新年を迎えると、神社やお寺に初詣に行く風習が日本にはありますが、その意味や由来をご存知でしょうか?
また、「初詣ってお正月の3が日までに行かないといけないのかなぁ」と疑問に思われる方も多いものです。
今回は、初詣期間はいつまでなのか、初詣の意味や由来、初詣に行く神社とお寺の参詣の違いについてご紹介します。
初詣の意味や由来などチョットしたマメ知識を知って行くと、いつもとは違った気持ちで初詣に行けるかもしれませんよ。
初詣の意味や由来は?
初詣の意味は、「新年に初めて神社やお寺に参詣(参拝)する」ということです。
「いやいや、それは知っているよ」とツッコまれそうですが…^^;
ちょっとややこしい話になりますが、「初詣」についてもう少し詳しくご説明しますね。
初詣になぜ行くの?
本来「お正月」とは、歳神様を家にお迎えする大事な行事です。
ですから、新年が来る前に、門松や鏡餅、しめ縄飾りなどを飾り歳神様がお迎えする準備をします。
そして、新年には歳神様の依代である神棚に家族全員が揃って拝礼していました。
メモ
では、神様(歳神様)が家にいらっしゃるのになぜ、寺社仏閣の神様にお詣りするのでしょう?
それは、家にお迎えする歳神様と神社の神様(氏神様)は別の神様だからです。
- 歳神様…「祖先神」と言われ、主にご先祖様が、一年に一度、山(天)から降りて来られるとする神様のこと。
- 神社の神様…「氏神」と言われ、同じ地域(集落)に住む人々が共同で祀る(まつる)神様のことです。
家にお迎えする歳神様だけでなく、その土地を守ってくださっている神様にご挨拶するために参詣していました。
ですので、本来の「初詣」は、自分が住んでいる土地の「氏神様」に昨年の感謝の気持ちを伝えるや今年の祈願(家内安全、無病息災など)を行うために詣る風習だったのです。
ですので、昔の人たちは家に神棚のあるなしに関わらず、「初詣」は地元の神社に参る風習があったのです。
今では、有名な神社やお寺に「初詣」行くことが多いですが、これは鉄道会社の経営戦略が定着化したものです。つまり、鉄道会社の鉄道網にある神社やお寺に行くようにPRしたことによって、氏神様や本来の恵方とは関係のない有名な神社などに参拝をするようになっていったのがきっかけとされています。
初詣の由来は?
初詣は、元々は「年籠り」(としこもり、としごもり)と言い、家長(今でいう世帯主)が一年の祈願のために大晦日の夜から元日の朝にかけて氏神の社に籠る習慣であったとされ、やがてこの「年籠り」が、大晦日の夜の「除夜詣」と元日の朝の「元日詣」との2つに分かれ、「元日詣」が今の初詣の原形となりました。
また、江戸時代末期頃までの「元日詣」は、氏神に参詣したり、家から見て恵方にあたる社寺に参詣(恵方詣り)が一般的でしたが、明治初期に鉄道が普及したことによって現在のように、有名な神社やお寺にお詣りするように変化したのです。
- 氏神…同じ地域(集落)に住む人々が共同で祀る(まつる)神様のことです。
- 恵方…陰陽道で、その年の干支に基づいてめでたいと定められた方角のこと。
一言で「初詣」と言っても、昔からの風習などを知っておくと、参詣する時の心持ちも変わり、去年とは少し違う初詣になるのではないでしょうか。
初詣はいつからいつまで?
お正月の初詣は「人混みが多くて苦手」や「お正月旅行に行っているの」などお正月の過ごし方も昔とは変わってきていますので、お正月の三が日に初詣に行くことが出来ない場合も増えてきています。
でも、新年の区切りとして「初詣」には行きたいけど初詣はいつまでにお詣りすればいいのか疑問に思う方もいらっしゃいますので、初詣の期間についてご紹介していきます。
初詣の期間は?
初詣に行くタイミングは、「大晦日の晩から出かけていき年明けと共に」や「元旦の朝一番に」、「元旦の昼過ぎに」などなど人それぞれのタイミングがあります。
一般的には、お正月の三が日の間に参詣するのが一般的なのですが、実はこれが正しいわけではありません。
「えっ?ではいつまでなの?」と思いますよね?(私も思いました^^)
実は、初詣の参詣期間というのは決まっていないのです。
というのも、年が明けて初めて参詣した時ときが「初詣」なのです!!
ということは、2月だろうが3月だろうが、神社やお寺に新年を迎えて初めての参詣ならば、その時が「初詣」なんです。(ちょっとびっくりですよね^^)
初詣で神社とお寺の違いはあるの?
初詣に行かれる人は、神社かお寺のどちらかに行かれると思います(というか、どちらかのはずですね^^)
現在では、各神社やお寺などで、初詣の参詣を行っているとことが多いので、どちらに行くのが正しいの?なんて思われる方もいらっしゃいます。
また、どうせならご利益がある方に行きたいと思いませんか?(私はもれなく思います!!)
まずは、簡単に神社とお寺の違いをご紹介しますね。
◆神様を祀っている(日本由来の神様)
○○神(天照大御神、天津国玉神など)、○○命(大国主命、天津久米命など)、○○尊(天常立尊、素戔嗚尊など)、人格神(明治天皇、徳川家康など)
◆神道(祈願、祈祷などを行う)
◆鳥居がある
◆祈願の時、「二礼二拍手一礼」をする
◆仏様を祀っている(外国由来の神様)
○○如来(釈迦如来、阿弥陀如来など)、○○菩薩(観音菩薩、地蔵菩薩など)、○○明王(不動明王、降三世明王など)、○○天(毘沙門天、大黒天など)
◆仏教(生きている意味やありがたさ、感謝などを説く)
◆仏像がある
◆祈願の時、静かに手を合わせる(合掌)
そして、一番肝心なことは、「神社」と「お寺」のどっちに初詣に行くべきなの?ということですが、実は…
【どっちでもOK】なのです。(「はい?」となりますよね。)
「神社でもお寺でもどっちでもOK」というのは、明治時代初期に神仏分離(神様と仏様の区別をはっきりさせる)が行われる前は、神道と仏教などが一体化した神仏習合(神様と仏様が混在して曖昧)による信仰が一般でした。
その風習が定着したため、初詣に限らず寺社仏閣への参詣に神道・仏教の区別は無いまま定着したとされています。
ポイント
また、参詣には回数に関する制約もないので、多数の寺社仏閣に参詣するのもアリなのです。
多数に参詣すれば色々なご利益が得られるという説もあります。また、西日本では「三社参り」などと言って正月三が日の内に複数(多くは3社程度)の神社に参拝するのが習慣となっている地域もありますので、お時間があるようでしたら色々なご利益がある寺社仏閣に参詣してみるのもいいですね。
まとめ
いかがでしたか?意外な答えではなかったでしょうか?
初詣は、あなたがお願いしたいご利益がある神社やお寺に、好きな時に何回でも参詣していいので、時間の許す限り色々なところに詣ってみるのもいいかもしれませんね^^