふくらませていることでしょう。
しかし、こんな詩人のハイネのこんな言葉もあります「結婚は、いかなる羅針盤もかつて航路を発見したことがない荒海である。」
今、おふたりには決まった航路はなく、羅針盤はおふたりにゆだねられているわけです。
どうか、力を合わせ、おふたり手を取り合ってかじ取りをして欲しいと願っています。
おふたりの末永いお幸せと、●●君の仕事での一層の飛躍を祈り、私のご挨拶と致します。
本日は誠におめでとうございます。
ポイント
例文その③~恩師の場合~
新郎の高校時代の担任をしておりました○○と申します。
長年、教師をしておりますと教師として一番嬉しい事が二つあります。
一つは教え子の卒業後の活躍を知ること、そしてもう一つは教え子の結婚式に招かれることです。
本日はお招きいただき、あらためて教師冥利に尽きる気がしております。
●●君の社会人での活躍は、ご媒酌人の様のお話にもあった通りです。
高校時代の●●君は、所属していたテニスクラブではキャプテンをつとめたり、文化祭や体育祭などでは実行委員にも選ばれるなど、まとめ役のようなみんなから頼られる存在でした。
そんな●●君が目標としていた〇〇会社に就職が決定したと聞いた時には自分のことにように嬉しく涙がこぼれたことを思い出します。
社会人になってからも、高校時代の友人はもちろん、担任の私にも連絡をくれ、何かあれば友人達を気遣い、自然と心を配る姿は、年長者の私から見ても頼もしくそして心優しきナイスガイで、自慢の教え子だと思っております。
これからも人を思いやれる気持ちを忘れず、おふたりともに歩める幸せをかみしめながら、充実した家庭を築いてくださいね。
本日は本当におめでとうございます。
ポイント
結婚式 主賓の挨拶のコツやタブーなどポイントをご紹介!
主賓の挨拶を任された場合は、事前に参列者の顔ぶれや披露宴のスタイルなどを確認しておくことが大切です。
格調高い披露宴であればそれに合ったスピーチをし、新郎新婦の友人などが中心の披露宴であれば堅苦しい内容は避けるなど、結婚式のスタイルに合わせて挨拶文を考えるのがポイントです。
また、勤務先の社長や上司であれば、新郎の仕事ぶりを紹介し、恩師や父親の知人であれば幼いころのエピソードなどを話すなど、新郎との関係を踏まえた内容にすると話しやすいでしょう。
ただし、ウケを狙いすぎたり、暴露話をするのは絶対タブーです。
具体的なエピソードや新郎の人柄が参列者にきちんと伝わる内容を心掛けましょう。
ただし、オーバーな美辞麗句の連発はかえってありがたみが薄れます。新郎の仕事ぶりを認め、上に立つものとして評価・期待している気持ちを誠実な言葉で語りましょう。
◆若手のホープ的存在
◆将来が多いに期待されている
◆意欲的な仕事ぶりを頼もしく思っている
◆上司からの信頼も厚い
◆模範社員として
◆後輩の良きお手本 時期
◆課長候補として大いに期待している
◆社内でも信望が厚い
◆真面目な仕事ぶりに信頼を置いている
◆中堅として目覚ましい活躍ぶり
◆社運の命運を賭けたプロジェクトに参加中
◆取引先からの評判がいい
3~4分程度(原稿用紙1200字程度)を目安に考えると、参列者にも伝わりやすくなります。
披露宴当日は、原稿を見てあいさつしてもかまいませんが、ずっとうつむいたままにならないように、事前に何度も声に出して練習しておくと話の内容も伝わりやすくなります。
また、大勢の前で挨拶するときは、誰でも緊張するものです。
そして、緊張しているときは早口になったり、ボソボソと話したり、話が駆け足になりやすいので、「ゆっくり話す」「ハッキリ話す」「間を取りながら(一呼吸置きながら)話す」を心掛けると聞き取りやすいスピーチになります。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、結婚式でのスピーチ!新郎側の主賓の挨拶スピーチの文例&知っておきたいコツやタブーについてご紹介しました。
結婚式での挨拶やスピーチは、まずは心を込めてお祝いの言葉伝えることが一番です。
主賓の挨拶は、下手をすると慣例的な挨拶になりがちですので、新郎のエピソードなどを交え、オンリーワンの贈る言葉になるようにしたいものですね。