毎年のように台風のニュースが聞かれる日本。
最近では、異常気象の影響もあり、台風が発生する時期も梅雨前に発生したり、10月頃にも発生したりと、昔の感覚ではいられないようになってきています。
そもそも、日本は毎年のように台風による被害がある国ですが、なぜ日本は台風が多いのでしょう?
今回は、台風の発生する時期や、名前の由来など台風に関する基礎知識をご紹介します。
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台風日本はなぜ多いの?
まずはじめに台風の定義をご紹介します。
台風とは、熱帯または亜熱帯低気圧が、発達して最大風速17メートル以上になったものを「台風」と呼びます。
気圧や台風の目が形成されているなどは関係ありません。
また、台風は上空の風に流されて動き、地球の自転の影響で北へ向かう性質を持っています。そのため、通常東風が吹いている低緯度(赤道に近い主に熱帯地域)では、台風は西へ流されながら次第に北上し、上空で強い西風(偏西風)が吹いている中緯度(日本のような真ん中あたりにあるような主に温帯地域)・高緯度(北極や南極に近い主に寒帯地域)に来ると台風は速い速度で北東へ進んでいくのです。
日本はなぜ台風が多いのか?については、日本の地理的要因が大きく関係します。台風の原型である「低気圧」。日本の南東の海上では、台風の卵とも呼べる熱帯または亜熱帯低気圧が数多く発生・発達しやすい場所でもあるので、その発生した台風が、上空の風の流れに乗って日本に上陸するのです。
台風発生の日本の時期は?
日本に上陸する台風は、8月、9月にかけて一番多くやってきます。
しかし台風は、夏場だけではなく、春や秋・冬にも発生しているのです。
日本の南、赤道に近い南の熱帯の海では、強い太陽が照りつけ、気温が高い状態が続いていて、1年中台風はできているのです。ただ、季節によって風の流れが違ってくるので、この付近に吹いている東風にのってフィリピン、中国南部やベトナムの方へ行ってしまうことが多いので、日本へはあまり上陸しないのです。
そして夏になると、日本は太平洋高気圧が強まり、この高気圧が南から日本を覆うように強まります。
夏真っ盛りの時期は、この太平洋高気圧が日本を覆っているので、大きな壁のような役割を果たしていて台風がやってきても日本に近づけない状態になっています。
でも、夏の終わりにかけて、この太平洋高気圧が弱まってくると、太平洋高気圧の北の縁に沿って北東へ進む時に日本列島に近づくことが多くなり、日本に台風が来やすい状態になるのです。
冬になると、日本は冷たい寒気の層(冷たい空気)に覆われるので、台風はまた来られない状態になるのです。
このように、台風は1年中発生しているのですが、日本には、夏の終わりの太平洋高気圧が弱まった頃にしか、台風が来やすい状態ができないため、その時期に集中して台風が上陸するのです。
日本は台風が多いような気がしますが、国レベルで見れば、東南アジアや中国・台湾も台風が来やすい国なのです。
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台風の仲間
世界中の熱帯の海では、台風と同じような熱帯低気圧が発生しています。そしてこの発生したものを、北太平洋や北大西洋で発生したものは「ハリケーン」。インド洋で発生したものは「サイクロン」と呼ばれています。
どれも発生する場所が違うだけで、強い風と雨をもたらすところは同じですが、呼び方が違うのです。
台風の名前の由来は?
台風には、気象庁が毎年1月1日以降、発生した台風を「第1号」とし、順に「第2号、3号・・・」と発生順に番号をつけています。
台風には従来、アメリカが英語名(人名)を付けていましたが、2000年から、北西太平洋または南シナ海の領域で発生する台風には、同領域内のそれぞれの国の台風委員会(日本他14カ国等が加盟)があらかじめ決めた、その国の言葉での名前を用いるようになりました。
この、140個の名前を順番に用いて、その後は再び1回目の名前に戻り再び順番を繰り返す形です。台風の年間発生数の平年値は25.6個ですので、おおむね5年間で台風の名前が一巡することになります。
なお、台風の名前は繰り返して使用されますが、大きな災害をもたらした台風などは、台風委員会加盟国からの要請を受けて、その名前を以後の台風に使用しないように変更することがあります。
ちなみに、日本語名に関しては、昔、航海士が正座を基に方角を知ったことから星座名をつけています。
Tembin(テンビン・てんびん座)に始まり、Yagi(ヤギ・やぎ座)、Usagi(ウサギ・うさぎ座)などが日本の順番時には呼ばれることになるのです。
まとめ
日本は、その地理的要因からも、台風が来やすい国でもあります。
最近では、異常気象の影響で、季節外れの台風も数が増えてきています。備えあれば憂いなしではないですが、台風が多い国であることを認識して、備えるようにしましょう。