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退職願と退職届と辞表の違いは?自己都合の場合は?

会社を退職しようと決意した際に、必要になってくる退職の意思を伝える書類として、「退職願」「退職届」または「辞表」があります。

これらは、一体どういう違いがあるのでしょう?

今回は、いざと言う時に困らない!退職の際のマナーとして、退職願と退職届と辞表の違いについてご紹介します。

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退職願と退職届と辞表の違いは?

退職届

同じ退職に関する書類でも、「退職願」と「退職届」と「辞表」は、それぞれ大きな違いがあります。

それにより、スムーズで円満な退職を望むのであれば、提出する書類も必要に応じて変わるため注意が必要ですので、しっかりと覚えておきましょう!

退職願について

「退職願」とは、読んで字の如く「退職を願い出る」際に用いるものです。

「退職を願い出る」とは、退職の意思を会社に伝えるもので、退職希望を表明する書類とも言えます。

退職届について

「退職届」とは、これも読んで字の如く「退職を届け出る」際に用いるものです。

退職願との大きな違いとして、退職の意思を撤回できないところで、退職願よりも強く退職の意思を表明する書類とも言えます。

辞表について

「辞表」とは、これも読んで字の如く「辞意を表明する」際に用いるものです。

「辞表」は、経営者や会社の役員や公務員の場合に用いる言葉で、それらの人が退職する際に提出する書類になるため、一般的な会社員等であれば、「辞表」を用いる機会はありません。

また、意味としては、「会社を辞める」という意味ではなく、「役目や役職を辞する」といった意味のものになります。

退職願と退職届どっちを提出すればいいの?

基本的に、一般企業などで働くすべての労働者は、会社と「雇用契約」を結んでいる形になります。

その「雇用契約」に基づき、労働者は労働を提供し、賃金を得て生活し、会社側はその労働に対して報酬を与えることを契約しています。

「退職」とは、この「労働契約の終了」を意味し、労働契約の終了には下記のパターンがあります。


①自主退職(労働者による解約)
②合意解約(使用者と労働者双方の合意による解約)
③解雇(使用者による解約)

上記の③の場合は、会社側からの意思表示ですので「退職願」も「退職届」も関係ありません。

労働者側から「労働契約の終了」を行う場合には、上記①と②のどちらかのパターンとなり、「退職願」は、法律的には、雇用契約の合意解約を申し込むことであるとされているため「②合意解約」に該当し、「退職届」は、「①自主退職」に該当するものとなります。

合意解約と自主退職の違いは?

「退職願」を提出し、合意解約の申し込みを行った場合には、会社がそれを承諾するという決定をして、その意思表示が労働者に到達した時に、雇用契約終了の効果が発生します。

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それにより、会社が承諾の意思表示をする前であれば、会社に不測の損害を与えるなど信義に反すると認められるような特段の事情がない限りは、退職を撤回できるようになっています。

逆に、「退職届」の場合は、提出した時点で、「解約(辞職)」の意思表示として効力が発生し、「効力が発生する=撤回ができなくなる」ということですので、原則として退職を撤回することはできないとされています。

このように退職と言っても下に続く「願」「届」の違いで、その意思表示の重さやその後の効力の発生の時期なども大きく違うため、自分がどちらを望むかにより、どちらを提出するか決めるようにしましょう。

会社が退職を認めてくれない場合は?

とりあえず穏便に退職しようと「退職願」を提出してしまい、会社側がなかなか退職を認めてくれずに退職ができないといったことも実際にあります。

ですが、民法の規定により、原則として退職の意思表示から2週間で辞職の効果が発生するとされているため、会社側が退職を認めてくれない場合であっても、「退職願」「退職届」どちらも提出した時点から2週間後以降であれば退職が可能となります。

退職願と退職届 自己都合の場合はどっち?

自己都合による退職とは、労働者からの申し出による労働契約解除のことです。

基本的に退職には、「定年退職」「会社都合退職」「自己都合退職」があり、自分の意思による退職は、「自己都合退職」に該当する場合がほとんどです。

「自己都合退職」の場合には、「退職願」「退職届」どちらを提出しても構いません。

上記に説明したように、「退職願」と「退職届」は、効力の発生時点が変わってきますので、退職の意思が強く、早く退職したい場合には、「退職届」を提出し、明確な意思表示を示すほうがスムーズかもしれません。

退職願や退職届はいつまでに提出すればいいの?

「退職願」「退職届」どちらも提出した時点から2週間後以降であれば退職が可能となることからも、民法では、14日前まで退職の意思表示をすればいいことになっています。

ですが、多くの企業で就業規則等には、退職の1ヶ月前までに「退職願」または「退職届」を出すように規定されていたりもします。

これは、会社側も代わりの人材を探したり、業務の引き継ぎを行ったり、会社としての業務が滞らないようにするためのルールでもあります。

基本的に、穏便にスムーズな退職を望むのであれば、会社の就業規則に則った期間にて「退職願」または「退職届」を提出し、会社の指示に従って退職するのがおすすめです。

ポイント

ですが、会社の環境が劣悪で、一刻も早く退職したい場合には、退職する14日前までに「退職願」ではなく「退職届」を提出し、最短で退職することも可能です。

まとめ

退職願と退職届は似ているようでも、大きな違いがあるものですので、状況によってどちらを提出するか、よく考えてから提出するようにしましょう。

また、具体的な書き方については、下記の記事をご参照ください。横書きの場合や封筒の書き方などもご紹介しています。

  • この記事を書いた人

山崎

インターネット広告を扱う小さな会社を営んでいます。 今までの経験を活かし、ビジネスマナー・経理・手続き・税金・節税などの題材を中心に書いています。 詳しいライタープロフィールはこちら

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