両親が高齢になってきて、これから介護を必要とするかもしれない。

そんな時に知っておきたいのが「介護保険制度」

介護保険はなかなか仕組みが理解できなくて戸惑う人も多いかもしれません。

でも、今後利用する時のために、仕組みや概要&受けられるサービスなど基本情報を抑えておくだけでも安心ですよ。

介護保険仕組み

今回は、介護保険の基礎知識として、介護保険とはどういうもの?仕組みや概要は?受けられるサービスとは?についてご紹介します。

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介護保険とはどういうもの?仕組みや概要は?

介護保険は、制度を運営する保険者を市町村、制度に加入する被保険者を40歳以上の国民すべてとして、介護は家族だけでなく、社会全体でささえていくという仕組みのもと、社会保険方式によって2000年にスタートしました。

そもそも社会保険って?

保険の仕組みが公的な制度として初めて導入されたのは、1883年にドイツではじまった疫病保険法(医療保険)だとされています。

このような国や行政による保険制度のことを社会保険制度といいます。

日本では、1922(大正11)年に制定された健康保険法が最初で、現在は、「年金・医療・労災・雇用・介護」の5つの社会保険制度があります。

保険は「共助」

介護保険制度は、「保険」の仕組みを用いた社会保障制度のひとつです。

「保険」は、たくさんありますが、基本的な仕組みは同じで、同じリスクを抱えた人々が原資を出し合い、それを組織で管理・運用し、規定された事故が起こった場合に補償を行う「共助」の仕組みになっています。

保険者と被保険者の関係

この「共助」のシステムを管理し、保険者を集め、給付を行う組織のことを「保険者」といい、介護保険制度では、「市町村」がこれにあたります。

また、保険料を払い、その見返りとして保険事故が起こったときに給付を受ける人が「被保険者」といい、介護保険では原則として40歳以上の人達ということになります。

保険者と被保険者の関係

保険者と被保険者の関係

なぜ被保険者は40歳以上?

本来、介護保険制度は「国家レベルでの介護に関する助け合いのしくみ」のため、被保険者が年齢で区切られるべきものではありませんが、介護保険制度の創設当初は、「介護」という問題をすべての人達が身近な問題として受け止めていた状況にはなく、議論の末、強制適用の枠を40歳以上とし、自分の親に介護の不安が出てくる年代以上を被保険者としたわけです。

尚、制度改正が行われるたびに、この被保険者の枠がどうあるべきか?の議論が繰り返されているのが現状です。

介護保険の被保険者の条件は?

介護保険を利用できる被保険者は2つに区分されています。

●第1号被保険者:65歳以上 市町村内に住所のある人で要介護・要支援認定を受けた人

●第2号被保険者:40歳以上65歳未満 市町村内に住所のある人 医療保険加入者で老化が原因とされる病気で介護や支援が必要となって人のみ。

介護保険制度の第1号・第2号被保険者の条件は上記のとおりですが、国籍の要件はなく、外国籍であっても日本に在留資格があり住民登録をしていれば適用の対象となります。

尚、生活保護受給者の一部は例外的に医療保険に加入しないこととなっているため、その場合、40歳以上65歳未満の者は介護保険の被保険者とはなりません

医療保険に加入していない生活保護受給者は「介護扶助」で介護サービスが受けられます。

介護保険料の支払いは?

第1号被保険者(65歳以上)の年金生活者は原則、年金から天引きされています。

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保険料基準額は全国平均で5,514円(2015年度)となっています。

40~64歳までの第2号被保険者は、加入している健康保険や国民健康保険の保険料と同時に納付する仕組みになっています。

尚、運営は各市町村なので、保険料はそれぞれの地域ごとに異なります。また、保険料は年金額や収入によって段階が設けられています。

保険給付について

保険には、「保険事故」が定められており、この保険事故が起こったときのみ保険給付が受けられます

介護保険制度での保険事故は、「要介護・要支援状態」であり、その確認は「要介護認定」で行われます。

保険給付は、大きく分けて、現金で補償する給付(金銭給付)と、なんらかの物品やサービスを給付(現物給付)する場合があります。

民間の生命保険であれば保険金が前者で、医療保険制度では医師による治療や看護、処方薬など、介護保険では介護サービスが後者にあたります。

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介護保険制度を利用するには?

介護保険の保険給付を利用するためには、まずは要介護認定を受けなければなりません

要介護認定とは?

介護保険における保険事故は「要介護状態等」といい、その確認手続きを「要介護認定」といいます。

介護保険の介護サービスを利用するには、まずはこの要介護認定を受ける必要があります。

要介護認定の手順や流れを下記にご紹介します。

申請
介護保険サービスは、「自己申告制」なので、利用者本人か、家族が市区町村の窓口へ申請手続きをする必要があります。

まずは市区町村に所定の申請書を提出します。

この時、第1号被保険者の場合は、介護保険被保険者証を、第2号被保険者は医療保険被保険者証を添えて提出する必要があります。

申請してから認定結果が出るまでは30日ほどかかるので、できるだけ早い段階で申請手続きをするほうがスムーズです。

尚、本人の状態によっては、介護認定が下りない場合もあり、その時は介護保険サービスは受けられない場合もあります。

認定調査と主治医意見書
申請を受けた市町村は、認定調査を実施するとともに主治医意見書を取得します。

認定調査は、市区町村から専門の調査員が自宅や病院を訪問し、本人や家族と面接し、聞き取り調査を行います。このとき、法令で定められた心身の状態等に関する調査(85項目)が行われます。

主治医意見書も法令で定められた書式があり、市町村が医師に依頼をします。

審査・判定
市町村は法令で定める手順に従い、認定調査の結果から「1次判定」と、介護認定審査会による「2次判定」を行います。

介護が必要とされる人は、要介護1~5に認定され、介護サービスを受けられます。

介護状態になりそうな人は、要支援1、2に認定され、介護予防サービスを受けられることになります。

各要介護状態・要支援状態の区分は下記の図をご参照ください。

要介護状態・要支援状態の区分

●要支援1:介護は必要ないものの生活の一部に支援が必要な状態。介護サービスを適応に利用すれば心身の機能の改善が見込まれる。

●要支援2:要介護1と同様の状態ではあるものの、介護サービスを適応に利用すれば心身の機能の改善が見込まれる状態。

●要介護1:立ち上がりや歩行が不安定。排泄や入浴などに部分的な介助が必要な状態。

●要介護2:立ち上がりや歩行などが自力では困難。排泄・入浴などに一部または全面的な介助が必要な状態。

●要介護3:立ち上がりや歩行などが自力ではできない。排泄・入浴・衣服の着脱など全面的な介助が必要な状態。

●要介護4:日常生活のうえでの能力の低下がみられ、排泄・入浴・衣服の着脱など全般に全面的な介助が必要な状態。

●要介護5:日常生活全般について全面的な介助が必要な状態。意思の伝達も困難となる状態も含む。

2次判定の結果を市町村が認定することで要介護認定は完結します。

尚、認定の結果には有効期限が設定され、継続的に介護サービスを利用する場合は、有効期限が切れる前に再度申請手続き(初回と同様)を行い、要介護認定の更新をすることが必要となります。

通常は申請から30日以内で認定結果が出されます。また、このとき、認定の有効期間は申請日にさかのぼって有効となります。

    介護サービスを利用するとき

    要介護・要支援と認定されると、介護保険による介護サービスが利用できるようになります。

    • 居宅サービスを利用するとき
      自宅で介護サービスを利用するには、原則として、居宅サービス計画(ケアプラン)が必要となります。

      このケアプランは自分で作成することも可能ですが、作成が難しい場合で要介護1~5の場合は居宅介護支援事業者に、要支援1、2の場合は地域包括支援センターに依頼することができます。

      尚、ケアプラン作成は全額が保険でカバーされます。

    • 介護保険施設や認知症グループホーム・特定施設などを利用するとき
      直接、それぞれの施設などに連絡し、利用・入居の相談を行います。

      介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の場合は、市町村によって行政窓口で調整を行う場合があります。

      尚、介護保険施設(介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護療養型医療施設)の利用は、原則的に要介護1~5の認定を受けた場合に限られます。

    介護サービスの利用の流れ

    まとめ

    介護保険の仕組みや利用する際の流れや手順についてご紹介しました。

    介護は、近い将来誰もが直面する日本の国家的問題として近年、重要視されています。

    自分の親や身近な人のためにも、介護について基本的な知識を身に付けておくことは、これからの生活のなかで重要なことかもしれません。

    いざという時に慌てないよう、受けられるサービスはうまく活用できる術を見に付けておきたいものですね。