数字の「0」。
先日子どもから「「ゼロ」?「レイ」?どっち?」
と聞かれ「えっ(゚ー゚;A!?」となってしまいました。
みなさんは「ゼロ」?「レイ」?どう読んでいますか?
普段は、どちらも使っているように思いますが、どのように使い分けているのでしょう?
今回は、知っているようで知らない素朴な疑問!「0」は「ゼロ」「れい」どっちで呼ぶのが正しいの?違いってあるの?についてご紹介します。
「0」は「ゼロ」「0」をどっちで呼ぶのが正しいの?
「0」とは、そのものがまったく存在しない、「無」を表しています。
実は、「0」には、「ゼロ」と「れい」の二種類の読み方が存在します。
「ゼロ」と「れい」の違い
「ゼロ」は、英語の「zero」のことで、「無」や「全く存在しないもの」「何もないこと」という意味です。
現在では、「0」は当たり前のように使われていますが、昔の人々にとっては想像すらできない概念でした。
そのため、この数字の「0」という概念は、数学の歴史のなかでは比較的新しいものになります。
昔、人間にとって「自然数」が数のすべてでした。
羊が3匹いる、木が4本生えているなど、自然数は「ものを数える言葉」を起源として、1,2,3,4・・・という数を使うようになっていったといわれています。
つまり、「物がある」という概念を量的に表そうとしたのが数であり、「物がない」という概念は「無い」という言葉で充分だったのです。
そのため、昔の人間は「何もない状態=「0」」という数を必要としなかったのです。
「0」の概念はインドが発祥で、5世紀頃とされています。
それが後にヨーロッパへと伝わりアラビア数字として誕生しました。
その読み方として「ゼロ」と名付けられたのです。
この「0」により数の世界は大きく変わりました。
例えば、それまで分数で表していたものを小数で表せるようになったり、「0」を基準として、「正の数」、「負の数」という発想が生まれたり、「0」の概念は人類の発展にも大きく影響を及ぼしたのです。
一方の「れい」は、上記の「ゼロ」とは違ったニュアンスが含まれています。
「れい」は漢字にすると「零」と書きます。
「零細企業」などの単語にも使われるように、「零」には、「ほんの少し」という意味が含まれており、「無」であることではありません。
「零」という字は「雨」と「令」を足したもので、もともとは「小雨」を意味する漢字でした。
その意味がだんだんと崩れていき「少しだけ」という意味を持つようになったのです。
「0」は「ゼロ」「れい」どっち?
NHKことばの研究では下記のように書かれています。
ただし、「無い」ということを強調する場合や、固有の読みが決まっている場合は「ゼロ」を使うこともあります。
<例>
海抜ゼロメートル地帯
死亡者(死亡事故)ゼロ
ゼロ歳児
零<ゼロ>戦
ゼロシーリング
「ゼロ歳児」については、1回は必ず「1歳未満の乳児」と言うか、場合によっては,「(お)誕生日前の赤ちゃん」などと言い添えをしたほうがわかりやすいでしょう。
(ことばのハンドブックP100、295参照)
https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/gimon/062.html
「0」は「ゼロ」「れい」どちらも使いますが、用途に応じて使い分けが必要ということになります。
ちなみに、天気予報のニュースをよく聞いていると、降水確率を表す際に必ず「0(れい)パーセント」と読まれています。
降水確率0%は雨がまったく降らないと思っている人もいるかもしれませんが、降水確率は10%刻みで、5%未満が0%、5%以上15%以下が10%となり、0%(れいパーセント)と読むのは、「まったく雨が降らないわけではない」という意味があるためです。
まとめ
「0」は「ゼロ」と「れい」の二種類の読み方が存在し、それぞれに使い分けが必要なんですね。
普段は、当たり前のように使っている言葉も、その意味や起源などを知ると、使い方などにも注意が必要なこともあるんですね。