雨が多い季節になるとよく見かけるようになるカタツムリ。
ある日、子どもに「カタツムリとナメクジは一緒でしょ?」と聞かれました。
あなたはこの質問にきちんと答えられますか?
実はカタツムリとナメクジは似てはいますが、まったく別の生き物です。
今回は、子どもに聞かれても慌てない!カタツムリのお話をご紹介します。
カタツムリとナメクジの違いは?
「カタツムリの殻をとるとナメクジになる」と思われている人も多いんですが、カタツムリとナメクジはまったく別の生き物です。
まず、カタツムリは、軟体動物で、肺のある陸貝、いわゆる陸に生息する巻き貝の一種なのです。
頭に2対の触角があり、長いほうの先端に目があります。しかし、この目は明暗の区別しかできません。
また、血管が網状に集まって、肺の働きをする外套腔(がいとうこう)で呼吸をします。雌雄同体で、土の中に卵を産みます。
そしてナメクジは、ナメクジ科に属する軟体動物です。
体は円筒状で、頭部はカタツムリに似て、2対の触角があります。
後方の大触角の先端に目があります。右側の触角の後方に空気呼吸をする穴があります。ナメクジも雌雄同体です。動物の中で例外的に、食物繊維であるセルロースを消化することができます。
カタツムリとナメクジは見た目はとてもそっくりなんですが、体の構造は違う生物で、似て非なる生き物なのです。
カタツムリの殻を取ったら?
「カタツムリの殻を取ったらナメクジになるの?」とよく言われることもあるのですが、カタツムリは殻を取ってしまうと死んでしまいます。
カタツムリの殻は、体から染み出した石灰分で作られており、体の一部なのです。
カタツムリはアワビやアサリなどと一緒の巻貝の仲間なので、アワビなどと同じで貝の殻を無理やりこじ開けて身を剥がすと死んでしまうのと同じことなのです。
カタツムリの殻は背負っているわけではなく、血が通っている体の一部なんですね。
その証拠に、殻に傷がついた場合には、時間とともに治ることもできるんです。
ヤドカリなどのように殻を背負っている生き物の場合は、殻が傷ついたら殻を捨てて新しい殻にお引越しなどをしたりもしますが、カタツムリは殻も自分の体なので、捨てることはできないので、自分の治癒力で修復するんです。
ポイント
ですので、カタツムリの殻を取ってもナメクジにはなりませんし、ナメクジが成長してもカタツムリにはなりません。
とっても似ている生き物ですが、ここが大きな違いなのです。
カタツムリの寿命は?
カタツムリは世界に2万種、日本に700種のカタツムリがいるとされています。種類によって寿命は大きく異なりますが、その寿命に関しては詳しいことはわかっていません。
一般的に私達が梅雨の時期などに見るカタツムリは、3~5年程生きるようです。
でも自然界でのカタツムリの場合は、敵も多いのでそんなに生きることは難しく、あくまで飼育されているカタツムリの寿命になります。
まとめ
カタツムリとナメクジは似てはいますがまったく別の生き物なんですね。
カタツムリはその形状からなのか、子どもにとって、不思議な興味をそそる生き物のひとつ。
実際に、梅雨の時期にカタツムリを捕まえて、夏の自由研究としてカタツムリの生体について観察するのもおもしろいかもしれませんね。