「あけましておめでとうございます」と気持ちよく新年の挨拶を交わしたいところですが、私にも苦い失敗があります。
以前、仕事に追われて遠方の親戚へのお年賀をネットショップから直接送ったとき、事前に連絡を入れ忘れてしまったのです。
後日、「差出人の名前が見当たりにくくて、誰からの贈り物か本気で迷ったよ」と笑いながら言われ、冷や汗をかきました。
贈り物のマナーは時代とともに変わってきました。
それでも、相手に余計な気をつかわせない工夫が大切なことは、今も昔も変わりません。
この記事では、お年賀ののし紙(熨斗)の書き方や水引の選び方、配送するときのマナー、喪中の対応までをまとめました。
忙しい方でも3分で要点がつかめます。
帰省できない年の「お店から直送しても失礼にならない?」という不安にも、あわせて順にご説明していきますね。
※お歳暮・お年賀の贈る時期や表書きは、地域やお店の方針によって多少異なります。
2027年のお正月分を手配するときは、利用する百貨店・ギフトショップの最新の案内と、相手の地域の慣習を必ず確認してください。

お年賀ののし紙の基本|表書き・水引・名前の書き方
お年賀は、のし紙を掛けて贈るのが丁寧な作法です。
「表書き」「水引」「名入れ」の3つを押さえておけば、目上の方や取引先にも安心して贈れます。
表書きは「御年賀」が基本
水引の上、中央の段(表書き)には「御年賀」または「お年賀」と書きます。
より丁寧な表現として「御年始(ごねんし)」を使うこともありますが、ふつうの新年の挨拶なら「御年賀」で間違いありません。
水引は紅白の「蝶結び」を選ぶ
お年賀の水引は、何度あっても嬉しいお祝い事に使う紅白(または赤金)の「蝶結び(花結び)」を選びます。
結婚祝いや快気祝いに使う「結びきり」は、一度きりであってほしいときの結び方です。
お年賀には合わないので、間違えないようにしましょう。
名前はフルネームで中央下に書く
水引の下の段、中央に贈り主の氏名を書きます。
苗字だけでも間違いではありません。
ただ、同じ苗字の親戚や取引先がいると「どちらの○○さん?」となってしまうことがあります。
誰からの品かひと目で伝わるよう、フルネームで書くのがいちばん確実です。
連名で贈るときは、立場が上の人を右側に書きます。
友人同士なら、五十音順で右から並べます。
筆ペンか毛筆で濃く書く
表書きと氏名は、濃い黒の筆ペンか毛筆で書くのが本来の形です。
ボールペンや鉛筆、細すぎるサインペンは、お祝い事には向きません。
薄墨は葬儀用なので、お年賀では使わないでください。
| 項目 | 正しいマナー・書き方 | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 表書き | 「御年賀」「お年賀」「御年始」 | 「御祝」など用途があいまいな表記 |
| 水引 | 紅白の「蝶結び」(5本または7本) | 結びきりの水引(結婚・お見舞い用) |
| 名前 | 水引の下段中央にフルネーム | ボールペン記入、名字だけの記載 |
| 筆記具 | 濃い黒の毛筆・筆ペン | 薄墨、鉛筆、ボールペン |
(参考:JALショッピング:お年賀のしの書き方)
お年賀はいつまで?三が日・松の内・地域差を整理
お年賀は、相手の地域の「松の内(まつのうち)」の期間内に届くよう手配するのが決まりです。
本来は三が日(1月1日〜3日)の手渡し
お年賀はもともと、新年の挨拶に添える手土産でした。
そのため、1月1日〜3日の三が日に相手の自宅や会社を訪ねて、直接手渡しするのが本来の作法とされています。
松の内は「関東1月7日」「関西1月15日」が目安
三が日に訪問できなくても、松の内のあいだなら「御年賀」として贈れます。
ただし、松の内の長さは地域によって違います。
-
関東・東北・九州など
1月1日〜1月7日まで -
関西(近畿地方)など
1月1日〜1月15日まで
基準にするのは、自分の住んでいる地域ではなく、相手が住んでいる地域の松の内です。
日本郵便のお歳暮・お年賀の贈る時期ガイドでも、地域ごとの目安が案内されています。
松の内を過ぎたら「寒中御見舞」に切り替える
仕事の都合などで松の内を過ぎてしまったときは、表書きを「寒中御見舞」や「寒中見舞い」に変えて贈ります。
| 到着・手渡しの時期 | 表書き(のし紙) | ポイント |
|---|---|---|
| 1月1日〜松の内まで | 御年賀 / お年賀 / 御年始 | 新年のお祝いと感謝を伝える標準の表書き |
| 松の内明け〜立春(2月4日頃)まで | 寒中御見舞 / 寒中見舞い | 寒さの厳しい時期に相手の健康を気づかう挨拶 |
| 立春以降 | 余寒御見舞 / 余寒見舞い | 立春を過ぎても寒さが残る時期の挨拶 |
(参考:日本郵便:時期別の表書き)
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ネット通販・百貨店からの直送は失礼?現代の判断基準
「お店から直接送るなんて、手抜きに見えないかな」と迷う方は多いと思います。
結論からお伝えすると、帰省を控える家庭が増え、配送サービスも整ってきた今は、百貨店や専門ショップからの直送は広く受け入れられています。
問題なのは直送ではなく「事前連絡なしの送りっぱなし」
直送が失礼に見えてしまう原因は、お店から送ること自体ではありません。
何の連絡もないまま、突然品物だけが届くことにあります。
差出人が分かりにくかったり、相手が不在で再配達の手間をかけさせてしまったりすると、気持ちよく受け取ってもらえないことがあります。
冒頭で書いた私の失敗も、まさにこのパターンでした。
注文時に確認したい5つの設定
ネットショップや百貨店からお年賀を直送するときは、注文画面で次の5点を確認しておきましょう。
-
1. のし紙の指定
「御年賀」の表書きと紅白蝶結びが選ばれているか -
2. 贈り主(差出人)の表示
注文者の氏名・住所が伝票に印字され、ショップ名だけになっていないか -
3. 名入れ
フルネームで名前が入っているか -
4. 内のし・外のし
配送中の傷みを防ぐなら、箱に直接のしを貼って上から包装する「内のし」が安心 -
5. 納品書
金額の分かる納品書や領収書が同封されない設定になっているか
🟢 おすすめの理由(メリット):のし・包装・名入れの指定が確実で、目上の方や取引先にも安心して贈れる信頼感があります。
🔴 注意点(デメリット):年末ギリギリになると人気の品が売り切れたり、年内発送の締め切りを過ぎたりします。早めの予約が安心です。
配送するときの挨拶状・LINE文例
お年賀を直送するなら、品物が届く前にひ言知らせておくのがスマートです。
上司や取引先、年配の親戚には挨拶状(ハガキ・手紙)をポストに投函します。
親しい間柄なら、LINEやメールで一報を入れておけば十分です。
フォーマル文例(親戚・上司・取引先へ挨拶状を別送する場合)
挨拶状を別に送ると、手渡しできないお詫びと感謝の気持ちを丁寧に伝えられます。
フォーマル文例(親戚・上司・取引先へ挨拶状を別送する場合)
旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り、誠にありがとうございました。
本年も変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
つきましては、日頃の感謝のしるしとして、心ばかりの品を〇〇(※百貨店名など)より直接お届けできるよう手配いたしました。
〇月〇日頃にはお届けできるかと存じます。
お受け取りいただければ幸いです。
寒さ厳しき折、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
略儀ながら書中をもちまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
カジュアル文例(家族・親戚・友人へLINEやメールで送る場合)
身近な相手なら、届く日時を具体的に伝えておくと、再配達の手間が減って喜ばれます。
カジュアル文例(家族・親戚・友人へLINEやメールで送る場合)
昨年は大変お世話になりました。今年もどうぞよろしくね。
今年は年始の帰省が難しいので、感謝を込めて〇〇(※お菓子の名前など)をお年賀としてお店から直接送らせてもらいました。
【〇月〇日の〇時〜〇時頃】に届く予定なので、受け取ってもらえたらうれしいです。
まだまだ寒い日が続くけれど、体に気をつけて良いお正月を過ごしてね。
また会えるのを楽しみにしています。
🟢 おすすめの理由(メリット):和菓子から洋菓子、焼き菓子まで品揃えが豊富です。価格帯や配送日を指定して、手軽に注文できます。
🔴 注意点(デメリット):店舗ごとにのし対応やメッセージカードの可否が違います。注文時に指定欄を必ず確認しましょう。
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短冊のしの書き方・貼る位置・使ってよい相手
短冊(たんざく)のしとは、細長い紙に表書きと水引が印刷された、簡易タイプののし紙です。
エコ包装の流れもあり、多くの百貨店やオンラインショップで使われています。
貼る位置は「中央」または「やや右上」
短冊のしは、ギフト箱の中央か、正面のやや右上に貼るのが一般的です。
中央にまっすぐ貼ると、全体の見た目がきれいに整います。
接着テープがついているタイプは、はがれないようしっかり固定してください。
表書きと名入れは通常ののし紙と同じ
上段に「御年賀」、下段に贈り主のフルネームを書きます。
身内や友人への気軽な贈り物なら、苗字だけや名前の省略でもかまいません。
ただ、配送で届けるときは差出人がはっきり分かるよう、名前を入れておくのが無難です。
短冊のしでよい相手と、掛けのしを選びたい場面
短冊のしは手抜きではなく、今では合理的な選択肢として定着しています。
とはいえ、相手や場面によって使い分けると、より安心です。
短冊のしで問題ない場面:
掛けのし(フルサイズののし紙)を選びたい場面:
🟢 おすすめの理由(メリット):自宅で手書きの短冊を用意したいときに便利です。適度なハリと発色のよい筆ペンなら、文字がきれいに映えます。
🔴 注意点(デメリット):ネット通販の名入れ印刷サービスを使う場合は、手書き用の道具をわざわざ買う必要はありません。
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肉や魚など生鮮食品ののしはどうする?
お年賀に和牛や鮮魚、海産物などの生鮮食品を贈るときは、のし紙の扱いに少し特別なルールがあります。
本来は「のし飾り」のない水引だけの掛け紙を使う
のし紙の右上にある、黄色い紙を包んだ飾りが「のし飾り」です。
これは、昔、縁起物の「伸ばしあわび(鮑)」を添えていた名残です。
肉や魚はそれ自体が生ものなので、同じ生ものを意味するのし飾りと重なってしまいます。
そのため本来は、のし飾りのない「水引だけが印刷された掛け紙」を使うのが伝統的な作法です。
現代ではお店に任せて大丈夫
今は、そこまで厳密さを求められる場面は少なくなりました。
注文先のギフトショップや精肉店で「お年賀用」と指定すれば、たいていお店が適切な掛け紙を用意してくれます。
迷ったら「生鮮食品なので、水引だけの掛け紙でお願いします」と、ひと言添えて相談してみてください。
喪中の相手・自分が喪中のときのお年賀
自分か相手が喪中(近親者を亡くして服喪している期間)のときは、お祝いの意味が強いお年賀の贈り方に配慮が必要です。
「御年賀」としては贈らない
お年賀は新年を祝う贈り物です。
そのため、喪中の相手に贈ることも、自分が喪中のときに贈ることも、原則として控えます。
「あけましておめでとう」という言葉や、紅白の水引は使わないようにしましょう。
松の内が明けてから「寒中御見舞」として贈る
喪中の相手に年始の挨拶や感謝を伝えたいときは、松の内(1月7日または1月15日)が明けてから立春(2月4日頃)までのあいだに、表書きを「寒中御見舞」にして届けます。
水引・のし飾り:
添え状・メッセージ:
(参考:日本郵便:喪中と寒中見舞いや日本郵便:寒中見舞いのマナー)
お年賀をいただいたときのお礼・お返し
反対に、お年賀を受け取った側の対応も確認しておきましょう。
まずは当日中にお礼を伝える
お年賀が届いたり、手渡されたりしたら、当日中に電話やLINE、メールでお礼を伝えます。
配送で届いたときは、「無事に届きました」という報告も兼ねて、早めに連絡すると相手も安心します。
お返しの品は原則不要、状況に応じて判断を
お年賀は新年の挨拶の手土産という位置づけなので、基本的にお返しの品は必要ありません。
ただ、思いがけない相手から配送で届いたときや、高価な品をいただいたときは別です。
同じくらいの金額のお返しを贈ると、気持ちがきちんと伝わります。
表書きは、松の内なら「御年賀」、松の内明けなら「寒中御見舞」にします。
品物は用意しないで、丁寧なお礼状を出す方法もあります。
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よくある失敗と回避チェックリスト

お年賀の手配でありがちな失敗をまとめました。
発送や手渡しの前に、さっと見直してみてください。
ボールペンで名前を書いてしまった:
差出人の名前(フルネーム)を省略した:
自分の地域の松の内だけで判断してしまった:
喪中の相手に「あけましておめでとう」と書いて送ってしまった:
通販から直送したのに、事前に一報を入れなかった:
生鮮食品に、のし飾り付きの紙を使ってしまった:
FAQ(よくある質問)
❓ Q1. お年賀とお歳暮の違いは何ですか?
🟢 A. お歳暮は「1年間のお礼」として、年末(12月上旬〜20日頃)に贈るものです。
お年賀は「新しい年の挨拶」として、年始(松の内まで)に贈ります。
両方贈る必要はありません。
お歳暮の時期に間に合わなかったときは、お年賀に切り替えて手配することもあります。
❓ Q2. 「御年賀」と「御年始」はどちらが正解ですか?
🟢 A. どちらも間違いではありません。
現代では「御年賀」がいちばん一般的です。
格式を重んじたいビジネスシーンなどでは、「御年始」が使われることもあります。
❓ Q3. 短冊のしは、上司や目上の方に失礼になりますか?
🟢 A. 今はエコ包装として広く知られています。
ただ、とても格式を重んじる相手や、大切な取引先へ直接持参する場合は、箱全体を包む「掛けのし」を選んでおくとより安心です。
❓ Q4. 相場はどれくらいですか?
🟢 A. 一般的な相場は2,000円〜5,000円程度です。
相手に負担を感じさせない、日持ちするお菓子やコーヒー、タオルなどが人気です。
まとめ|迷ったら「時期・表書き・事前連絡」の3点で判断
お年賀で大切なのは、次の3つです。
-
1. 時期
相手の地域の「松の内」までに届くよう手配する(過ぎたら寒中見舞いへ) -
2. 表書き
紅白蝶結びの水引に「御年賀」とフルネームを書く -
3. 事前連絡
直送するときは、メッセージや挨拶状で一言知らせておく
短冊のしやお店からの直送など、便利な方法も増えました。
形式にとらわれすぎず、相手を思う気持ちを添えて、すっきりと新しい一年を迎えましょう。