お正月の定番メニューといえば「お餅」。
お正月飾りとして「鏡餅」を飾るところも多いですよね。
「どうしてお餅を鏡というの?」
「お餅の上にみかんを乗せるのはなぜ?」
「鏡餅はいつから飾るの?」
など、お正月の定番飾りでもある鏡餅にもさまざまな素朴な疑問があるものです。
そこで今回は、鏡餅の意味や由来は?いつから飾るの?正しい飾り方とは?など鏡餅についてご紹介します。
鏡餅の意味や由来は?
「鏡餅」は、円形につくったお餅、大小二個をひと重ねにしたもので、餅は古くから神饌(しんせん)【神様の食べ物】とされ、歳神様へのお供え物として鏡餅を床の間などに飾ります。
お餅を大小二個をひと重ねにするのは、陰(月)と陽(太陽)を表しており、この二つを重ねることには、福徳が重なる意味も込められ縁起がいいとされています。
また、鏡餅がまるいのは、人の魂(心臓)をかたどったものとも考えられ、歳神様にお供えした鏡餅を食べると、新たな生命力が授かるといわれています。
なぜお餅を鏡と言うの?
昔は、鏡が円形だったことから鏡餅と呼ばれていました。
鏡は、魂を表す神器のひとつでもあり、鏡餅は、歳神様の依り代として、ご神体としての鏡をお餅であらわし、「鏡餅」と呼ばれるようになりました。
鏡餅はいつから飾るの?
鏡餅などの正月飾りは、12月26日から28日の間に飾ります。
ちなみに29日に飾るのは、「苦餅」「二重苦」などといって嫌われます。また、31日に飾るのも「一夜餅」「一夜飾り」といって縁起が悪いとされ、避けられています。
なお、末広がりの「八」がつく、28日などは、縁起がよいことから好まれて飾られる方も多いようです。
鏡餅の正しい飾り方とは?
各地方により鏡餅の飾り方に違いがありますが、基本は、三方の上に奉書紙または半紙を敷いて、裏白、ゆずり葉、四手、昆布などを左右対称に見えるように飾り、その上に鏡餅、一番上に橙を重ねたものが一般的となっています。
鏡餅の飾りの意味
- 橙(だいだい):家が代々栄えるように。
- 裏白(うらじろ):名前のとおり、葉の裏側が白色をしており、うしろ暗さがない清廉潔白を表し、家族繁栄と長命をあらわします。
- ゆずり葉:新しい葉が出ると古い葉が落ちることから、福を後世にゆずるという意味合いが込められている。
- 昆布(こぶ):よろ「こぶ」の意味。
- 御幣(ごへい)・四手(しで):紅白の紙を稲妻状に折ったもので、赤い色は魔除けの意味があります。白一色のものは四手(しで)といいます。
ポイント
鏡餅はどこに飾るの?
鏡餅は、歳神様へのお供え物であり、お正月の間、歳神様の依り代でもあります。
古来より、歳神様は、家の中の各場所に「分霊」(ぶんれい)されると信じられていたため、家の床の間に大きな鏡餅を飾るほか、各部屋に小さな鏡餅を飾ります。
床の間は、古くは仏間だったものが、部屋の中の上座を意味するようになったものです。
そのため、お正月飾りなどは床の間がある家庭では、床の間飾りとして、中央に香炉、向かって右に鏡餅、左側に正月の生け花を配するのが一般的で、屠蘇器や干支にちなんだ置物を飾る場合もあります。
ほかにも、家の出入口でもある玄関、そして、台所やその他の大事な場所にも供える、というのが一般的な風習です。
床の間のない家では、リビングやダイニングの机や棚の上を床の間に見立てて鏡餅を飾るようにするのもよいでしょう。
まとめ
お正月に飾る鏡餅は、歳神様へのお供え物であり、お正月の間、歳神様の依り代でもあるんですね。
お餅の上に飾るのは、本来はみかんではなく橙が正式であり、それにも意味が込められていたんですね。
昔からのしきたりや風習には、新たな発見があるものです。
いつの世も、新しい年の幕開けには、お正月飾りなどを準備して、新たな1年の幸福を祈るものなのかもしれません。
受け継がれてきた風習を改めて見直してみるのも、新鮮で素敵なことかもしれませんね。