初夏の時期が近づくとお中元の季節です。
お中元のお返しは基本的には不要ですが、お礼状はできるだけ出すのがマナーとされています。
お中元のお礼状は、書き慣れないと戸惑うことも多いものです。
「お礼状をハガキで送ろうと思うけど失礼なのかな?」
「御中元のお礼状ってどう書けばいいの?」
今回は、そんな悩みを解決するお中元のお礼状のマナーについてご紹介します。
お中元のお礼状はハガキじゃ失礼?
本来、封書に対してハガキは略式なものですので、目上の方などにお礼状などを出す時には封書で出すのが正式なマナーです。
では、ハガキでお礼状を出してはダメなのか?というと、現代ではハガキでお礼状を出すことに寛容になっています。
ハガキの良さは、すぐに伝えたい用件に便利なうえに、メールなどよりもきちんと手書きのお礼が伝えられることかもしれません。
現在では、お礼もメールで済ませることが多くなってきましたが、お中元やお歳暮は、1年のなかでも大切に受け継がれてきた贈答行事ですので、逆に書面でお礼を伝えたり、受け取ったりすると素敵かもしれませんね。
下記にハガキと封書の使い分けのポイントについてまとめていますので、自分に合うほうを選んで書きましょう。
ハガキと封書の使い分けのポイントは?
封書が望ましい場合
- 基本的に、文書は封書が原則。
- 第三者に知られたくない内容を書く場合。
- ハガキでは書き切れない量の文章になる場合。
例)目上の方へのお祝い・お礼の手紙、お見舞い、お悔やみ、お詫びなど
はがきでもOKな場合
- 第三者に見られてもよい内容を書く場合。
- 文章量の少ない手紙を書く場合。
例)季節の挨拶状、案内・招待状、災害後すぐのお見舞いなど
お中元のお礼状をハガキで出す時のマナーは?
はがきの書き方については厳密な形式があるわけではありませんが、手紙のスタイルに則って書くのがマナーとされています。
はがき(表)
上と右は1~1.5cm程度あけて、原則として1行で書くようにします。2行になる場合は、2行目を1字分下げて書くようにします。
②宛名
ハガキの中央に、住所よりひと回り大きな文字で書くようにします。
③差出人名
差出人名は表面・裏面どちらでもOKです。宛先や宛名より小さめに書きます。住所・氏名などを書くのが一般的なマナーです。
はがき(裏)
ハガキの紙面いっぱいに書くと相手も読みづらいものなので、上下左右に1~1.5cm程度の余白をとって書くようにします。
こんなハガキはNG!
- 個人情報やプライバシーにかかわることをハガキで出すのはNG!
- 連名に「様」を1つしか付けないのはNG!
- 基本的に横書きはNG!
ハガキは手軽なぶん、内容など人目にさらされてしまうものですので、他人に見られたくない内容は封書にします。
封書と同じで、家族や会社の複数人に宛てる時には、それぞれの名前に敬称(様)を付けるのがマナーです。
人数が多く名前を書ききれない場合には「○○御一同様」とします。
改まった場合、特に目上の方に送る場合は必ず縦書きにするのがマナーです。
ハガキの表書き【縦書き・横書き】
ハガキの裏面の書き方のポイントは?
ハガキの場合、書ける量に制限があるので、封書の手紙をコンパクトにまとめるつもりで書くようにしましょう。
お中元のお礼状の場合には、お礼の言葉とともに具体的な感想なども添えると相手も嬉しいものです。
また、お礼状は先延ばしにしないで、できるだけ早く出すようにします。特にお礼状は、届いたその日に書くのが理想的と言われています。
尚、お礼状には、お礼とは無関係のことがら、お願い事や相手を心配させるようなことがらなどを書くのは控えます。
これは用件が本題で、お礼が「ついで」と思われることがあるためで、お礼状はあくまでお礼のための文書ですので余計な用件やことがらは避けるのが賢明です。
お礼状の文面の構成は?
お中元などのお礼状の文面は、ある程度構成を決めて書くようにすると書きやすいかもしれません。
おおよそ下記の内容を入れ込むと、まとまったお礼状の文章になるのでご参考にされてください。
- いただきもののお礼とともに無事に届いたこと
- 品物への感想
- 近況報告
- 相手の健康を祈ることば
お礼に使える慣用句とは?
◆心の込もったお品をいただき~
◆ご厚意を賜り~
代筆した時の書き方のマナー
夫や親に代わってお礼状を書く場合は、本来差し出す人(夫や親)の氏名の左下に「内」または「代」と小さく書き、その下に代筆した人の名前を書くようにします。
ポイント
お中元のお礼状の例文をご紹介!
贈答品へのお礼やお祝いのお礼、お世話になったことへのお礼など、お礼状は書く機会が最も多いかもしれませんね。
書き慣れていないと難しく感じますが、素直な感謝の気持ちや感想、そして相手を想う言葉を伝えるだけで、心の込もったお礼状になるものです。
「ありがとう」を伝えることは、受け取る相手も嬉しいものですので、素直な言葉で伝えましょう。
皆様にはお元気でお過ごしのことと存じます。
さて、このたびは心の込もったお品をいただき、誠にありがとうございます。
いつに変わらぬお心くばり、恐縮に存じております。
暑さ厳しき折から、くれぐれもご自愛くださいますようお祈り申し上げます。
まずは右、お礼申し上げます。
さて、このたびはお心づくしの品をちょうだいし、誠にありがとうございました。
いつも素敵なものを選んでくださると主人も大変喜んでおりました。
毎年のお心づかい、深く感謝いたしております。
これから暑さも増してまいります。お体ご自愛ください。
まずはとり急ぎお礼まで。
上記2つは、お中元のお礼状として汎用性が高く、目上の方に対しても使える文章です。
上記の内容に、いただいた物の感想を付け加えたりするとグッとオリジナルな相手も喜ぶお礼状にもなりますよ。
まとめ
お礼のことばは大切にしたいものです。
日本で長く受け継がれるお中元やお歳暮などの贈答行事は、「ありがとう」を伝え合う素敵なものかもしれませんね。