食中毒種類一覧
「食中毒」といってもその原因となる物質や感染源も様々で、それに合わせて症状も違ってきます。

食中毒に関しては、それぞれの発症原因に合わせた対処法が大切ですので、正しい知識を身に付けておきたいものですね。

今回は、【食中毒の基礎知識】食中毒の種類や特徴&発生時期についてご紹介します。

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食中毒の種類一覧 特徴や発生時期は?

食中毒というと梅雨時期や夏に多いイメージがありますが、実は1年を通じて発生しています。食中毒を引き起こす原因には、大きく分けて3つ「細菌」「ウイルス」「自然毒」があります。
  • ウイルス性食中毒
    ウイルスが原因となる食中毒で、ウイルスに汚染された食品や感染者を媒介にして付着したウイルスが口に入ることで引き起こされます。

    細菌性と違い気温が低く乾燥すると活発に活動するため、冬に発生のピークを迎えるのが特徴です。

  • 細菌性食中毒
    細菌が原因となる食中毒で、食中毒の70%以上を占めます。細菌の多くは、高温多湿を好むものが多く、この食中毒を引き起こす細菌が食品の中に混入・増殖したものを食すことによって発生します。

    細菌性のなかでも種類によって「感染型」と「毒素型」に分類されます。

  • 自然毒食中毒
    自然毒は、フグや毒キノコなど有毒成分を含む動植物を食べることで引き起こされる食中毒です。

    動物性ですと「フグの毒」、植物性であれば「毒キノコ」などが有名です。それ以外にも、ジャガイモやトリカブト、アジサイなどもあります。

    これらの有毒成分を含む動植物を食べることで引き起こされるものを自然毒食中毒といいます。

    自然毒は、「植物性」と「動物性」のものがあります。

食中毒の多くが上記の3つに分類されますが、種類によっては下記のようなものもあります。
  • 化学性食中毒
    食品の生産・加工・保存・流通および消費の過程で、食品内に外部から混入したり、 食品内で生成する有害物質のうち、化学物質によって引き起こされるものを化学性食中毒といいます。
  • 寄生虫食中毒
    獣肉や魚や生水に寄生している虫によって引き起こされるものを寄生虫食中毒といいます。
食中毒分類01
食中毒の大部分を占める「細菌性食中毒」「ウイルス性食中毒」ですが、それぞれの細かな種類や特徴について下記にご紹介します。

ウイルス性食中毒

ウイルス性食中毒の原因のほとんどは「ノロウイルス」といわれており、他には乳幼児に多く見られる「ロタウイルス」があります。

ノロウイルス

  • 発生時期
    秋~春先(10月~3月頃)にかけて多発
  • 主な感染経路
    ほとんどが経口感染
    カキなどの2枚貝の生食
    調理者の手洗いの不十分などによりウイルスを含んだ食品や水から感染
    感染者の便や吐物に触れた手を介する接触感染
  • 特徴
    少ないウイルス量で発症する。
    食品中では増殖しない。(ヒトの体内に入り込んだ後、腸のみで増殖する)ヒトからヒトに感染(便、吐物)する。
    死滅には85度で1分以上の加熱が必要

ロタウイルス

  • 発生時期
    春先(3月~5月頃)にかけて乳幼児を中心に多発
  • 主な感染経路
    ほとんどが経口感染
    ウイルスに汚染された食品の飲食
    感染者の便や吐物に触れた手を介する接触感染
  • 特徴
    乳幼児期(0~6歳頃)にかかりやすい病気で、乳幼児のほとんどが感染する。
    症状が長引いたり、合併症などにより時に重症化することがある。
    ヒトからヒトに感染する(便、吐物)   
    予防接種(任意・有料)がある。

細菌性食中毒

多くの細菌性食中毒は梅雨時期から夏場(6月~8月)に多く発生しています。これは細菌が最も繁殖する温度が37~40℃であることから、細菌が食材や食品内で繁殖しやすいためです。

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尚、「細菌性食中毒」の中には「感染型」「毒素型」があり、それぞれ種類も違ってきます。

感染型

細菌に感染した食品を摂取し、体内で増殖した細菌が病原性を持つことで引き起こされる食中毒のことです。

代表的な原因菌としてサルモネラ・腸炎ビブリオ・病原性大腸菌などがあります。

毒素型

食品内で細菌が生成した毒素を摂取することで起こる食中毒で、代表的な原因菌として黄色ブドウ球菌・ボツリヌス菌などがあります。

細菌性感染型食中毒の主な種類と発生時期&特徴は?

食中毒菌名 主な原因物質等 発生ピーク 特徴
病原性大腸菌 井戸水、魚介類や肉類など多種の食品に幅広く生息。 梅雨時から夏場(6~8月) ◆発症例の違いから5種類に分類される。
◆少量の菌でも発症する。
◆よく知られるO157は、ヒトからヒトへの感染もある。
サルモネラ菌 家畜や人、下水など広範囲に生息。 梅雨時から夏場(6~8月) ◆汚染された家畜の卵や食肉。それらが加工された食品からの感染率が高い。
◆熱に弱いため加熱処理で予防可能。
◆少量の菌でも発症する。
腸炎ビブリオ菌 塩分を好むため海水に生息。 夏場(7~9月) ◆海水温度が20度以上になると増加傾向にあるため、夏場に水揚げされた魚介類のほとんどが汚染されていると考えられている。
◆夏~秋にかけて発症が増える。
◆真水では生息できないため水道水で十分に洗えば予防可能。
カンピロバクター菌 食肉(特に鶏肉)、飲料水、ペットなどあらゆる動物にも常在。 梅雨時から夏場(6~8月) ◆生食を避け、十分に加熱することで予防可能。
◆少量の菌でも発症する。
ウェルシュ菌 大量調理などで加熱不十分な調理品、水や土壌など 季節を問わず発生 ◆嫌気性菌で、大量調理などで酸素が少ない状態で増殖しやすい。
赤痢菌 飲料水、海産物(特に貝)、生野菜など 季節を問わず発生 ◆熱に弱く、65℃程度の加熱で死滅する。
◆毒素に関しては80℃で10分の加熱が推奨されている。
コレラ菌 飲料水、海産物(特に貝類、エビ)など 高温多湿時期 ◆ヒトの体内の腸で増殖する。
◆日本での感染よりも海外での生モノの摂取での感染が多い。
エルシニア属菌 食肉・加工品(特に豚肉)、乳・乳製品など 冬場(12~2月) ◆耐熱性はないので低温殺菌で十分に殺菌可能。
リステリア・モノサイトゲネス菌 乳製品、生ハムなどの食肉加工品、スモークサーモンなどの魚介類加工品など 梅雨時から夏場(6~8月) ◆4℃以下の低温や、12%食塩濃度下でも増殖。
◆70℃の加熱で死滅可能。

細菌性毒素型食中毒の主な種類と発生時期&特徴は?

食中毒菌名 主な原因物質等 発生ピーク 特徴
黄色ブドウ球菌 人の皮膚や下水などに生息。 夏期(6~9月) ◆ヒトの手を介した常温食品の摂取での感染が多い。(例:おにぎり、弁当など)
◆この細菌は食中毒の原因となるだけでなく、おできやにきび、水虫等に存在する化膿性疾患の代表的起因菌でもある。
◆健康な人でものどや鼻の中などに高率で検出され、動物の皮膚、腸管、ホコリの中など身近にも存在する。
セレウス菌 土壌細菌のひとつ。土壌・水・ほこり等自然環境に広く生息。 夏期(6~9月) ◆「下痢型」と「おう吐型」の2つのタイプに分類されるが、日本では「おう吐型」がほとんど。
◆米飯、焼き飯、パスタなど米や小麦を原料とするものに圧倒的に多い。
ボツリヌス菌 嫌気性菌で、熱に強い芽胞を形成。酸素のない状態になっている食品(缶詰、ビン詰め、レトルトなど)が原因となりやすい。 夏期(6~9月) ◆ボツリヌス菌の芽胞は土壌に広く分布しているため、 食品原材料の汚染防止は困難。
◆新鮮な原材料を用いて洗浄を十分に行うことである程度抑えられる。
◆低温保存と食べる前の十分な加熱も重要。

まとめ

食中毒菌といっても数多くありますので、発生が増える時期にはそれに合わせた注意が必要です。

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