会社を退職する際に必要になる退職願や退職届。
いざ書こうと思っても、「どう書けばいいのだろう?」と疑問に思う方も多いものです。
そこで今回は、退職願や退職届の書き方について、封筒の用意や折り方のマナーなども一緒にご紹介します。
また、「退職願や退職届は手書きじゃないとダメなの?」といった、現代のビジネスシーンでよくある疑問にもお答えします。
退職願や退職届の書き方は?基本の共通ルール

退職願と退職届は、基本的にはまったく意味合いの異なるものです。
どちらを書くべきか分からない場合には、下記の関連記事もご参照ください。
まずは、退職願や退職届を書くにあたって必要な基本ルールをご紹介します。
| ・ | ① 基本 | : | 縦書き |
| ・ | ② 用紙サイズ | : | A4またはB5(※手書きの場合は便箋サイズも可) |
| ・ | ③ 用紙 | : | 白色のシンプルなものを使用 |
| ・ | ④ 罫線 | : | あり・無地のどちらでも可 |
| ・ | ⑤ インク | : | 黒色 |
| ・ | ⑥ 筆記具 | : | ボールペンなどを使用 |
| ・ | ⑦ NGのペン | : | 消せるペン(フリクションなど)は不可 |
| ・ | ⑧ 押印 | : | 原則不要(会社規定に合わせる) |
近年はデジタル化や脱ハンコの推進により、退職願・退職届への押印は原則不要とする企業が増えています。
ただし、会社の就業規則や専用フォーマットで押印が指定されている場合は、ルールに従って捺印しましょう。
退職願や退職届は基本的に個人が用意する書類ですので、決まったフォーマットがあるわけではありません。
ただし、会社によっては独自の指定書式(テンプレート)が用意されている場合もあるため、その場合は会社のルールに従って作成してください。
書き方自体はシンプルですが、シンプルだからこそ必要な項目の漏れがないように注意したいものです。
特に「日付」の部分などは、後々の退職手続きにも関わってくる重要なポイントになるため、十分確認しながら書くようにしてください。
退職願の書き方・10個のチェックポイント

退職願を作成する際は、以下の10個の項目を順番に書き進めます。
| ・ | ① 表題 | : | 中央に「退職願」と書き入れます。 |
| ・ | ② 本文の書き出し | : | 本文の書き出しは、「私事」または「私儀」を使うのが通例です。「私事」「私儀」には「わたくしごとではありますが」という意味合いがあり、行の一番下に配置することで謙虚さを表します。 |
| ・ | ③ 退職理由 | : | 退職理由は、自己都合であればどんな理由であっても「一身上の都合により」と書きます。 |
| ・ | ④ 退職日 | : | 退職日は、基本的には縦書きのため和暦で表記します。事前に上司と相談し、合意を得ている日付を書きましょう。 |
| ・ | ⑤ 本文の終わり | : | 「退職願」は「退職を願い出る(伺いを立てる)」書類になるため、「お願い申し上げます。」という結び文で終わります。 |
| ・ | ⑥ 日付 | : | 「退職願を提出する日付」を書き入れます。 |
| ・ | ⑦ 所属部署名 | : | 退職日時点での所属部署名を省略せず、正式名称で書き入れます。 |
| ・ | ⑧ 氏名 | : | 自分の氏名を書き入れます。 |
| ・ | ⑨ 押印 | : | 会社規定で必要な場合のみ捺印します。その際、シャチハタ(インク浸透印)はNGですので認印を使用し、印影がはっきりと確認できるよう押印します。 |
| ・ | ⑩ 宛名 | : | 退職する会社の正式名称と代表者名(社長名)を書き入れます。「㈱」などの省略文字は不可です。代表者名は自分の氏名よりも上にくるように配置し、最後に「様」を忘れずに書き入れましょう。 |
退職届に押すハンコは、シャチハタ以外の「認印」が必要です。
もし手元に適切なハンコがない場合や、今後の転職活動・新しい職場でも長く使える上質な1本を持っておきたい方は、ネットで手軽に注文できる高級認印がおすすめです。
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「シャチハタNG」の局面を確実にクリアでき、チタン製など耐久性の高いものを選べれば今後の転職活動や新しい職場でも一生モノの認印として長く使えます。
⚠ 注意点(デメリット)
ネット注文で名入れ(刻印)を行う場合、手元に届くまで数日〜1週間ほどかかるケースが多いです。「明日までに提出しなければならない」という急ぎの方には向きません。
退職届の書き方・退職願との2つの違い

「退職届」も基本的には「退職願」の書き方と同じですが、以下の2点だけ異なるため注意しましょう。
| ・ | ① 表題 | : | 中央に「退職届」と書き入れます。 |
| ・ | ② 本文の終わり | : | 「退職届」の場合は、すでに退職が確定している状態での届け出となるため、「退職いたします。」と断定的な形で終わります。 |
退職願や退職届を横書き・縦書きで書く場合は?
基本的には縦書きで書くのが一般的な退職願や退職届ですが、近年はパソコン(Word等)での作成や、社内システムの電子申請を導入する企業が増えたこともあり、横書きで提出するケースも一般的になっています。
それぞれのスタイルに合わせて、間違えないよう書き入れましょう。
退職願・退職届の文面フォーマット
手書きやパソコン作成の際に基準となる文面のサンプルです。
【退職願(縦書き)のサンプル】
手書き(便箋)や縦書きで作成する場合は、以下の配置イメージの通りに書き進めてください。

※縦書きは「右から左」へ読み進めます。
※「私事」の文字は、謙虚さを表すために必ず行の一番下に配置してください。
※最高責任者である社長の名前(宛名)は、自分の名前よりも高い位置にくるように書くのがマナーです。
【退職届(横書き)のサンプル】
パソコンのビジネス文書と同じ配置で上から作成します。

パソコン(Word等)で作成する場合のレイアウト設定
パソコンで作成して印刷する場合、ビジネス文書としてふさわしい以下の設定を推奨します。
| ・ | フォント | : | 基本的には「明朝体(MS明朝、游明朝など)」を使用します。ゴシック体はカジュアルな印象を与えるため避けたほうが無難です。 |
| ・ | 文字サイズ | : | タイトル(退職願・退職届)は「14pt〜16pt」、本文や氏名などは「10.5pt〜12pt」に設定するとバランスが良く見やすくなります。 |
| ・ | 余白と印刷 | : | 上下左右の余白はWordの「標準」で問題ありません。必ず白いA4またはB5のコピー用紙に、黒インクで片面印刷してください。 |
退職願や退職届の書き方 封筒はどう書く?
退職願や退職届の文書(紙)を提出する場合は、封筒に入れて提出するのがマナーです。
※なお、社内システムでの電子申請(ワークフロー)やメール提出が認められている場合は、封筒の用意は不要です。
| ・ | 表面 | : | 中央に「退職願」または「退職届」と書き入れます。 |
| ・ | 裏面 | : | 左下に自分の所属部課と氏名を記載します。 |
退職願や退職届の折り方は?
作成した退職願や退職届は、きれいに三つ折りにして封筒に入れます。
これは手紙などの基本的なビジネス文書のマナーと同じですので、しっかり身に付けておきましょう。
| ・ | ステップ1 | : | 文面を内側にして、下から3分の1を上に折ります。 |
| ・ | ステップ2 | : | 上から3分の1を下に折ります。 |
退職願や退職届の封筒への入れ方や向きは?
封筒の裏面(のりしろがある側)に対して、折りたたんだ文書の「書き出し部分(表面の上部)」が上にくるようにして封筒に入れます。
取り出したときにすぐ読める向きにするのがマナーです。
封筒は、用紙サイズに合ったもの(A4用紙なら長形3号、B5用紙なら長形4号)を用いるようにします。
小さすぎたり大きすぎたりするのはマナーとしてNGです。
「中身が透けない白封筒が手元にない」「どのサイズを買えばいいか迷う」という方は、退職マナーに完全適合した専用の「便箋・封筒セット」が便利です。
ネットでまとめ買いしておけば、買い間違いの手間がありません。
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✔ おすすめの理由(メリット)
二重封筒や郵便番号枠のない真っ白な長形封筒が揃っているため、一発でマナー通りの綺麗な仕上がりになります。手頃な価格で無駄なく準備できます。
⚠ 注意点(デメリット)
会社がシステムによる電子申請(データ提出)を採用している場合、このセットは完全に不要になります。必ず自社が「紙での提出ルール」であることを確認してから購入してください。
退職願や退職届の封筒ののりづけは必要?
退職願や退職届を上司に直接手渡しする場合は、封筒をのり付けしなくても構いません。
すぐに取り出せる状態のほうがスムーズだからです。
一方で、直接手渡しできず郵送する場合などは、しっかりと封筒をのり付けしましょう。
最近の封筒はのりシール付きのものが多いため、そういった封筒を用いる場合はしっかりと封をして提出するのが好ましいでしょう。
また、封をした(のり付けした)場合には、境目に「〆」を書き入れるようにしてください。
退職願や退職届は手書きじゃないとダメ?パソコンや電子申請でもいいの?
退職願や退職届は、かつては「手書き」が一般的でしたが、2026年現在ではパソコン作成(Word等)や、社内システムによる電子申請(データ提出)で受け付ける企業が主流となっています。
退職願や退職届は、会社と個人との雇用契約を解消するための重要な書類ですので、「本人が作成したことに間違いがない」と確認できることがもっとも重要です。
そのため現在では、パソコンで作成して印刷したものや、PDFなどの電子データによる提出であっても、本人のアカウントからの申請や直接のやり取りで確認ができれば、手書きにこだわらず受け付ける場合がほとんどです。
むしろ、読みやすさやデータ管理のしやすさからパソコン作成を推奨する企業も増えています。
会社によっては、会社指定のフォーマットが用意されていたり、クラウド上の人事システムからオンライン申請するルールになっていたりする場合もあります。
事前に会社の就業規則や提出方法を確認しておきましょう。
作成した退職願・退職届はいつ・誰に渡す?
書類が完成したら、最後に渡す際のマナーを確認しておきましょう。
| ・ | 渡す相手は? | : | 必ず「直属の上司」に手渡しします。さらに上の役職の人や、人事部へ直接持っていくのはマナー違反となるため注意してください。 |
| ・ | タイミングは? | : | 会社の就業時間内や、上司が忙しい時間帯は避けましょう。「少しお時間をいただけますか」と声をかけ、会議室などの周囲に人がいない静かな場所に移動してから手渡すのが基本です。 |
| ・ | 切り出し方のセリフ | : | 「私事で大変恐縮ですが、退職の手続きをお願いしたく、こちらをお受け取りいただけますでしょうか」と添えて両手で渡します。 |
💡 知っておくと安心な背景と法律のお話
なぜ「手書き不要」「押印不要」が一般化しているのか、その背景にある法律と最新の制度をご説明します。
退職届のハンコが「原則いらない」とされる理由
法律の面から見ると、退職の意思を伝える方法として「書面」や「押印」の義務は定められていません。
民法第540条および民法第627条により、口頭であっても辞める意思が会社へ伝われば法的に有効とされています。
また、民事訴訟法第228条第4項の規定により、書類に本人の署名(自署)さえ残っていれば、ハンコを押していなくても本人の意思で作られた正当な書類であると強く推定されます。
さらに政府が推進する「脱ハンコ」の流れに伴い、ハローワークに提出する離職証明書などの公的な手続きでも、すでに会社と労働者双方の押印は原則不要となっています。
パソコン作成・電子申請が主流である背景
現在、厚生労働省をはじめとする行政機関は、あらゆる手続きのデジタル化を強く推奨しています。
そのため、企業の雇用保険や社会保険の手続きはオンラインの「e-Gov」を通じた電子申請が完全に定着しています。
2025年1月からは、会社が電子申請した離職票を、退職者本人がマイナポータルから直接PDFデータで受け取れる便利な制度もスタートしました。
会社側もハローワークへの添付書類として「退職届をスキャンしたPDFデータ」を使うケースが非常に増えています。
こうした実務上の背景があるため、最初からパソコンで作成した書類や、社内システムでの電子申請による退職届が最も合理的で好ましいスタイルとなっているのです。
🚪 「自分で退職を切り出せない…」とお悩みの方へ
ここまで退職届の正しい書き方やマナーを解説してきましたが、「どうしても上司が怖くて切り出せない」「強い引き止めにあって辞めさせてもらえない」「ハラスメントを受けていて会社に行くことすら辛い」という方もいらっしゃるかと思います。
心身を壊してしまう前に、退職のすべての手続きをあなたの代わりに進めてくれる「退職代行サービス」を利用するのも一つの選択肢です。
✔ おすすめの理由(メリット)
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⚠ 注意点(デメリット)
サービスの利用には2万〜5万円前後の費用がかかります。また、民間業者が運営するサービスの場合、会社側と「未払い給与や退職金の交渉」を行うと非弁行為(法律違反)になるリスクがあります。有給消化や金銭的な交渉も任せたい場合は、労働組合や弁護士が運営するサービスを選びましょう。
まとめ
退職願や退職届は、会社と個人との雇用契約を解消するための重要な書類です。
それぞれに意味合いも違いますので、その違いをしっかりと把握したうえで書くようにしましょう。
退職願や退職届の違いや、どちらを出すべきか悩む場合は下記の記事もご参照ください。
また、作成する際には、日付の間違いや誤字脱字のないよう、また会社から指示がある場合は押印も忘れないよう気を付けて作成してくださいね。
【免責事項】
本記事に掲載している情報は、2026年時点の日本の民法、労働基準法、および一般的なビジネス慣習に基づき作成しています。実際の退職手続きや退職届の有効性、押印・電子申請の可否については、各企業の「就業規則」や社内規定が優先される場合があります。個別の退職トラブルや法的な判断については、必ず所属企業の専門窓口(人事部等)に確認するか、弁護士や社会保険労務士などの専門家へご相談ください。本記事の情報を用いて行う一切の行為について、当サイトは責任を負いかねます。
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