京都の夏と言えば「祇園祭」ですよね。
祇園祭は7月1日から31日までの約1カ月におよぶお祭りです。
1ヶ月間様々な行事が執り行われ、7月の京都は祇園祭の熱気で賑わいます。
なかでも有名なのが「山鉾巡行(やまほこじゅんこう)」です。
絢爛豪華に飾られた山鉾が夏の都大路を煌びやかに巡行します。
その姿を一目見ようと、毎年世界各地から観光客が訪れる、本当に人気の高いお祭りなんですよ。
また、山鉾の提灯にあかりが灯った夜 of 街の姿も幻想的です。
このシーズンは思わず京都へ足を運びたくなります。
今回は、子どもたちや大切な家族へ日本の良き伝統を繋ぐためにも知っておきたい情報をまとめました。
祇園祭の日程や主な行事一覧、そして絶対に見逃せない見どころを詳しくご紹介します。
参考
祇園祭を120%楽しむための必須ガイド
1ヶ月にわたり様々な神事が執り行われる祇園祭。
その中でも特に人気の高い『宵山(屋台・歩行者天国)』の満喫法は『記事1』、クライマックスである『山鉾巡行と全34基の見どころ』は『記事2』でそれぞれ詳しく解説しています。
お目当ての行事の日程をチェックして、ぜひ京都の夏を体感してくださいね。
祇園祭宵山2026日程&屋台情報!混雑を避ける3つのポイント
祇園祭山鉾巡行2026日程&34基完全ガイド!混雑を避ける3つのポイント
2026年度版!祇園祭の基本日程と山鉾の最新情報
全34基になった山鉾!復帰した「鷹山」の歴史
祇園祭の山鉾は長年「33基」とされてきました。
しかし、2022年(令和4年)に「鷹山(たかやま)」が196年ぶりに後祭の巡行へ本格復帰を果たしました。
そのため、現在は「全34基」が正式な基数となっています。
江戸時代の文政9年(1826年)に大風雨で大破して以来、巡行に参加しない「休み山」となっていました。
ですが、公益財団法人 鷹山保存会を中心とした約10年間の復興活動を経て、見事に完全修復・新調されたのです。
伝統を絶やさず次世代へ繋ぐ町衆の熱い想いには、本当に頭が下がりますよね。
祇園祭の山鉾行事は、日本の文化財保護法に基づく「重要無形民俗文化財」に指定されています。さらに、2016年にはユネスコの「無形文化遺産」にも登録されている世界的な宝物です。
前祭・後祭のスケジュールと運行ルート
日程は毎年変わらず、下記のように固定されています。
曜日だけが年によって変更になります。
| 祭区分 | 行事名 | 開催日程・時間 | 巡行ルート・会場 |
|---|---|---|---|
| 前祭 (さきまつり) |
宵山 | 7月14日~7月16日 夕刻(18:00頃)~ |
四条通・烏丸通周辺 ※15・16日は歩行者天国 |
| 山鉾巡行 | 7月17日 09:00~ |
四条烏丸 ~ 河原町御池 ~ 烏丸御池 (23基の山鉾が巡行) |
|
| 後祭 (あとまつり) |
宵山 | 7月21日~7月23日 夕刻~ |
各山鉾町周辺 (露店・歩行者天国はなし) |
| 山鉾巡行 | 7月24日 09:30~ |
烏丸御池 ~ 河原町三条 ~ 四条烏丸 (11基の山鉾が逆回りで巡行) |
前祭と後祭では、山鉾が異なるルートを進むのも特徴の一つです。
お問合せやお祭りの詳細スケジュール確認は、公式機関である公益財団法人 祇園祭山鉾連合会や、八坂神社のホームページを確認するのが一番確実ですよ。
日本伝統を体感する!祇園祭に隠された歴史と疫病退散の祈り
祇園祭の時期になると、四条通りをはじめ各町内に山鉾が立ち並びます。
「コンチキチン」の祇園囃子(ぎおんばやし)が奏ぜられて、京都の町は一色になります。
このお祭りは日本三大祭の一つにも数えられ、京都の夏の風物詩として世界中から愛されています。
そもそも祇園祭のはじまりは、平安時代前期の869年(貞観11年)に各地で疫病が流行した際、当時の国の数にちなんで66本の矛を立て、祇園の神である八坂神社に祈願した「祇園御霊会(ごりょうえ)」が起源とされているんです。
当時の人々が懸命に悪疫退散を願った祈りの形が、今もこうして受け継がれていると思うと、とても感慨深いものがありますよね。
祇園祭の山鉾行事は、日本の重要無形民俗文化財に指定されているだけでなく、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている世界的な宝物です。

初心者必見!前祭と後祭の魅力を徹底比較
「前祭と後祭、どっちに行けばいいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
それぞれの特徴をまとめたので、お出かけの参考にしてくださいね。
1. 露店が並ぶ賑やかな前祭の魅力
お祭りらしい賑やかさを堪能したいなら、前祭(さきまつり)がおすすめです。
7月15日・16日の宵山期間は四条通や烏丸通が歩行者天国になり、数多くの露店(屋台)が立ち並びます。
夜には駒形提灯に火が灯り、京都の街が一番お祭りムードに包まれる瞬間を体験できます。
2. 落ち着いて屏風や山鉾を愛でる後祭の魅力
人混みを避けて、静かにじっくり楽しみたいなら後祭(あとまつり)が最適です。
後祭の宵山(7月21日〜23日)では、歩行者天国や露店の出店がありません。
そのため、小さなお子様連れのご家族やシニア層の方でも、安全にそぞろ歩きを楽しめます。
各町内の旧家が家宝を公開する「屏風祭」も、落ち着いて鑑賞することができますよ。
カレンダーで見る祇園祭の主要な神事・行事一覧
7月1日から1カ月間にわたり執り行われる祇園祭の、主な行事スケジュールです。
お祭りの無事を祈る「吉符入り」から「くじ取り式」まで
|
7月1日~18日:吉符入り(きっぷいり) : |
| 各山鉾町で祭神を祀り、祭りの無事を祈願する神事です。長刀鉾では稚児らの名前を書いた吉符を神前に納めます。 |
|
7月2日 10:00~:くじ取り式 : |
| 京都市役所(または京都市議会議場)にて、山鉾巡行の順番を決めるくじを引く大切な儀式です。 |
|
7月10日 16:30~21:00:お迎提灯(見学可) : |
| 神輿洗式の神輿を迎えるための神事です。武者姿など趣向を凝らした行列が祇園周辺を巡行します。 |
|
7月10日 18:00~:神輿洗式(見学可) : |
| 八坂神社から四条大橋へ向かい、中御座神輿を鴨川の水で清める神事です。この水にかかると厄よけになると言われています。 |
|
7月10日~14日:前祭 山鉾建て(見学可) : |
| 各山鉾町で山鉾の組み立てが始まります。釘を一本も使わずに縄だけで組み立てる伝統技法「縄絡み(なわがらみ)」は職人技です。懸装品(けんそうひん)で飾られる前の美しい骨組みを見られるのはこの期間だけです。 |
|
7月12日~13日:前祭 山鉾曳き初め(見学可) : |
| 本番に向けて試し引きを行います。一般の人や観光客も一緒になって山鉾を引くことができる貴重な機会です。 |
|
7月17日 16:00~:神幸祭 神輿渡御出発式(見学可) : |
| 八坂神社から御旅所へ向けて3基の神輿が出発します。四条石段下での「差し上げ」は必見です。 |
|
7月18日~20日:後祭 山鉾建て(見学可) : |
| 後祭に向けて11基の山鉾の組み立てが始まります。復活した大船鉾や鷹山が形作られていく様子にも注目です。 |
|
7月20日~21日:後祭 曳き初め(見学可) : |
| 組み立てた後祭の山鉾を、本番さながらに試し曳きします。 |
|
7月21日~23日:後祭 宵山 屏風祭(見学可) : |
| 後祭の宵山期間中にも、各山鉾町で美しい美術品の一般公開が行われます。 |
|
7月23日 深夜:あばれ観音(見学可) : |
| 南観音山で行われます。観音像を布で神輿に縛り付け、激しく揺らしながら町内を3周する一風変わった神事です。 |
|
7月24日 09:30~:後祭 山鉾巡行(見学可) : |
| 11基の山鉾が巡行する後祭のハイライトです。前祭とは逆回りのルートを巡ります。復活を遂げた「大船鉾」や「鷹山」の巡行は圧倒的な見応えです。 |
|
7月24日 10:00~:花傘巡行(見学可) : |
| 子供神輿や花傘、馬長稚児など、約1000人もの華やかな行列が八坂神社から京都市役所までを巡行します。 |
|
7月24日 御輿出発17:00~:還幸祭(見学可) : |
| 御旅所に留まっていた神輿が八坂神社へと還る神事です。前祭の神幸祭に比べると少し落ち着いて見られます。 |
|
7月25日 10:30~:狂言奉納(見学可) : |
| 八坂神社にて、茂山忠三郎社中の人々によって狂言が晴れやかに奉納されます。 |
|
7月28日 祭典18:00~/神輿洗19:30~:神輿洗式(見学可) : |
| すべての役目を終えた神輿を四条大橋で清め、八坂神社へと戻します。 |
|
7月31日 10:00~:疫神社夏越祭(見学可) : |
| 八坂神社境内の疫神社で、大きな茅輪(ちのわ)をくぐって厄を払う、祇園祭の締めくくりの神事です。 |
これだけは見逃せない!祇園祭のおすすめ見どころ5選
お祭りの期間が1カ月もあるので、初めて行く方は「どこを見ればいいの?」と迷ってしまうかもしれませんね。
たくさんある行事の中から、特に家族みんなで体験してほしい、おすすめの見どころを厳選してご紹介します!
見どころ①:子供たちの装束が微笑ましい「お迎提灯」
神輿洗式を終えた神輿を迎えるための神事で、八坂神社から京都市役所までを巡行します。
参加するのは主に地域の子供たちです。
船鉾の囃子方が奏でる華やいだ祇園囃子にのって、武士の姿や小町踊り、鷺舞いなど趣向を凝らした衣装で一生懸命に練り歩く姿は、本当に微笑ましくて心が温まります。
色とりどりの装束を眺めるだけでも十分に楽しめますよ。
見どころ②:浴衣でそぞろ歩きを楽しみたい「前祭 宵山」
山鉾の駒形提灯にパッと灯がともり、祇園囃子の心地よい音色とともに京都の街が祭り一色の賑やかなムードに包まれます。
特に7月15日・16日の2日間は四条通りや烏丸通りが歩行者天国になり、たくさんの露店が立ち並びます。
道路いっぱいに人が溢れて、「これぞ日本の夏祭り」という活気を肌で感じることができます。
この時期にいろんな山鉾をまわって参拝したり、厄除けの「粽(ちまき)」やお守りを買い求める方も多く、各山鉾町はとても賑わいます。
夕方の少し早い時間から出掛けて、夕日が沈む中で駒形提灯が幻想的に浮かび上がる風景をじっくり楽しんだ後、夜の露店をぶらぶらと歩くのがおすすめです。
浴衣を着てうちわを手に、風情を感じながらそぞろ歩きをするのも素敵ですね。
見どころ③:ユネスコ無形文化遺産「山鉾巡行」の辻廻し
お祭りの最大のハイライトです。
前祭では、長刀鉾を先頭に23基の豪華な山鉾が都大路を堂々と進みます。
これらは国の重要無形民俗文化財、そしてユネスコ無形文化遺産にも登録されている世界的な宝物なんです。
一番の注目スポットは、やはり重さ約10トンもある大きな山鉾を、交差点で90度方向転換させる「辻廻し(つじまわし)」。
車輪の下に敷いた竹に水を撒き、音頭取りの合図とともに男たちが力を合わせて一気に引きずる姿は、息をのむほどの迫力です。
古成京都にふさわしい、優美で力強い巡行姿は一見の価値があります。
見どころ④:神様本来のお祭りである「神幸祭」の差し上げ
祇園祭といえば山鉾巡行や宵山が目立ちますが、八坂神社本来の最も大切な神事はこの「神幸祭」なんです。
一番のおすすめは、18時過ぎ頃に八坂神社西楼門の石段下に三つの神輿が勢揃いする「神輿渡御出発式」。
担ぎ手である輿丁(よちょう)たちが「ホイット、ホイット」という凄まじい掛け声とともに、神輿を高々と担ぎ上げる「差し上げ」を行う時の熱気は最高潮に達します。
山鉾巡行の雅な姿とは一転して、男たちの力強い熱気と一体感に、見ていて鳥肌が立つほど感動してしまいます。
石段下は大変人気で場所取りが必須なため、山鉾巡行を見終えたら早めにこちらへ移動する方も多いですよ。
見どころ⑤:女性や子供が主役の華やかな「花傘巡行」
後祭の巡行と同日の午前中に行われます。
傘鉾や馬長稚児、子供神輿に加えて、織物組合や芸妓・舞妓さんたちによる華やかな行列が街を練り歩きます。
女性や子供たちが中心となった優美で色彩豊かな行列は後祭の日にしか見られないため、ぜひご家族で目に焼き付けてくださいね。
【2026年版】山鉾の「粽(ちまき)」ご利益まとめと購入のコツ
祇園祭のお土産や厄除けとして欠かせないのが「粽(ちまき)」です。
これは食べるものではなく、玄関先に吊るして病気や災難を防ぐお守りなんですよ。
欲しいご利益で選ぶ山鉾マップ
粽はどの山鉾でも同じではなく、実はそれぞれの山鉾にちなんだユニークなご利益があるんです。
|
長刀鉾・大船鉾など : |
| 「疫病除け」「災難除け」(定番の一番強いお守りです) |
|
保昌山(ほうしょうやま) : |
| 「縁結び」(恋愛成就を願う方に大人気!) |
|
蟷螂山(とうろうやま) : |
| 「学業成就」「商売繁盛」(カマキリのからくりが目印です) |
|
郭巨山(かっきょやま) : |
| 「金運向上」「財運」(お財布に入れたいご利益ですね) |
WEB予約必須の山鉾も?現地で慌てないための買い方対策
大人気の長刀鉾や函谷鉾など、一部の山鉾では混雑緩和のため「オンラインでの事前予約制(特設サイトでの受け付け)」を取り入れるケースが増えています。
また、注意点として、前祭と後祭では購入できる粽(山鉾)が完全に異なります。
現地に並べば必ず買えるとは限らず、人気の高い山鉾の粽は宵山の早い段階で売り切れてしまうことも日常茶飯事です。
事前に各山鉾保存会の公式サイトなどをチェックし、予約が可能なものはあらかじめ申し込んでおくのが、当日に慌てないための賢いコツです。
辻回しの正面を確保!有料観覧席・プレミアム席の購入方法
山鉾巡行や大迫力の「辻回し」を、場所取りのストレスなく特等席でじっくり鑑賞したい方には、京都市観光協会などが販売する「有料観覧席」の利用がおすすめです。
席の種類は主に以下の2つが用意されています。
|
一般席 : |
| 椅子に座ってじっくりと巡行を鑑賞できます。 |
|
プレミアム観覧席 : |
| 1席数万円〜数十万円する豪華な特別席です。伝統工芸品を用いた贅沢な空間で、冷たいドリンクや、専門家による詳細なリアルタイム解説を聴きながら鑑賞できるとあって、遠方からの観光客に大変人気を博しています。 |
これらのチケットは、例年「6月頃」から一般販売が始まります。
辻回しが正面で見られる御池通の席などは毎年またたく間に完売してしまうため、購入を検討されている方は京都観光Navi(京都市観光協会)の公式情報をこまめにチェックしておきましょう。
烏丸御池駅が穴場!交通規制を避けるアクセスナビ
お祭り期間中、特に前祭の歩行者天国(7月15日・16日)は京都市内中心部が凄まじい大混雑となります。
そのため、車での移動は絶対に避け、地下鉄や電車の利用に絞って移動計画を立てましょう。
|
地下鉄「四条」駅・阪急「烏丸」駅 : |
| 山鉾の中心地のため、駅の構内から出られないほどの混雑になることがあります。 |
|
地下鉄「烏丸御池」駅(おすすめの穴場) : |
| 主要な混雑エリアから一駅離れているため、比較的混雑が緩やかです。ここから山鉾町エリアへ向かって南へ歩くルートをとると、スムーズにアクセスできておすすめですよ。 |
当日は大幅な交通規制が敷かれますので、事前にしっかりとルートを確認してお出かけくださいね。
まとめ|伝統の夏祭りを安全に楽しむための熱中症対策
京都の夏を彩る「祇園祭」。
前祭の宵山期間には、数日間で延べ20万〜30万人以上の人々が訪れ、街中がものすごい熱気に包まれます。
千百余年もの間、人々の祈りと健やかな暮らしへの願いを乗せて受け継がれてきた古き良き伝統を、ぜひ肌で体感してみてくださいね。
大人から子供まで、みんなの心に深く残る素晴らしい夏の思い出になりますように。
7月の京都は盆地特有の、非常に厳しい酷暑となります。
お祭りを安全に楽しく過ごすためにも、「帽子や日傘」を必ず持参し、「こまめな水分・塩分補給」を心がけてください。混雑から離れ、涼しい建物内での休憩を意識的に挟むなど、熱中症対策を万全にして特別な京都の夏を楽しんできてくださいね。