最近の働き方として、会社によっては副業を認める会社もあるなど、本業とは別に副業やアルバイトなどダブルワークで働く人も増えています。
通常、会社員の税金の精算は年末調整によって完了しますが、2ヶ所以上の会社から給与をもらっている場合は、基本的に確定申告が必要となります。
今回は、副業やアルバイトなどダブルワークで2ヶ所以上から給与の支払いを受けている場合の確定申告書の必要書類&書き方について記入例つきでご紹介します。
目次
確定申告 2ヶ所以上から給与の書き方&必要書類は?記入例つきでご紹介!
多くの会社員の場合、ひとつの会社から給料をもらっているだけであれば、その会社で年末調整をしてもらうことで、原則、確定申告の必要はありません。
しかし、2か所以上の会社から給与をもらっている場合には、ひとつの会社できちんと年末調整を受けたとしても、正しい所得税額を精算することができません。
これは、給与所得は「給与収入の総額」に対して、給与所得控除額を計算しないと、正しい課税所得金額が算出されないためで、このため、年末調整後、さらに確定申告を行って、正しい所得税額を納める必要があるのです。
関連副業で年間の給与収入の合計が20万円以下でも確定申告は必要?2ヶ所以上から給与を受け取っている場合の確定申告の必要書類は?
◆給与所得の源泉徴収票
◆社会保険料や生命保険料等の控除証明書
2ヶ所以上から給与を受け取っている場合の確定申告の書き方&記入例
確定申告書Aには【第一表】と【第二表】があります。まずは【第二表】から記入していきましょう。
尚、ここでは下記の源泉徴収票をもとに記入例を示していきます。
確定申告書Aの【第一表】の記入
上記の確定申告書Aの【第二表】の記入が終わったら、次は【第一表】の記入を行います。

それぞれ2か所の給与所得の源泉徴収票の「支払金額」を記入します。

所得金額は、収入金額を下記の【給与所得控除額の計算】の表に当てはめて算出し、その数字を記入しましょう。
【給与所得控除額の計算】
給与等の収入金額 (給与所得の源泉徴収票の支払金額) |
給与所得控除額 |
---|---|
180万円以下 | 収入金額×40% (※65万円に満たない場合には65万円) |
180万円超360万円以下 | 収入金額×30%+18万円 |
360万円超660万円以下 | 収入金額×20%+54万円 |
660万円超1000万円以下 | 収入金額×10%+120万円 |
1000万円超 | 220万円(上限) |
記入例の場合は、
8,080,000円-2,008,000円=6,072,000円となります。

「(6)社会保険料控除」欄には、【第二表】の「社会保険料控除」の合計金額を転記します。
記入例の場合は、他に配偶者控除および基礎控除の金額をぞれぞれ記入し、「(6)~(15)」までの控除の合計金額を「(16)(6)から(15)までの計」欄に記入します。
記入例の場合は、

所得金額の合計-所得から差し引かれる金額の合計の金額を「(21) 課税される所得金額(5-20)」欄に記入します。
※1,000円未満の端数は切り捨てる。
記入例の場合は、
1,000円未満の端数は切り捨てによって、4,139,000円となります。
次に、「(21)課税される所得金額(5-20)」欄は、下記の【所得税額の速算表】を参照し、該当する金額の税率と控除額から算出します。
課税総所得額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
記入例の場合は、
尚、平成25年から復興特別所得税2.1%(※記載例では8,406円)も考慮した408,706円が最終的な所得税額になります。
次に、給与所得の源泉徴収票の「源泉徴収税額」の金額を「(38)所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額」欄に記入します。
上記にて算出された数字をもとに「(36)-(37)-(38)」の金額を算出し、記載します。
記入例の場合は、
まとめ
最近では働き方も多様化しており、副業などである程度の収があっても申告しない人も増えています。
正しい申告を行わない場合は下記の記事のようなペナルティも重いものになっていますので、正しく申告して余計なペナルティを受けないようにしたいものですね。
関連確定申告をしないとどうなるの?