「敬老の日」は日本の国民の祝日のひとつで、9月にやってきます。
敬老の日はどうして生まれたのか?みなさんは知っていますか?
今回は敬老の日の由来や意味、何歳からといった決まりはあるの?など、知っているようで知らない敬老の日についてご紹介します。
敬老の日の由来や意味は?
敬老の日は、毎年9月の第3月曜日です。
今年、2020年の敬老の日は、2020年9月21日(月)です。
下記に2025年までの敬老の日の一覧をご紹介しておきますのでご参考までに!
2022年9月19日(月)
2023年9月18日(月)
2024年9月16日(月)
2025年9月15日(月)
敬老の日の始まり
敬老の日は、兵庫県多可郡野間谷村(現在の多可町)で提唱、行われていた敬老行事の「としよりの日」が始まりとされています。
その主旨としては、「老人を大切にし、お年寄りの知恵を借りて村作りをしよう!」と、農閑期(農作業のひまな時期)にあたり、気候も良い9月15日を「としよりの日」と定めて、敬老会などを開いていたものです。
そして、小さな村ではじまったこの慣習が、1950年からは兵庫県全体で行われるようになり、その後には全国へと広がっていったのです。
その後「としより」という表現はあまり好ましくないということで1964年に「老人の日」と改称されました。
全国的に広がりを見せていたこの動きですが、発祥の地でもある兵庫県多可郡野間谷村では、国に対して、「こどもの日や成人の日があるのに「敬老の日」がないのはおかしい!」と声を上げ続け、「老人の日」と改称された翌年1965年に、「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日」として9月15日を「敬老の日」とする国民の祝日が制定されたのです。
また、聖徳太子が身寄りのないお年寄りや病人のために「悲田院(ひでんいん)」という、今でいう老人ホームを設立したのが、9月15日だったということでこの日が「敬老の日」になったという説もあります。
敬老の日は9月15日から9月の第3月曜日へ
1965年に制定された「敬老の日」ですが、2003年以降は9月の第3月曜日に日付が変更されました。これは2001年に「祝日法改正」が行われたことがきっかけで、いわゆる「ハッピーマンデー制度」の実施に伴うものでした。
日付を移すことには、提唱者や高齢者団体から反発がありましたが、2001年に老人福祉法第5条を改正して9月15日を「老人の日」、同日より1週間を「老人週間」として現在は定められています。
敬老の日と老人の日の違いは?
もともとの「敬老の日」として制定されていた9月15日は、現在では「老人の日」とされています。
少し整理すると、
●9月15日~21日:老人福祉法で定める「老人週間」
●9月第3月曜日:祝日法で定める「敬老の日」
ちなみに、「老人の日」と「老人週間」の意義は、「国民の間に広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促すため、老人の日及び老人週間を設ける」とされており、 「敬老の日」の意義は、「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」とされています。
簡単に違いを述べると、敬老の日は「お祝いの日」であるのに対し、老人の日は理解や取組みなどに対する「啓発の日」といった意味合いの違いがあるようです。
敬老の日をお祝いするのは何歳からなの?
「敬老の日」では、「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」とされています。
この「老人」っていったい何歳を差すのでしょう。
老人の日や老人週間を定めている老人福祉法では、老人は「65歳以上」と定められています。
また、国連の世界保健機関 (WHO) の定義では、65歳以上の人のことを「高齢者」としていることからも、一般的に「65歳以上」の人が該当するようです。
ですが、年齢の線引きは人それぞれの基準があったり、当人の気持ち的なものも大きいものです。また「老人」と括られることに抵抗がある人もいるのが現状です。
そこで参考にしたいのが、海外の敬老の日に近い祝日「祖父母の日」です。これはその名の通り、孫たちが自分の祖父母に対してお祝いをするものです。
孫から祖父母へ。世代を超えて「おめでとう」を伝え、それをみんなでお祝いすることで、誰もが抵抗なく素敵な「おめでとう」と「ありがとう」の時間を過ごせるのではないでしょうか。
敬老の日には何をするの?
敬老の日には、日頃の感謝やこれからの長寿を願って何か贈り物をしたり、食事をしたりといったことをするのが一般的です。
贈り物は、本人が好きなものやお花だったり、食事もみんなで集まって食事をされる方が多いようです。
海外では、「父の日、母の日、祖父の日、祖母の日」とそれぞれ日頃の感謝を伝えるそうです。
日本でも、「父の日、母の日」と同じように「敬老の日」も祖父、祖母に対して感謝を伝えるだけでも喜ばれるのではないでしょうか。
まとめ
敬老の日は、小さな村からはじまり、それが全国に広がり今の形になっています。
敬老の日とは言っても、日本人が昔から大切にしてきた目上の人を敬う気持ちと相通ずるものがあるかもしれませんね。
日頃から相手を「敬う心」が大切かもしれません。