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消毒用アルコールの濃度ってそれぞれどう違うの?コロナ対策に適切なものは?

新型コロナウイルスの感染拡大で品薄が続く手指用アルコール消毒液

ネットでも売ってないのかな?と、探していると、「アルコールで手軽に除菌!」といった謳い文句でアルコール除菌液が販売されていたんですが、主人から「それ、アルコール濃度が書かれてないからあまり意味ないんじゃない?」といった一言が。

「アルコール濃度」

実は、アルコール消毒液を選ぶ際、特に新型コロナウイルス対策として消毒液を選ぶ際には、この「アルコール濃度」って大切なんです。

今回は、消毒用アルコールの濃度ってそれぞれどう違うの?コロナ対策に適切なものは?についてご紹介します。

消毒用アルコールの濃度ってそれぞれどう違うの?

消毒用アルコールの濃度ってそれぞれどう違うの?コロナ対策に適切なものは?

現在も感染拡大を続けている新型コロナウイルスをはじめ、ウイルスや細菌などの除菌に効果があるアルコール消毒液。

アルコールでなぜ殺菌できるのか?

消毒用アルコールはコロナウイルスに効果があるのか?

など詳しく知りたい方は、下記の記事をご参考に!

ただ、新型コロナウイルスをはじめ、ウイルスや細菌などの除菌にアルコールは効果があるとされていますが、どんなアルコールでも効果があるというのは間違いで、大切なのが「濃度」です。

エタノールメカニズム
※参考文献:https://www.kao.co.jp/pro/hospital/pdf/08/08_05.pdf

上記の図のように、エタノールの殺菌効果は40%あたりから急激にあらわれ、70%程度で最大の効果を示します。

アルコール濃度が70%程度で最も強い殺菌力を示すのは、微生物の膜の変化を起こす前に浸透して通過してタンパク質を損傷させるためです。

「微生物の膜ってなに?」と思った方は、下記の記事(消毒用アルコールはコロナウイルスに効果があるの?の部分)を読んでみてくださいね。

では、エタノール濃度が低い希釈された薄いアルコールは殺菌作用がないのでしょうか?

上の図にも書かれているようにエタノール濃度が1~8%では殺菌作用を示さないが静菌作用(細菌の増殖・活動を抑制)を示す場合もあります。

しかし、静菌作用(細菌の増殖・活動を抑制)を示していても栄養素が補給されればすぐ増殖してしまいます。

ですので、エタノール濃度が1~8%程度では、アルコールが細菌の分裂に必要な栄養成分の補給を阻止しているだけで、殺菌効果までには至っていないということになります。

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また、エタノール濃度が40%以下であっても、30℃で30分間作用させれば35%アルコールでも殺菌力が認められ、40%アルコールでも繰り返しの使用により殺菌力が認められます。

作用時間を長くし、作用温度を高くすれば低濃度アルコールでも殺菌力が認められるとされています。

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※参考文献:http://www.mac.or.jp/mail/120601/04.shtml

では、逆にエタノール濃度が高ければ高いほど殺菌効果も高くていいんじゃない?と思う方もいるんじゃないでしょうか?

私も最初はそう思っておりました^^;

エタノール濃度が100%近いものであれば、消毒・除菌効果はもちろんあるものの、揮発性が高いため、ウイルスを除去しきる前に蒸発してしまう可能性があり、すりこみ不良となり殺菌不良となってしまうため、エタノール濃度が高ければ高いほどよいとは言えないということになります。

消毒用アルコールの濃度によって殺菌作用の違いがあるので、必要に応じて適切な濃度の消毒用アルコールを求めるようにすることが大事かもしれませんね。

消毒用アルコール コロナ対策に適切なものは?

下記の記事内でも書いたように、新型コロナウイルスはエンベロープウイルスに分類され、アルコールが膜を壊してウイルスにダメージを与えるため、アルコール消毒剤が有効であるとされています。

では、新型コロナウイルスに対しては、どれくらいの濃度の消毒用アルコールがいいのでしょう?

厚生労働省は同省ホームページ「新型コロナウイルスに関するQ&A」の中で、「アルコール消毒(70%)などで感染力を失うことが知られています」と表記しています。

また、先日、厚労省が消毒液の代わりにアルコール高濃度の酒使用を認めましたが、そこにも、具体的には、アルコール濃度が70%から83%の酒を対象とし、これより濃度が高い酒は、殺菌効果が落ちるため薄めて使うよう求めています。

※参考文献:http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20200410_01.pdf

これらを踏まえると、最も適しているとされるアルコール濃度は70~80%程度のものが好ましいということになります。

ちなみに、消毒用アルコールは万能で、手洗いができない場面でもアルコール消毒さえしておけば大丈夫!と思っている人もいますが、手指に有機物が多いと殺菌効果が低下するので、水で洗浄後に消毒用アルコールするのが効果的ですし、その際にも、エタノール製剤の量が少ないとすりこみ不良となり殺菌不良となってしまいます。
消毒用アルコールを過信しすぎないことも大切です。

2020/4/21追記

東京消防庁によると、アルコール濃度が60%を超え、火気厳禁の表示がある消毒用アルコールについては、すぐに蒸発して可燃性の蒸気となり、火気に引火しやすく、火災につながるおそれがあるということなので、取扱いには十分注意しましょう。

※参考文献:東京消防庁「消毒⽤アルコールの取扱いにご注意ください!!」

まとめ

品切れが続く消毒用アルコール。

ネットなどで「緊急入荷!!」といった感じで売っていたりもしますが、新型コロナウイルスの対策としての使用目的であれば、それに合わせたアルコール濃度のものを選んだ方がいいかもしれませんね。

アルコール濃度などを明記していない商品は、しっかり問い合わせをしたりして、確認してから購入するようにするのがおすすめです。

まずは、しっかりとこまめな手洗いをしながら、消毒用アルコールが各家庭に常備できるようになったら、是非、「濃度」にも注目して選んでみてくださいね。

  • この記事を書いた人

ゆうこ

私は普段、介護のお仕事をしています。 老人ホームや介護施設では、春夏秋冬、季節感のある趣向を凝らしたさまざまなイベント・行事が行われます。 日本ならではの「和」を感じる日々がこれからも大切に子ども達にも繋いでいけるよう、日々の暮らしの年中行事や歳時記についての記事を中心に書いています。 詳しいライタープロフィールはこちら

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