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いざという時に困らない!退職願・退職届・辞表の違いと円満に辞めるためのマナー

会社を退職しようと決意した際、必要になるのが退職の意思を伝える書類です。

一般的には「退職願」「退職届」「辞表」の3つがあります。

これらには、一体どのような違いがあるのでしょうか。

今回は、いざという時に困らない退職のマナーとして、それぞれの違いや使い分けについて分かりやすくご紹介します。


退職願・退職届・辞表の決定的な違いとは?

退職届

同じ退職に関する書類でも、「退職願」「退職届」「辞表」にはそれぞれ大きな違いがあります。

スムーズで円満な退職を望むなら、状況に応じて提出する書類を選ばなければなりません。

それぞれの性質をしっかりと覚えておきましょう。

1. 退職願 会社に対して「退職を願い出る(申し込む)」ための書類です。退職の意思を伝え、会社と合意を取るためのステップとして用い、会社が承認する前であれば原則として撤回できます。
2. 退職届 会社に対して「退職することを届け出る(確定事項を告げる)」ための書類です。労働者側の一方的な意思表示であり、人事権を持つ有権者に受理された後は原則として撤回できません。
3. 辞表 会社や組織に対して「辞意を表明する」ための書類です。経営層、会社の役員、または公務員が退職する際に提出するもので、一般的な会社員が使う機会はありません。

退職願と退職届、どっちを提出すればいい?

一般企業などで働くすべての労働者は、会社と「雇用契約(労働契約)」を結んでいます。

労働者が労働を提供し、会社側がその報酬として賃金を支払うという契約です。

「退職」とは、この雇用契約の終了を意味します。

契約が終了するパターンは、主に以下の3つです。

①辞職 / ②合意解約 / ③解雇

「③ 解雇」は会社側からの通知なので、労働者が書類を提出する必要はありません。

自分で辞める場合は、「① 辞職」か「② 合意解約」のどちらかを目指すことになります。

実務上のマナーとしては、まずは話し合いのスタンスを示す「退職願」を提出し、双方でスケジュールを調整する「② 合意解約」を目指すのが一般的です。

会社側が受理・承認した時点で退職が成立します。

一方で「退職届」は、労働者から確定的な退職の意思を告げる「① 辞職」の書類として使われます。

なお、法律上は書類のタイトルだけでなく、書かれている中身やその後の会社の対応によっても性質が判断されます。

「合意解約」と「辞職」の違いを深掘り

「退職願(合意解約の申し込み)」を提出した場合、会社がそれを承諾し、その決定があなたに届いた時点で契約終了の効果が発生します。

そのため、会社が承諾する前(かつ会社に不測の損害を与えない限り)であれば、退職を撤回できます。

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一方、「退職届(辞職の通知)」の場合は、会社の意思に関わらず、一方的に雇用契約を解約するという強い意思表示です。

社長や人事責任者などの有権者に書類が届き、受理された時点から、原則として撤回はできなくなります。

意思の重さや、その後の効力が発生する時期が大きく異なるため、自分の状況に合わせてどちらを提出するか決めましょう。

会社が退職を認めてくれない場合の対処法

穏便に辞めようと「退職願」を出したものの、会社がなかなか認めてくれないために困ってしまうトラブルは実際に多く存在します。

厚生労働省:個別労働紛争解決制度の施行状況の公的データでも、全国の労働局等に寄せられる相談は年間26万件を超えて高止まりしています。

その中でも「自己都合退職の引き止め」は常に上位を占めており、決して他人事ではありません。

もし会社が退職を拒否・無視する場合は、法律(民法)の規定を確認しましょう。

原則として、退職の意思表示をしてから2週間が経過すれば、会社の同意がなくても自動的に雇用契約が終了すると定められています。

【根拠法:民法第627条第1項】
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

茨城労働局:退職の申出があった際にはなどの各地域労働局の見解や過去の裁判例でも、この民法第627条は「就業規則よりも優先される強いルール(強行規定)」と解されています。

ただし、この2週間ルール(辞職)のカウントダウンを確実に始めるには、一方的な通知である「退職届」を出す必要があります。

「退職願」はあくまで会社にお願いする書類なので、会社が拒否して放置しているだけでは、2週間が経過しても自動的に退職できないケースがあるためです。

会社が話し合いに応じてくれない時は、改めて「退職届」を提出し、一方的な辞職の意思を確定させましょう。

(※この2週間ルールは正社員などの「期間の定めのない雇用」が対象です。契約社員などの「期間の定めのある雇用」は、原則として契約満了まで辞められず、即時退職にはやむを得ない事由が必要です。また、完全月給制など一部の給与形態では、法律上、退職日の計算方法が異なる場合があります)

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⚠️ 注意

引き止めがエスカレートし、「手渡した退職届を破り捨てられた」「受け取りを拒否された」という場合は、「内容証明郵便(配達証明付き)」を使って会社に郵送しましょう。内容証明郵便を使えば、「いつ、誰が、どのような書類を送ったか」を郵便局が公的に証明してくれます。会社に郵便が届いた時点で法律上の「退職の通知」が到達したとみなされるため、会社側は拒否できません。その日から2週間のカウントダウンが確実に始まります。

自己都合退職の場合、どちらを出せばいい?

自己都合退職(自分の意思による退職)の場合、「退職願」「退職届」のどちらを提出しても問題ありません。

もしあなたの退職への意思が非常に強く、会社の引き止めに応じる気が一切ない場合は、最初から「退職届」を提出して、スムーズに日付を確定させる方が確実です。

有給休暇の全消化 退職前の有給消化は労働者の正当な権利です。民法の2週間ルールを使う場合でも、残っている有給休暇をその14日間に充てることで、実質的に「出社するのは今日が最後」という形にできます。会社側は退職日を超えて有給のタイミングをずらす権利(時季変更権)を持たないため、これを拒否できません。
ボーナスを貰うタイミング 多くの会社では、就業規則に「賞与支給日に在籍していること」という条件があります。確実にボーナスを受け取るためには、必ず支給日を過ぎてから退職届を提出するか、退職日が支給日より後になるよう逆算してスケジュールを組みましょう。

退職願・退職届はいつまでに提出する?

法律上は「2週間前(14日前)」の通知で退職できますが、多くの企業の就業規則には「退職の1ヶ月前(企業によっては2〜3ヶ月前)までに提出すること」と規定されています。

これは、会社側が代わりの人材を探したり、後任への業務引き継ぎを行ったりして、組織の業務を滞らせないための現実的なルールです。

法律の「2週間ルール」は会社の就業規則よりも優先されますが、トラブルなく円満に辞めたいのであれば、まずは会社の就業規則に則った期間までに「退職願」を提出し、引き継ぎを進めて退職するのがベストです。

📌 補足

職場の環境が劣悪で、心身の健康を守るために一刻も早く退職したい場合には、法律の権利を最優先させましょう。その場合は「退職願」ではなく「退職届」を提出することで、会社の合意がなくても提出から14日前後で合法的に退職することが可能です。

🤝 【マナー】書類を提出する際の手順

書類が決まったら、渡す際のマナーも確認しておきましょう。

渡す相手 「直属の上司」に必ず手渡します。同僚に預けたり、上司を飛び越えていきなり人事部長や社長に提出したりするのは重大なマナー違反です。
切り出し方 「今お時間よろしいでしょうか」と事前にアポイントを取り、会議室など周囲の目が届かない静かな場所で二人きりで話します。
手渡しの向き 封筒の正面(「退職届」などの文字がある面)を上にし、上司から見て文字が正しい向きになるように両手で手渡します。

まとめ

退職願と退職届は似ているようですが、法律的な性質や「会社を辞められる確実性」において大きな違いがあります。

現在の自分の状況や、会社とどのような関係性で辞めたいのか(話し合いをするか、一刻も早く辞めたいか)によって、よく考えてから選ぶようにしましょう。

具体的な書き方や、横書きの場合、封筒の書き方などについては下記の関連記事をご参照ください。


【免責事項・医療に関するご注意】

本記事は、一般的な退職マナーおよび労働法上の手続きについて情報提供を行うものであり、医学的・精神医学的な診断や治療の代わりとなるものではありません。

職場のハラスメントや過度な労働環境により、心身に強いストレス、不眠、抑うつ症状などの不調を感じている場合は、決して無理をせず、速やかに心療内科や精神科などの専門医療機関を受診してください。

また、健康上の理由から即時退職が必要と医師が判断した場合、診断書の提出によって「やむを得ない事由(民法第628条)」として即日退職が認められるケースもあります。

体調の管理を最優先に考え、適切な医療機関や労働基準監督署、弁護士等の専門家へご相談ください。

  • この記事を書いた人

山崎

インターネット広告を扱う小さな会社を営んでいます。 今までの経験を活かし、ビジネスマナー・経理・手続き・税金・節税などの題材を中心に書いています。 詳しいライタープロフィールはこちら

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