領収書を書かなければいけない場面で、正しい書き方を知らなかったり、間違った書き方で覚えてしまっていると、自分ばかりでなく領収書を渡す相手にも迷惑な結果になる場合があります。
領収書について知っているようで知らない人も多いもの。
今回は領収書を書く側の今さら聞けない領収書のマナーについて、インボイス制度への対応や電子化のルールなど、2026年現在の最新基準を交えてご紹介します。
今さら聞けない!領収書の役割と絶対に外せない「7つの基本項目」

▲ 領収書の正しい書き方(基本の記載項目サンプル)
※上記の画像は手書き領収書の基本レイアウトですが、2026年現在のインボイス制度(適格請求書)を満たすためには、⑤の発行者情報の欄に「Tから始まる13桁の登録番号」を追加する必要があります。また、内訳欄には必ず「10%や8%の対象税率」と「それぞれの消費税額」を忘れずに明記(またはスタンプ等で追記)してください。
領収書は、商品やサービスに対して、お金を支払う側が確実に代金を支払ったということの証明に、またお金を受け取った側が確実に代金を受け取ったことを証明するために発行されるもので、金銭の支払いや金銭の受領の証拠としての役割を果たしているのが「領収書」です。
領収書に記載すべき事項は、消費税法やインボイス制度(適格請求書等保存方式)で厳格に定められています。
基本的には以下に記載する7つの項目を満たしていれば大丈夫ですのでしっかりと覚えておきましょう。
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① 領収書発行日の記載 : |
| 日付の記載は税務処理上に非常に重要ですので、記載漏れのないよう注意しましょう。 |
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② 宛名に「上様」や「空欄」が嫌がられる理由 : |
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「空欄は原則しない」:厳密な金銭の授受を証明するのであれば、宛名を空欄にすることはNGです。 「『上様』との記載」:かつては宛名が「上様」でも問題なく処理されていましたが、最近では不正請求防止 of 観点から正式な宛名での記載が求められています。 「宛名を略して記載」:会社名などで「株式会社」を「(株)」と略したりすることもよく見かけますが、領収書を受け取る側の許可が得られれば略しても問題ありません。ですが、そうでない場合には略さず書くのが社会通念上の常識です。 |
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③ 金額の改ざんを防ぐ「¥」や「,(カンマ)」のルール : |
| 金額の記載は、改正や改ざんができないようにするために、記載方法にルールがあります。数字の先頭の前に「¥」または「金」を付加し、末尾には「※」「也」「―」を記載します。(※「也」を使う場合には、数字の先頭の前は「金」を用います)また、数字の3桁ごとに「,(カンマ)」を記入し、桁数を増やすなどの不正を防ぎます。 |
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④ 但し書きの記載 : |
| 支払われた代金が、どんな商品やサービスに対するものなのかを明確にするために必ず記載します。 |
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⑤ インボイス制度で変わった「登録番号」「消費税額」の書き方 : |
| 領収書を発行する発行者の住所・氏名(会社名)を記載し、認め印を押します。インボイス登録事業者の場合、発行者情報と一緒に「T+13桁の登録番号」の記載が必須です。手書きの領収書の場合は、あらかじめ登録番号のゴム印を作って押印するか、手書きで追記してください。また、現在の領収書には「10%対象:〇〇円(うち消費税〇円)」「8%対象:〇〇円(うち消費税〇円)」のように、税率ごとに区分した金額と消費税額を明記する必要があります。 |
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⑥ 収入印紙の貼付 : |
| 受取金額が5万円以上の場合は収入印紙の貼付が必要です。故意に収入印紙を貼らなかったり既定の金額相当額を貼付しなかった場合には罰金もありますので注意しましょう。 |
小売業や飲食店、タクシーなどが発行する「簡易インボイス(適格簡易請求書)」にあたる領収書であれば、税法上は「上様」や「宛名なし」でも受け取り側は経費(仕入税額控除)として処理できます。(参考:国税庁「インボイス制度について」)しかし、受け取り側の社内規定で「正式名称が必須」とされているケースが多いため、実務としては極力正確な名称を書くのがマナーです。
但し書きに「お品代として」はもう古い?税務署に認められる具体的記載例
領収書の但し書きとして、一般的に「品代として」という記載をよく見かけます。
但し書きには、「何に対して」金額の受け渡しが行われたかを証明する事項でもありますので、記載内容は重要となります。
但し書きが「お品代」の場合、何を買ったのか分からないということがあり、何に使ったのかよく分からない領収書については「使徒不明金」に該当する可能性もあるため注意が必要です。
領収書を受け取る側の許可が得られれば「お品代」としての記載も問題ありませんが、正式な領収書として認められない場合もあります。
特にインボイス制度が始まってからは、取引内容が具体的であるかどうかが厳しくチェックされます。
「お食事代として」「文房具代として」など、何に対する支払いなのかが分かるように明記するようにするのが安心です。
経費精算のギモン!領収書とレシートはどちらが正解?
結論から言うと、レシートでも基本的には問題ありません。
昔はレシートに店名や住所・品名の記載がないものが多かったのですが、今ではレシートにも店名や住所の記載はもちろん、品名についても商品名が詳しく記載されているものもあるほどです。
実はレシートの方が証拠能力が高いケースも
領収書は金銭の支払いや受領の証拠となるものですが、レシートの場合は品名の詳細など「何に対して」の取引なのかが明確なため、場合によっては領収書よりも明確な証拠文書(インボイスの要件を満たす書類)ともなります。
しかし、レシートの欠点として「宛名」の記載がなされていないという点が挙げられます。
「誰に」に対して発行されたものなのかが明確でない以上、社内の精算ルールによっては「領収書しか認めない」としているところもあるのです。
領収書を発行する側としては、領収書を受け取る側への確認をしっかりと行い、「レシート」または「領収書」どちらかの発行をするようにしましょう。
レシートと領収書の両方を発行してしまうと、不正請求(経費の二重計上など)に用いられる恐れがあります。領収書を受け取る側へ確認し、必ずどちらか一方だけを渡すようにしましょう。どちらも必要と言われた場合は、レシートのコピーを渡して原本は発行側で管理するなどの対策をとってください。
5万円以上は必須!収入印紙の貼り方と再利用を防ぐ消印マナー
領収書で一番「どうだっけ?」となりやすいのが収入印紙の貼付の場面です。
「収入印紙が必要なのはいくらからだっけ?」
「収入印紙はどう貼るの?」
など、慣れない場合には一番戸惑いも多い箇所ですので、しっかり確認しておきましょう。
なお、故意に収入印紙を貼らなかったり既定の金額相当額を貼付しなかった場合には罰金もありますので注意しましょうね。
領収書で収入印紙が必要になる金額は?(5万円の壁)
受取金額が5万円以上の場合、収入印紙の貼付が必要です[3088.html]。
金額に応じて必要な収入印紙の金額も変わります[3088.html]。
受取金額が5万円以上であっても、「税抜金額」と「消費税額」が領収書に明記されていれば、税抜きの金額が5万円未満なら収入印紙は不要になるという特例があります。(参考:国税庁「No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書」)詳しい金額の一覧や非課税のルールは下記の記事で解説しています。
収入印紙はどう貼るの?
領収書によっては、収入印紙を貼付する箇所が設けられていたりしますので、所定の箇所に貼付します。
貼付箇所が設けられていない場合には、領収書の金額記載の横など、空いている場所に貼付するようにします。
その際、日付・宛名・金額・但し書き・発行者情報などの重要項目を隠してしまわない場所に貼りましょう。
収入印紙を貼付したあとは、再利用を防ぐために「消印(けしいん)」をすることが決まりとなっています。
消印は、印紙と領収書にかけて印鑑を押したり(割り印)、または「署名」により行います。
収入印紙への消印の正しいやり方
消印(割り印)はシャチハタでも署名でもOK!
「消印はシャチハタでもいいの?」
結論からお伝えすると、シャチハタ(インク浸透印)でも問題ありません。
誰が消印するの?
最終的な文書の作成者に限らず、代理人、使用人その他の従業者でも良いことになっています。
お店などであれば、レジを担当した人(アルバイト等)が行っても問題はありません。
消印を署名で行う場合の書き方は?
署名の仕方は、氏名(ご自身のものでも構いません)を表すものでも通称、商号のようなものでも構いません。
印紙と領収書にかけて、しっかりと署名がかかるように書き入れます。
「消印」はあくまで再利用を防ぐためのものですので、その役割を成していれば問題ありません。
鉛筆や斜線はダメ?やってはいけないNGな消印
一見して誰が消印したかが明らかとなる程度に署名することが必要であり、通常の方法では消印を取り去ることができないことが必要です。

▲ 収入印紙の消印(割り印)における正しい例とNG例
通常の方法では消印を取り去ることができないことが必要となるため、以下の方法は消印と認められないため注意してください。
・鉛筆や消せるボールペンでの署名(簡単に消し去ることができるためNG)
・単に「印」と表示したり斜線を引いたりしたもの(誰が消印したのか判別しにくいためNG)
もしも手書き領収書を書き間違えたら?正しい修正・再発行手順
もし手書きの領収書で、日付や金額、宛名を書き間違えてしまった場合はどうすればいいでしょうか?
結論から言うと、「修正テープや二重線+訂正印での修正はNG」です。
領収書は金銭の授受を証明する非常に重要な書類であるため、一部でも修正されたものは取引先や税務署から「改ざん」を疑われ、正式な書類として認められないリスクがあります。
間違えた領収書には大きく「無効」または「破棄」とバツ印を書き、手控え(控え側)と一緒に破棄せずそのまま保管した上で、新しい領収書を新しく作成し直してください。
【2026年最新FAQ】電子領収書やクレジット決済なら収入印紙は不要?
Q. PDFで発行する電子領収書の場合、収入印紙は必要ですか?
A. いいえ、不要です。
メール添付のPDFや、Webシステム上で発行・ダウンロードする領収書は、印紙税法上の「課税文書の作成」に該当しない(紙として交付していない)ため、金額が5万円以上、あるいは数億円であっても収入印紙を貼る必要はありません。
電子帳簿保存法に対応したコスト削減の大きなメリットです。
Q. クレジットカード決済の領収書に収入印紙は必要ですか?
A. いいえ、不要です。
ただし条件があります。領収書の但し書きや備考欄に「クレジットカード利用」と明記されている場合のみ、5万円以上でも収入印紙は不要になります。
クレジット決済は現金の受領を伴わない(信用取引である)ためです。記載がない場合は印紙が必要になってしまうので注意しましょう。
Q. 手書きした領収書をスマホで撮影してメール送付しても有効ですか?
A. はい、有効です。
手書きした紙の領収書であっても、それをスキャンしたり写真撮影して「データ(PDFや画像)」として相手に送る場合は、受け取り側も正式な領収書として経費精算に使えます。
また、データで送る形になるため、この場合も5万円以上の収入印紙は不要になります。ただし、発行した現物の「紙」を後から郵送などで渡してしまうと印紙が必要になるため、データ送付のみで完結させましょう。
まとめ:正しい領収書の書き方でスマートなビジネスを
領収書は、金銭の支払いや金銭の受領の証拠としての役割を果たすすごく大切な証拠文書となります。
特に現在のビジネス実務においては、インボイス登録番号や税率ごとの記載など、確認すべき最新ルールが増えています。
領収書に必要な項目をしっかりと把握し、双方が安心できる正しい領収書を書くよう心掛けましょう。
### 免責事項 ###
本記事に掲載されている情報は、国税庁の公式発表および関係法令に基づき、細心の注意を払って作成しておりますが、その正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。
実際の税務処理やインボイス制度への対応にあたっては、個々の取引状況や事業形態によって解釈が異なる場合があります。具体的な実務判断におかれましては、必ず最寄りの税務署、または顧問税理士等の専門家にご相談いただきますようお願い申し上げます。
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