厚生労働省の調査によると5人に1人が「不眠」に悩んでいるという驚きの結果が出ています。
現代社会に生きる私達にとって「睡眠」に関する悩みは、今や切り離せない問題にもなっているのです。
特に、近年急速に問題視されているのが「ブルーライト」による睡眠への影響です。
「たかが睡眠」と甘く見ていたら、あとで後悔することにもなりますよ。
今回は、現代の睡眠不足の原因「ブルーライト」が睡眠に及ぼす影響や改善策についてご紹介します。
睡眠不足の原因とは?
「睡眠」は人間の身体の機能のなかでも大切な役割を担っています。
睡眠はなぜ必要なの?
日本睡眠学会によると、睡眠の役割として下記の4つがあることが分かっています。
人間の脳は、常に活発に活動していて、沢山のエネルギーを消耗しています。
体の疲れは横になったりすることである程度回復できますが、脳は睡眠によることでしか休息が取れません。
脳のなかでも、意識や知能、記憶など特に大きな役割を担う知的活動を行う「大脳」は、睡眠不足に最も弱いと言われています。
そのため、脳は必然的に睡眠を取り「生きるために眠る」のです。
昔から「寝る子は育つ」といいますが、脳が深い眠りに入る「ノンレム睡眠」時に特に多く、この成長ホルモンが分泌されることもわかっています。
この成長ホルモンは、子供が成長するために必要不可欠な物質ですが、大人にとっても、細胞の新陳代謝を促して、細胞の再生・修復をする働きがあるため、非常に重要な役割を担っているのです。
ウイルスなどの病原菌など外部から侵入してくる異物から身体を守るために作られる抗体の産生など、体が持つ抵抗力や免疫力を高める働きがあるのです。
「記憶」の中には、情報を取り出す「知識としての記憶」だけでなく、自転車の乗り方やスポーツ技術の向上などの「手順記憶」も存在します。
それらの「記憶」は一時的なものではなく長期記憶として脳に定着させる必要があり、この記憶の形成に睡眠が大きく関わっているのです。
この人間の体にとって大事な生理現象でもある睡眠ですが、なぜ「睡眠不足」などが起こってしまうのでしょう?
睡眠不足の原因は?
多くの人を悩ませる睡眠不足の原因は、一概に言えないのが現状で、人それぞれ違います。
主な原因として下記のようなものが挙げられます。
心理的な要因によるもの
人は、不安や緊張があると眠れなくなることがあります。仕事のストレスや対人関係のストレスといった、過度なストレスが睡眠不足の原因となる場合があります。
身体的な要因によるもの
身体の病気や症状が睡眠不足の原因となるものです。
外傷や関節リウマチなどの痛みを伴う疾患や、湿疹や蕁麻疹などの痒みを伴う疾患、さらには喘息や頻尿、花粉症などによる睡眠を妨げる症状などが原因となるものです。
これらは、病気や症状を緩和・治療することで改善が図れます。
精神医学的な要因によるもの
不安や抑うつなどの精神や神経の病が原因によるものです。
これらが原因のものは、専門医師に相談して適切な治療が必要な場合があります。
薬理学的な要因によるもの
服用している薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こるものです。
カフェインやニコチンには覚醒作用があるため、寝る前に取ると眠れなくなることがあります。
また、アルコールを寝る前に飲むと、夜中に目覚めやすくなります。
生理学的な要因によるもの
時差ボケや受験勉強・職場の勤務シフトなどによる生活リズムが乱れることで起こるもので、眠ろうとする機能が低下し、体内リズムが乱れることが原因となるものです。
加齢によるもの
加齢により、体内の様々な機能が衰えてきます。睡眠機能もそのひとつで、入眠時間が遅くなり、眠りが浅くなり、昼夜のメリハリがつきにくくなります。
また、体内時計が前進して早寝早起きになる傾向があります。
環境によるもの
寝具が合っていなかったり、音や光が気になったり、温度や湿度が快適でないなどの要因が原因となる場合があります。
生活習慣によるもの
運動不足や食生活の乱れなどによる基本的な生活習慣が乱れていることによって起こるものです。
上記のようなこと原因で、睡眠不足が引き起こされることがあります。
そのなかでも、近年特に問題視されているものとして、「生活習慣によるもの」のひとつでもある「スマートフォンを含む携帯電話の長時間の使用」による睡眠への影響です。
ブルーライトが睡眠に及ぼす影響とは?
厚生労働省が「寝る前スマホ」に警鐘
2014年に厚生労働省が11年ぶりに「睡眠指針」を改定することを発表しました。
厚生労働省によると、スマートフォンの普及を踏まえ「寝床に就いた後に携帯電話を使ったり、ゲームをしたりして活動すると夜型化を招く」と警鐘を鳴らしています。
近年急激な普及によって、若年層にも使用が広がっているスマホや携帯は便利な反面、健康な睡眠を脅かす存在にもなっているのです。
なぜ「寝る前スマホ」はダメなのか?
基本的には、スマホや携帯がダメというわけではなく、スマホや携帯画面から出る「ブルーライト」が問題視されているのです。
人間の体には「メラトニン」という「睡眠ホルモン」の一種により、正常な体内時計を保っています。
メラトニンが体内時計に働きかけることで、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用があるのです。
また、このメラトニンは眠りを誘うほかに、抗酸化作用によって細胞の新陳代謝を促したり、疲れを取ってくれるために、病気の予防や老化防止にさまざまな効果を持つと考えられており、注目されているホルモンのひとつでもあります。
人間の睡眠にとって大切な「メラトニン」なんですが、ブルーライトが夜、長時間目に入ると、「メラトニン」の分泌が抑制されてしまい、体の生活リズムをコントロールする体内時計が狂うとされているのです。
ブルーライトと睡眠の深い関係とは?
ブルーライトは太陽の光と近い性質があります。そのため寝る直前にスマホなどを見ることで、脳が「今は起きている時間」と誤認識してしまい、通常眠りに入るべきリズムが「覚醒」へと働いてしまうのです。
一般的に、若い人ほど眼の水晶体が透き通っているため、ブルーライトによる影響を網膜に受けやすいとされています。
また、睡眠のパターンがまだできあがっていない成長段階の子供が、ブルーライトの光を浴びることによって、睡眠のリズムそのものを崩してしまうことで、生育に対する影響など様々な問題を含んでもいるのです。
睡眠リズムを崩すと悪循環に!
- 夜:寝つきが悪い
- 朝:目覚めが悪い
- 昼:眠気で勉強や仕事に影響
若者や子供に限らず、大人にとっても睡眠リズムを崩すことは、仕事や生活への影響など様々な悪循環がもたらされるため危惧されているのです。
睡眠不足の原因でもあるブルーライトへの改善策は?
寝る前にスマホは見ない
少なくとも就寝前2時間ほどはスマホやパソコンなどを使わないようにすることが大事だと言われています。
就寝前2時間というと、慣れない場合は長時間に感じますが、まずは「意識すること」が大切ですので、夜のスマホいじりなどは極力控え、徐々に時間を延ばしながら行うのもいいかもしれません。
また、小さなお子さんがいるご家庭などは、お子さん任せにせず、きちんと親御さんが管理してあげるのが一番かもしれませんね。
画面の明るさを調整をする
スマートフォンなどの明るさを1/3程度にすることで、ブルーライトの影響も必然的に減ります。
画面にブルーライト対策フィルムを貼る
画面を保護するシートにも、ブルーライト対策のものが多く出ています。明るさ調整が面倒な場合には、シートを貼って対策するのもおすすめです。
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ブルーライトカットメガネを使用する
「PCメガネ」として、ブルーライトをカットするメガネが販売されています。「JINS PC」や「Zoff PC」などテレビでもCMされていましたね。
度が入っていないものですと、ネットでも購入可能ですし、店舗に行ってもすぐに手に入れることができます。
友人も愛用していますが、確かに目への負担軽減の効果は大きいみたいです。
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寝室の灯りの調節をする
寝室などの就寝する場所は、暖かみのある電球色のような色を使うと効果的とされています。
また、寝室の灯りを落としたりすることでも効果はあるので、お試しください。
まとめ
睡眠は人間の体には必要不可欠な大切なものです。睡眠不足から起こる不調は多岐に亘り、「どんな病気にしても最初の症状は不眠から!」とも言われるほどです。
「たかが睡眠」と甘く見ないでしっかりとした対策を行うよう心掛けたいものです。