人生の節目の年中行事のひとつ、成人の日を祝う成人式や成人祝い。
いつもは気にせずに迎える年中行事なども、そのそれぞれの由来や意味を知ると、感慨深く、趣があるものに変化するものです。
成人の日を祝う成人式や成人祝いには、一体どんな由来や意味があるのでしょう?
今回は、成人の日や成人式の由来や意味についてご紹介します。
成人の日とは?
「国民の祝日に関する法律」で、大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年男女を祝い、励ます日として「成人の日」が定められています。
国民の祝日とされるこの日は、全国の各市区町村で、成人を祝って成人式が行われます。
成人の日はいつ?成人式に出席する年齢は?
以前は1月15日が成人の日でしたが、現在では1月の第2月曜日となっています。
地域によっては、進学や就職でふるさとを離れた新成人の対象者たちが、お盆休みの帰省に合わせるなどして出席しやすくなるように8月に成人式を開催するところもあったり、5月のGWや春に行う自治体もあります。
また、本来は前年の成人の日の翌日から、その年の成人の日までに誕生日を迎える人を祝う日でしたが、現在は学齢方式が定着するようになりました。
学齢方式とは?
成人を迎える前年の4月2日からその年の4月1日に成人する人が対象となるもので、学校の学年の区切り方と同じ考え方ともいえます。
以前は、前年の成人の日の翌日から、その年の成人の日までに誕生日を迎える人を対象とする年齢方式でしたが、この場合、早生まれの人は出席する年が異なってしまうというデメリットがありました。
2000年以降は、全国の多くの自治体が学齢方式で行うようになっています。これにより、1月の第2月曜日の時点では20歳を迎えてない人もなかにはいることにもなります。20歳になるとお酒を飲むことも許される年齢ではありますが、実際にはまだ19歳の同級生がいる場合もあるのでご注意を!
それぞれの年の対象者は下記もご参考に!
- 2023年1月成人式 2002年4月2日~2003年4月1日に生まれた人
- 2024年1月成人式 2003年4月2日~2004年4月1日に生まれた人
- 2025年1月成人式 2004年4月2日~2005年4月1日に生まれた人
- 2026年1月成人式 2005年4月2日~2006年4月1日に生まれた人
- 2027年1月成人式 2006年4月2日~2007年4月1日に生まれた人
地域によっては、その年に20歳の誕生日を迎える人が対象になる暦年方式もあり、全国的に統一されているわけではありませんので、地域の自治体に確認するのもおすすめです。
18歳で成人に
日本では、明治時代から約140年間、成年年齢は20歳と民法で定められていました。
しかしこの民法が改正され、2022年4月1日から、成年年齢が20歳から18歳に変わりました。
これによって、2022年4月1日時点で18歳、19歳の方は2022年4月1日に成人となり、2022年4月1日以降に18歳になる方(2004年4月2日以降に生まれた方)は、18歳の誕生日から成人となります。
18歳は成人式ってどうなるの?
上記のように成人になる年齢が18歳に引き下げとなったわけですが、気になるのが「じゃあ、18歳の私は成人式って今年なの?」という疑問。
2022年は施行前のため成人は「20歳」と決まっていますが、2023年以降は18歳が成人年齢となります。
そのためこれまでの、「成人=20歳」を前提とした成人式の定義がどうなるのか気になるところ。
全国的に多くの自治体は従来どおり「20歳」を祝う式典を2023年以降も行なう予定のようです。
その理由としては、「18歳を対象とすると、その多くが高校生で受験や就職準備に忙しい(式典参加が困難)」や「進学や就職前で出費が伴う時期で家計負担が大きい」、「また、18歳も参加する式とした場合、初年度は18歳から20歳までの3年齢分が対象となるため会場確保が困難」といった意見があるようです。
ですが、来年以降の「成人式」の方針を明らかにしている自治体では、同年度に満20歳となる人を対象としながら新たな名称(※「成人式」ではなく「20歳のつどい」など)で実施する、というケースもあるようです。
「成人」の定義が明治時代以来、140年ぶりに変更されるということで、2022年以降数年間は社会にとっても大きな変化となりそうです。
成人式の由来や意味は?
成人式は「元服式(げんぷくしき)」が由来とされています。
人生の四大儀式である冠婚葬祭のひとつ「冠」のお祝いの由来となった「加冠の儀(かかんのぎ)」からきたもので、一人前の大人として認められる儀式であり、宮中や公家、武家で行われていた「元服の祝い」が広まったものです。
「元服」の「元」は「首(頭)」、「服」は「着用」を表し、頭に冠をつけることを意味します。
男子は15歳になると、髪型や服装を大人に改め、冠を初めてかぶる「元服」、女子は13歳になると髪を初めて結いあげ、かんざしを飾る「髪あげ」があり、元服を済ませると、いつでも結婚でき、一人前の大人として扱われたのです。
また、江戸時代以降、庶民の間では前髪を剃り落とす「前髪落としの祝い」や、お歯黒をする「鉄漿(かね)付け祝い」、男子はふんどしをしめ、女子は腰巻を付ける「褌祝い(へこいわい)」などもあったようです。
成人の日にはどのようなことを行うの?
成人の日には、成人を迎えた青年男女のために、地方自治体や企業などが中心となって、記念式典や祝賀会が各地で催されます。
式典などへの参加は強制参加ではなく、自由参加となっており、成人の記念行事として出席するという方も多くいらっしゃいます。
なお、成人式の案内通知(招待状)は、基本的に現住所である住民票がある役所から届くことになります。
これにより、住民票の移動手続きを行っている場合には、新住所地での成人式の案内状が届くことになります。
なお、「本籍地」は、成人式の出席とは関係がないのでご注意を!
地元の成人式に参加できる?
基本的に現住所(住民票がある)の自治体への成人式に出席することになるのですが、なかには、引っ越して地元の街を転出しているけど、生まれ育った地元での成人式に参加したい!久々に地元の友達にも会いたい!と思う人もいることでしょう。
そんな場合には、地元の自治体に問い合わせするのがいちばんです。
一部の自治体では「住民登録のない方で出席を希望する人は事前に問い合わせてください」とホームページなどで案内していたり、他の市区町村へ転出した人でも、式典には参加できるようになっているところがほとんどです。
そのため、参加したい地元の市区町村の役所などに直接問い合わせをして、「転出している場合、成人式に出席するにはどうすればよいか?」を尋ねるときちんと回答してくれます。
自治体によって、必要書類(身分証など)を求められるところもあるので、自治体に応じて対応するようにしましょう。
家族での成人祝い
成人という人生の節目を家族でお祝いするご家庭も多いものです。
赤飯や尾頭付きの祝い膳などをみんなで囲んでお祝いしたり、各ご家庭で成人のお祝いを行うのもよいでしょう。
また、成人という節目を迎え、「大人」として社会的にも認められる年齢となり、これまで育ててくれた両親や見守ってくれた身内や身近な人たちに感謝の言葉を伝えるのもいいかもしれません。
まとめ
一人前の成人と認められる「成人式」は人生のなかでも大切な節目の行事でもあります。
成人式というとちょっとした同窓会気分になって、はしゃいでしまう場面も多くありますが、大人には責任もつきもの。
節度あるマナーで、しっかりとした自覚をもって「成人の日」を迎え、記念に残る成人の節目を迎えられるといいですね。