ビジネスの場では、いろんな場面で数字と向き合うことになります。
特に販売や営業の人は、売上や原価、粗利など、理解していて当然!なことも、数字が苦手な人にとっては、簡単にいかないことも・・・。
例えば、「利益率は、どうやって計算するんだっけ?」なんて、今さら人に聞けずにどうしよう・・・orzと、悩む方もいらっしゃいます。
そこで今回は、今さら聞けない利益率や原価率などの必要最低限!身につけておきたい計算方法についてご紹介します。
利益率の計算方法は?
利益とは?
ニュースなどで「株式会社○○が過去最高益を記録」という内容だった場合、過去最高だったのは売上ではなく、最終的な儲け「利益」です。
利益とは会社にとっては「儲け」のことで、売上から費用を引いた金額が利益になります。
つまり、単純に言えば売上が多くて費用が少なければ利益は大きくなりますし、売上より費用が多い場合は、利益の反対「損失」となってしまうのです。
上記に紹介した「売上」、「費用」、「利益」の関係を式に表すと下記のようになります。
利益率とは?
会社がどの程度儲かっているのか?を表す指標を「収益性」と言います。
収益性とは、会社の大小それぞれの規模に相応しい利益額を上げているかどうかを表す指標で、その会社の大きさを表す数字として、一番使われるのが「売上」です。
会社の収益性を見るには、売上高に対してどれだけの利益が出ているかを比率で見ます。
この数字のことを「利益率」と言います。
尚、「利益率」には、売上総利益率、営業利益率、経常利益率、当期純利益率などがあります。
この利益率は、商品の仕入れや販売の際にも身につけておく必要がある知識です。
B:1つ売れると1,000円の利益が出るネックレス
上記のような2つの商品があるとします。あなたならどちらの商品を取り扱おうと思いますか?
答えは、迷わずBを選ぶ人が多いでしょう。利益が多いほうが儲かる商売ができそうです。
では、上記AとBの商品の価格がそれぞれ、
B:価格が100,000円
上記のような価格設定の場合はどうでしょう?どちらを取り扱いますか?
価格が2,500円であれば多くの人にたくさん売ることができそうですが、価格が10万円となると多くの人に売れるか悩んでしまいますね。
そして、ここでさらに「利益率」の出し方を知っていると、今度は迷わずAを選ぶ人が多くなるでしょう。
利益率の計算方法
上記の式に合わせて、AとB2つのネックレスについて考えてみます。
B:1,000円÷100,000円×100%=1%
上記のように圧倒的にAの方が利益率が高いことが分かります。
その商品が儲かる商品かどうかを見極める方法のひとつとして、商品の利益を価格で割って利益率を求めるものがあります。
Aの場合は、価格も手頃で多くの人に売れる可能性がありますし、利益率もBよりも高い。
Bの場合は、価格が高価で多くの数を売れるかは微妙ですし、利益率もAよりも低い。
上記のように商売というのは、売りやすさも大切ですが、利益率なども考慮して判断していくのが大事になってくるので、利益率などの知識もある程度は必要です。
原価率の計算方法は?
商品を取り扱う上で、「原価」についての知識も重要です。
原価は、商売の内容によってその意味合いが違うことがありますが、一般的には、商品やサービスを生産するためにかかったもともとの金額、または仕入の金額のこと。または、商品を作る(手に入れる)ためにかかる費用のことです。
原価率とは?
原価率は、売上に対する原価の割合のことで、利益率と表裏の関係にあります。
原価率の計算方法は下記の通りです。
原価率の計算方法
例えば、500円で仕入れたお肉を2,000円で売るとすると、
500円÷2,000円=25%
となり、原価率は25%となります。
値入とは?
実際の商売になると、商品を仕入れて自分で販売価格を設定して販売するという流れが基本となります。この商品の販売価格を決めることを「値入(ねいれ)」と言います。
例えば、仕入原価100円の商品を利益率20%になるように値入する場合は、100円÷(1-0.2)=125円となり、125円が販売価格となります。
値入の計算方法
ポイント
つまり、A+B=1(100%)の関係です。これにより、
A=1-Bとなります。今回の「1」とは「原価率+利益率」を指しています。
上記のように販売価格を125円にすれば、利益率20%で販売することができます。また、利益25円を価格の125円で割れば、利益率20%だと分かります。
価格(売価)の値入の計算方法には、上記の方法も含めて下記の方法でも算出できます。
価格(売価)=利益額÷利益率【利益額と利益率】
価格(売価)=利益額÷(1-原価率)【利益額と原価率】
粗利の計算方法は?
粗利とは?
ビジネスの場面でよく耳にする数字に「粗利はいくら?」といったものがあります。
粗利は、「粗利益、荒利益」とも言われ、売上高から売上原価を差し引いたものを言います。
会社の損益計算書(P/L)における「売上総利益」のことで、一般的に決算書の中でも最も重要とされる箇所です。
どうして粗利が重要とされるのか?
ビジネスの世界では、「利益を上げるためには、粗利を超える経費を使わないことが鉄則」とされており、粗利の数字がそのビジネスそのものの能力を示しているからです。
事業などは、粗利から必要経費を差し引いた数字が最終の利益になるため、粗利が多ければ多いほど、事業そのものの力があるという指標として重要視するポイントとなっています。
粗利の計算方法
売上に占める粗利の割合を「粗利率(売上総利益率)」と言います。
粗利率の計算方法
まとめ
利益や原価、粗利などはビジネスの場面では、常に必要になってくる知識です。
利益を生み出す商売だからこそ、数字の把握は必須ですので基本的な上記の知識は身に付けておきたいですね。