医療費控除を受けようとする場合は、サラリーマンの方でも自分で確定申告を行って申告する必要があります。
「確定申告」と、聞くとなんだか難しそうで面倒臭いイメージが強いものですが、医療費控除も順番にやっていけば、申告自体はそれほど難しいものではありません。
「今年は医療費が結構掛かったな」と感じていたり、1年を通して病院を受診する機会が多いご家庭では、医療費控除をきちんと行って、還付を受けるようにするだけでも大きな節約になりますよ!
今回は、前回の医療費控除の明細書の書き方に引き続き、確定申告書の書き方について記入例を交えてご紹介していきます。
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確定申告 医療費控除の書き方と記入例~確定申告書の書き方~
医療費控除は、個人事業主以外にも、サラリーマンの方々も対象となります。
毎年2月16日から3月15日まで行われる確定申告の時期に医療費控除の申告を行うことで、払いすぎた医療費を控除することができるものです。
セルフメディケーション税制
医療費控除には特例として、「セルフメディケーション税制」もあります。
セルフメディケーション税制の特徴は、その対象が、医師によって処方される医薬品(医療用医薬品)か、ドラッグストアで購入できるOTC医薬品に転用された医薬品(スイッチOTC医薬品)の購入費の合計金額が1万2,000円を超えると、超えた分が控除の対象になるというものです。
通常の「医療費控除」では対象外だった人でも、この「セルフメディケーション税制」の対象にはなる場合もあります。
セルフメディケーション税制についての詳細や確定申告方法については下記の記事をご参考に!
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なお、セルフメディケーション税制は医療費控除の特例のため、従来の医療費控除と同時に利用することはできません。
「セルフメディケーション税制」と従来の「医療費控除」のいずれかを選択することになります。
セルフメディケーション税制による医療費控除の特例がはじまったことで、従来の医療費控除も申請方法が変更されました。
平成29年からの確定申告からは、領収書の提出の代わりに「医療費控除の明細書」の添付が必要となりました。
参考【国税庁】医療費控除の明細書のPDF 関連確定申告 医療費控除の明細書の書き方を記入例つきでご紹介!交通費や治療内容も!確定申告で医療費控除に必要な書類
医療費控除の場合
- ①確定申告書
- ②医療費控除の明細書 ※添付
- ③医療費通知(医療費のお知らせ)
- ④源泉徴収票(会社員の場合)
平成29年からの確定申告からは、領収書の提出の代わりに「医療費控除の明細書」の添付が必要となり、各健康保険組合等から送られてくる医療費通知(医療費のお知らせ)の添付が必要となります。
医療費通知(医療費のお知らせ)に間違いがなければ、その医療費通知に記載されている金額を医療費控除の明細書に転記して終了となるわけですが、医療費通知に記載された医療費の額は、実際に支払った金額と異なる場合があるため、領収書を確認する必要があります。
そのため、従来通り医療機関や薬局などの領収書はきちんととっておいて、医療費通知に記載されている金額と照らし合わせる作業も必要となります。
ポイント
確定申告で医療費控除を行う手順
- ①必要書類を揃える
※上記の①~④の申告書や領収書類を揃える。 - ②領収書をまとめる
※受診者別・医療機関別に日付順にまとめていく。 - ③②でまとめた領収書を【医療費控除の明細書】に転記していく。
- ④【医療費控除の明細書】や【源泉徴収票】などをもとに、確定申告書を記入し、完成させる。
上記の手順の詳しい内容は下記をご参照ください。
関連確定申告の医療費控除とは?期限や必要書類など分かりやすくご紹介!関連確定申告 医療費控除の明細書の書き方を記入例付きでご紹介!交通費や治療内容も!
上記の関連記事にもある、医療費の明細書が出来上がれば、次はいよいよ確定申告書への記入です。
これが終われば申告書は完成しますので、あと少し頑張って完成させていきましょう!
医療費控除 確定申告書の書き方
平成29年からの確定申告からは、領収書の提出の代わりに「医療費控除の明細書」の添付が必要となり、各健康保険組合等から送られてくる医療費通知(医療費のお知らせ)の添付が必要となります。
医療費通知(医療費のお知らせ)に間違いがなければ、その医療費通知に記載されている金額を医療費控除の明細書に転記して終了となるわけですが、医療費通知に記載された医療費の額は、実際に支払った金額と異なる場合があるため、領収書を確認する必要があります。
そのため、従来通り医療機関や薬局などの領収書はきちんととっておいて、医療費通知に記載されている金額と照らし合わせる作業も必要となります。
ポイント
医療費控除の明細書にて控除額が算出できれば、あとは、申告書に記入していくのみです。
その時に、源泉徴収票も必要になってきますので手元に用意しておきましょう。
今回、確定申告書を記入する際の記入例として、下記の「医療費通知(医療費のお知らせ)」と、「医療費控除の明細書」、「源泉徴収票」を基に作成していきます。
なお、新しい「医療費控除の明細書」の書き方の詳細や「医療費通知(医療費のお知らせ)」に関する詳しい情報は下記の記事もご参考に!
関連確定申告 医療費控除の明細書の書き方を記入例付きでご紹介!交通費や治療内容も!
確定申告書の上段は、申告する人の氏名・住所・生年月日・電話番号等を記入します。
ポイント
収入金額等
今回は、一般的なサラリーマンの方で、会社以外の収入はない場合でご紹介します。
源泉徴収票の【①支払金額】の数字を、確定申告書の「収入金額等」の「給与」の欄に記入します。
所得金額
源泉徴収票の【②給与所得控除後の金額】の数字を、確定申告書の「所得金額」の「給与」の欄と「合計」の欄に記入します。
所得から差し引かれる金額
源泉徴収票【③所得控除の額の合計額】の数字を、確定申告書の「所得から差し引かれる金額」の「計」の欄に記入します。
また、医療費控除の明細書【⑧G医療費控除額】の数字を、確定申告書の「所得から差し引かれる金額」の「医療費控除」の欄に記入します。
最後に、申告書の指示の通り「所得から差し引かれる金額」の「合計」の数字を記入します。
税金の計算
課税される所得金額の数字は、申告書の指示の通り【所得金額の合計-所得から差し引かれる金額の合計】にて算出し、記入します。
「税金の計算」の「上の30に対する税額」の数字は、下記の所得税の速算表を基に算出します。
課税総所得額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
「課税される所得金額」=⑫4,360,000円-㉙1,959,112円=2,400,888円(※千円未満切り捨て)のため、2,400,000円
「課税される所得金額」2,400,000円は、上記の表に当てはめると、「195万円超330万円以下 10% 控除額97,500円」に該当するため、
2,400,000円×10%-97,500円=142,500円となり、そのまま142,500円の数字を記入する。
続いて、同じく「税金の計算」の「差引所得税額」の欄と、「再差引所得税額(基準所得税額)」の欄にも数字を記入します。
次に、「税金の計算」の「復興特別所得税額」の欄には、「再差引所得税額(基準所得税額)」である、142,500円の2.1%の数字を記入します。
ここでは、142,500円×2.1%=2,992円となります。
下段の「所得税及び復興特別所得税の額」の欄には、上記で算出した「基準所得税額」142,500円と「興特別所得税額」2,992円の合計金額145,492円を記入します。
「税金の計算」の「所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額」の欄は、源泉徴収票の【④源泉徴収税額】の数字を記入し、「還付される税金」の欄には、上記の「所得税及び復興特別所得税の額」から「所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額」を差し引いた金額、ここでは、145,492円-194,500円=△49,008円となり、49,008円を記入します。
ここで算出された数字の金額が、医療費控除により税務署から振り込まれる金額となります。
最後に、還付される金額を受け取るご自身の銀行口座の記入も忘れずに!
医療費控除 確定申告書【第二表】の書き方
確定申告書には、もう1枚記入が必要な【第二表】があります。
こちらも忘れずに記入しましょう。
所得の内訳
「所得の種類」は一般的なサラリーマンの場合は、給与と記入し、支払者の氏名・名称の欄には、源泉徴収票に書かれた会社名等を記入します。
また、「収入金額」の欄には、源泉徴収票の【①支払金額】の数字を、「所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額」の欄には、源泉徴収票の【④源泉徴収税額】の数字を記入します。
雑所得
一般的なサラリーマンの方で副業などない場合は記入の必要はありません。
社会保険料控除や生命保険料控除に関する事項
源泉徴収票のとおり記入します。
配偶者や親族に関する事項
控除を受ける配偶者や扶養親族を記入します。
以上で、確定申告書への記入が終了です。
医療費の明細書や源泉徴収票などをしっかりと準備しておけば、比較的スムーズに申告書を作成することができます。
よくある間違いとして、書く場所(欄)を間違えてしまうことがあるので、該当する欄に書くよう心掛けましょう。
まとめ
確定申告書まで書き終わったら、医療費の明細と一緒に管轄の税務署へ提出します。
その際に、確定申告書には源泉徴収票の添付は必須ですので、忘れないように添付しましょう。