体内に水分がたまることで引き起こされる「むくみ」。
足のむくみや手のむくみ、顔のむくみなど、むくみは体の至るところで起こる可能性があります。
特に女性は、男性に比べて「むくみ」やすいといわれ、むくみに悩んでいる方はとても多いものです。
むくみを引き起こす原因は様々ですので、むくみを解消しようと思っても適切な対策をとらないといつまでたっても治らないなんてことも…
そこで今回は、むくみの原因や原因別の解消法&効果的な予防法についてご紹介します。
むくみの原因は?
朝起きて鏡をみると「顔がパンパンに腫れている…」
仕事終わりで足がパンパンに腫れあがって「朝履いてきた靴が履けない…」
手がむくんで「つけていた指輪が外せない…」
なんて、体にむくみが出て嫌なことや悪いことはあっても、良いことはひとつもありません。
むくみが出る場所は違えど、むくみが引き起こされるのは、体のある部分に水分が溜まっているからなんです。
そして、体に水分が溜まっているということは、【細胞が栄養&水分不足になっている】状態とも言えます。
と言われても「どういうこと?」となりますので、まずはむくみのメカニズムについて下記にご紹介していきます。
むくみが出るメカニズムは?
上記でもご紹介しましたが、むくみは体内のある部分に水分が溜まることで引き起こされる症状です。
医学的には「浮腫(ふしゅ)」と呼ばれ、細胞と細胞の間に水分が溜まっている状態をさします。
ここでいう水分というのは、【組織間液(血漿(けっしょう)・リンパ液)】という液体でのことで、血球のない(赤くない)血液のことをいいます。
組織間液とは…組織間液とは細胞と細胞の間にある液体のことで、血管から細胞へ、細胞からリンパ管へと行き来します。
血管内にある時は【血漿】と呼ばれ、リンパ管の中にあるときは【リンパ液】と呼ばれます。
血漿(けっしょう)とは…血漿とは、血液中にある血球を除いた液体のことです。
血漿の役割は、血管内を巡り栄養や老廃物を運ぶなどの役目を担っています。
リンパ液とは…静脈に沿って走っているリンパ管を流れる液体で、老廃物の回収や免疫機能を担っています。
むくみは、この組織間液が細胞と細胞の間の「間質(かんしつ)」に溜まった状態のことを言います。
この組織間液(水分)が間質に溜まるのは、全身の血液やリンパ液の巡りが悪いことが主な原因とされています。
特に、リンパ管は血管のように収縮や拡張する運動機能を持っていないため、リンパ液は、血管運動や筋肉運動に頼らざる負えないため、体が冷えて血管運動が低下したり、運動不足などで筋肉が弱っていると、たちまちリンパ管の流れは悪くなってしまいます。
また、むくみを放っておくと代謝がドンドン悪くなっていきますので、加速度的に太りやすい体になってしまいます。
代謝とは?
むくみを放っておいて代謝しにくい体になると、食べた栄養素を変換できず、脂肪となって体に蓄積されやすくなってしまいます。
しかも、代謝しにくい体になると細胞内の栄養や水分がにじみ出てしまいやすくなるため、細胞は栄養&水分不足になり老廃物を排出する力がドンドン失われるので、むくみやすく太りやすい体になってしまうんです。
このように、細胞と細胞の間に水分が溜まったり、細胞が栄養&水分不足になるには、様々な原因がありますので下記に詳しくご紹介していきますね。
むくみが引き起こされる主な原因は?
暑い時は、血管を広げて熱を逃がし、寒い時は血管を収縮させて熱が逃げないようにしたりなど。
しかし、自律神経のバランスが崩れることで、体温調節機能が低下し、血液のめぐりが悪くなり、体に溜まった老廃物などを回収できずにむくみの原因になります。
特に女性の多くは冷え症になりやすいので注意が必要です。
血管から流れ出る水分(組織間液)は、浸透圧(濃度の薄い水分が濃い水分に引っ張られる)の作用によって引き起こされます。
そして、この水分濃度は食べたり飲んだりした栄養素が関係しています。
通常私たちの体は、ナトリウムとカリウムのバランスが取れた状態になっていますが、外食やファーストフードなど塩分の多い食事を摂ることが多い方は注意が必要です。
塩分の多い食事を摂りすぎることによって体内のナトリウム濃度のバランスが崩れると浸透圧の関係で、細胞間に水分がにじみ出てしまい「むくみ」の原因になってしまうのです。
また、ダイエットなどで「タンパク質」を制限してたりいる場合も注意が必要です。
血液の中のタンパク質が少なくなると、低たんぱく血症になってしまう場合があるからです。
低たんぱく血症になると、血管が水分をキープできなくなり、水分がにじみ出てしまい、むくみの原因になります。
さらに、低たんぱく血症になると、腎臓でナトリウムを回収して排出する力が低下するため、結果ナトリウムが体に残りむくみの原因になってしまいます。
また、ビタミンB1不足になると体の代謝が落ちるので血液循環の力が弱まり老廃物などを回収できずにむくみの原因になってしまいますので、普段の食事に気をつけなければなりません。
血液中の水分バランスが乱れることで、血管の外に水分が漏れ出してしまいますのでむくみの原因になります。
また、水分摂取が少ないと、血液がドロドロになるので、体内の水分のめぐりが悪くなり、老廃物の排出なども上手くいかないのでむくみの原因になります。
ただし、だからと言って水分摂取をしすぎると、今度は体内の水分濃度が薄くなるのでむくみの原因になります。
ですので、寝ているときは、起きているときに比べて血液の巡りが低下してしまいます。
寝すぎで、この状態が長く続くことで顔やまぶたなどに水分が溜まりむくみの原因になります。
自立神経の乱れることで、血液の巡りが悪くなりますのでむくみの原因になります。
むくみには、心疾患・肝疾患・内分泌性疾患・肝硬変・ホルモンバランスの乱れなど【病気が原因】の場合もありますので、【病気が原因】の場合は、治療が必要になりますので医療機関を受診して下さい。
それでは、下記に【生理的な原因】によって引き起こされるむくみの原因別の解消法についてご紹介していきますね。
むくみの原因別の解消法は?
『冷え症』と聞くと、手足が冷たいなどの症状を想う浮かべる方も多いのではないでしょうか。
もちろん、手足の冷えも『冷え性』のひとつですが、それだけではありません。
典型的な『冷え症』の症状は、自力で体温調節ができなくなり、自律神経が乱れ、体温調節を行う血管運動の調整がきかずに、血液のめぐりが悪くなってしまうことなんです。
ですので、冷えが起こると同時に、血液のめぐりが悪くなり、ほぼ同時にむくみが発生してしまうという悪循環が起こってしまいます!!
ですので、体の冷えを改善することで血流を改善し、むくみも自然と改善されていきます。
運動不足で筋肉量が不足するとそのポンプ機能が低下し、血液の巡りが悪くなってしまい、栄養や老廃物をなどをうまく運ぶことができなくなります。
特に、ふくらはぎは『第2の心臓』ともいわれ、重力によって足に下がった血液やリンパ液を上に押し上げる役目としてとても重要なんです。
本格的な運動でなくても、階段をつかう・1駅歩く・少し早歩きするなど生活の中に簡単に取り入れられる運動をすることでも改善されます。
特に、ファーストフードやラーメン、スナック菓子などは塩分量が多いので食べすぎにはNGですよ^^
また、アルコールは利尿作用が高いため、飲んだ水分量よりも排出する水分量が多くなってしまい、体内が水分不足になりやすくなります。
ですので、寝る前などにしっかり水分補給をするのも有効ですよ。
水分摂取を減らすことによって、体内の水分濃度が濃くなることでバランスが乱れ、反対にむくみを促進させてしまうこともあります。
だからと言って、水分を過剰摂取すると体内の水分濃度が薄くなりバランスを乱してしまい、むくみの原因になってしまいます。
重要なのは、水分は適量を飲んで、適量の尿を出すことです。
1日当たりの水分摂取の目安としては、個人差はありますが食事を含めて1.5~2.0Lが目安と言われています。
1.5~2.0Lの水分を取れば、同じぐらい尿として排出されます。
そして、体内の水分を巡らせることで崩れていた水分バランスを整えることができ、自然とむくみが解消されるはずです。
ポイント
適度な睡眠をとることで、自律神経のバランスを整えると、血液の巡りも改善され自然とむくみが改善されていきます。
ですが、これは一時的なものがほとんどですのでそれほど気にすることはありません。
ただし、生理前などの一時的なむくみも、明らかに体のサイズが変わってくる、顔つきが変わって見える、体が重く感じるなどひどい場合があります。
その場合は、栄養不足や運動不足など、他の要因でむくみやすい状態のところに、女性ホルモンの変動が加わり、体が振り回されてしまっていることも考えられます。
ですので、バランスの取れた食事や適度な運動、十分な睡眠など生活習慣を見直すこと改善される場合が多いものです。
自律神経が乱れることで血液のめぐりが悪くなったりむくみの原因になるということは、上記でも少しご紹介しましたが、過度なストレスを感じ続けている場合も自律神経を乱す大きな原因になります。
自律神経は、交感神経(緊張)と副交感神経(緩和)を繰り返すことでバランスを取っています。
しかし、過度なストレスを感じている場合は、交感神経が優位に立つ緊張状態がついてしまい、自律神経のバランスを崩してしまいます。
適度にリラックスするなど、ストレスをため込まないようにしましょう^^
年齢を重ねることで引き起こされるむくみの原因は、基礎代謝の低下です。
基礎代謝が低下することで、体の中で熱が作られにくくなるため冷えの原因になり、血液のめぐりが悪くなり、老廃物の排出も低下し、むくみにつながってしまいます。
若いころのように何もしなくても代謝が上がることはありませんので、定期的に運動をして筋肉をつけて基礎代謝をあげたり、マッサージを行って代謝の促進を促したりすることでむくみが改善されていきます。
また、運動やマッサージだけでなく、食事や睡眠など生活習慣の改善も必要になってきますよ^^
薬は、その成分が血液を通して全身をめぐり効果を発揮させます。しかし、そのことによって血液中の成分バランスが崩れてしまうことがあります。
基本的にどの薬でも、副作用でむくむ可能性がありますが、用法用量など医師の指示を守ればそれほど気にすることはありません。
ただし、鎮痛剤などに含まれる非ステロイド性抗炎症剤などは、体質によってむくみを引き起こす場合もありますので、同じ薬を飲んだ後むくむようであれば、医師に相談して薬を変えてもらうことも必要になってきます。
「体質だから仕方ない…」と諦めてしまうことはありません。完全にむくみを取り除くことはできないかもしれませんが、
など毎日の生活の積み重ねで改善することはできます。目安としては、「足の裏が床面にべったり付く高さから、さらに少し低めにする」です。
座面の高さが高いと、太ももの裏を広範囲で圧迫しやすいので、血液のめぐりが滞りやすく、むくみやすいと言われています。
また、一日中立ち仕事の場合は、重力によって血液が下に溜まりやすくなりますので、適度に屈伸やつま先の上げ下げをするなど、簡単な運動で筋肉の収縮を促すと血流が改善されます。
栄養不足や塩分の摂りすぎにならないように食生活を見直したり、適度な運動で血流を改善したり、睡眠不足やストレスをため込みすぎないなど普段の生活を少し気をつけるだけで、【生理的な原因】によるむくみはガラリと改善されることがありますのでお試しくださいね^^
むくみの効果的な予防法は?
むくみは、むくみが出てから解消するよりも事前に予防しておくほうが実は何倍も楽なんです。
そこで、むくみに悩まされないための予防法を下記にご紹介していきます。
むくみを予防するためには、入浴はとても効果的な方法なんですよ!
ゆっくり入浴することで、体がポカポカ温まり汗がジワ~っと出てきます。
入浴することで体を温めると、血管を拡張させ血液の巡りを促進させます。血管運動が活発になれば、リンパ管も刺激されますので体内の水分(組織間液)の巡りが良くなります。
また、入浴時にかかる水圧によって血液の巡りさらに加速してくれますし、浮力を得ることで体にかかる負担を軽減し、筋肉や関節を休め体をリラックスさせることでさらに血液の巡りを促します。
体内の水分(組織間液)の巡りが良くなることで、代謝も上がりますので栄養や老廃物の運搬も活発になりますので、お肌ツヤツヤでデトックス効果も高まります♪
尚、入浴で体を温めると「体の冷え」も改善されるとともに、体もリラックスできゆっくり眠りにつくこともできます。
というように、入浴はまさに良いことだらけなんですよ^^
また、湯船から出たり入ったいりを繰り返す「交代浴」をすることで、さらに血行が良くなります。
交代浴は、血管を開いたり閉じたりを繰り返すことで、お風呂から上がったとも血液の巡りが良い状態が続きます。
交代浴のコツは、最初に数分湯船に浸かって、髪を洗った後、体を洗った後のように2~3回程度出たり入ったりを繰り返すと効率的です。
特に、お風呂上りなど体が温まっている間に行うとより効果的です。
ストレッチをする時のコツは下記の通りです。
■呼吸は止めない
■イタ気持ちいいところで止める
■10~20秒程度キープする
ストレッチは正しいフォームでするのがいいのですが、一番大切なことは筋肉が伸びている感覚を味わうことですので、あなたが気持ちいいと感じる方法で行ってもOKです。
一度にたくさんのリンパ液を体に流すのであれば、お腹にあるリンパ節に溜まったリンパ液を流す方が実は効率的なんです!
お腹(横隔膜の下側)には、足と腸管からリンパ液が集まる【乳び槽】と言われるリンパ液のプールがあります。
乳び槽は直に触れられないため腹式呼吸で横隔膜を上下させることでリンパ液が胸管に押し出され、リンパの流れが促されるのでむくみ予防に効果があるとされています。
また、腹式呼吸はむくみ予防だけでなく下記のような様々な効果が期待できます。
例えば…
◆お腹のインナーマッスルが鍛えられるのでダイエット効果や腰痛改善なども得ることができます!
◆腹式呼吸は、副交感神経を刺激しますので、リラックスしやすくなります。
◆腸を刺激することで、腸のぜん動運動を促進させますので、便秘解消や美肌効果を得ることもできます♪
◆自律神経のバランスを取ることができるので、免疫機能が上がり風邪など病気になりにくくなります。
などなど…
では、正しい腹式呼吸のやり方を下記にご紹介します。
①背筋を伸ばして、楽な姿勢を取ります。
※椅子に座っても仰向けに寝ても、どちらでもOK(^^♪
②息を吐くことから始めます。
※今入っている空気を抜いて、腹式呼吸の準備を行います。
③お腹(横隔膜)に意識を集中し、鼻から息を吸いこみお腹を膨らませます。
④吸ったときの1.5~2倍くらいの時間をかけて、お腹に溜まった息をすべて吐ききるように口からゆっくりと息を吐きます。
※息を吐くときにおへそを背中につけるイメージで、お腹を凹ませると効果的です♪
⑤最初は10回程度でOK。慣れてきたら回数を増やしたり、時間を伸ばしたりしましょう!
たった1つの運動で様々な効果が生まれる腹式呼吸はとってもおすすめなんですよ^^[/su_box]
カリウムは、昆布やわかめなどの海藻類や、納豆、じゃがいも、バナナ、豆類などに多く含まれています。
朝にバナナを食べたり、海藻サラダや納豆などを普段から摂っているとむくみ予防にとても有効です。
ただし、だからと言ってカリウムばかり摂取していると腎機能が低下することがありますので、バランスよく食事することが大切です。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、むくみの原因や原因別の解消法&効果的な予防法についてご紹介しました。
一時的なむくみは、時間が経つと基本的に治まったりするものですが、だからと言って放っておいても、体にとってプラスになることはひとつもありません。
あなたに合った解消法を実践することで、むくみを遠ざけることもできますよ♪