サッカーの試合を見ていると、一人で1試合に3点取ると「ハットトリック達成です!!」といった実況を聞きます。
どうして一人で1試合に3点取るとハットトリックというのでしょう?
今回は、知っているようで知らない素朴な疑問!ハットトリックの意味や由来についてご紹介します。
ハットトリックの意味や由来とは?
「ハットトリック」は、英語で書くと「hat trick」となります。
文字通り、「hat」 は、ふちのある帽子のことで、「trick」は、芸当・技・手品などの意味があります。
「帽子と手品・・・??」がハットトリックとどう結びつくのでしょう?
ハットトリックはクリケットが起源
ハットトリックは、もともと、クリケットというスポーツで生まれた言葉です。
クリケットは、野球の起源といわれているスポーツで、ルールが野球に似ています。
クリケットの試合は1チーム11人の2チームで行い、それぞれが交互に守備と攻撃(打撃)を1回ずつ行います。
クリケットの世界の競技人口はサッカーに次いで第2位といわれており、日本では野球のほうが馴染みがありますが世界的には人気の高いスポーツとなっています。
クリケットでは、3本の杭(スタンプ)とそれを上部でつなぐ梁(ベイル)で構成されるウィケットと呼ばれる柱状のものが刺さっています。
※参考:日本クリケット協会
投手は、20メートル程度離れたところにある、このウィケットを直接倒すと、打者をアウトにできます。
しかし、打者は簡単にそうはさせまいと、ウィケットの前に立ちはだかって、バットでボールを打ち返します。
クリケットは野球と似たルールですが、攻撃側が有利なため、クリケットで打者をアウトにすることは野球よりも難易度が高く、クリケットでアウトを一つ取るのは、かなり大変なことなのです。
ところが、その昔、あるクリケット大会で、一人の投手が、たったの3球で三人の打者をアウトにしてしまいました。
アウトを一つ取るのにも大変苦労するクリケットで、たったの3球で立て続けに3つのアウトを取ったことに観客は大変驚きました。
観客たちは、興奮しながら「信じられない!まるで手品でも見ているようだ!!」と、帽子を脱いで、その投手を褒め称えました。
それから、クリケットの試合で、3球でアウトを3つ取ることを「ハットトリック」というようになったのです。
上記のように、スポーツでよく使われる「ハットトリック」という言葉は、クリケットからはじまったものなのです。
その後サッカーなど他のスポーツでも用いられるようになりました。
サッカーでも1試合に一人で3点以上取ることは、クリケットのハットトリックと同じように大変難しいことなので、「ハットトリック」と呼ぶようになったのです。
ポイント
なお、1試合に一人で6点を挙げることは「ダブルハットトリック」と呼ばれます。
まとめ
「ハットトリック」は、トップレベルのプロの試合であるほど、大変難しく、達成した際には、大変名誉なことなのかもしれませんね。