夏の季節、海水浴に出掛けると、子供に「どうして海の水はしょっぱいの?」と聞かれたりしませんか?
なぜ?って聞かれても、曖昧な答えしかできないと子供は興味を失ってしまいます。
好奇心旺盛な子供の感性を大切に!
今回は、大人も助かる海の豆知識のご紹介です。
海の水がしょっぱいのはなぜ?
海の水には「塩分」が溶けているからしょっぱいのです。
ではどうして「塩分」があるのでしょう?
地球ができたのは今からおよそ46億年ほど前と言われています。
その頃の地球は今のような姿ではなく、高温で、表面にはどろどろに溶けたマグマがあたり一面を覆う火の球のようなものでした。そして空には水蒸気や塩素ガスが被っていました。
そして長い時(数億年)を経て、ゆっくりと地球の温度が下がっていくと、マグマは落ち着き、空にあった水蒸気は、温度が下がるとともに冷えて、雨となって塩素を溶かしながら地球に降り注ぎました。
そしてその雨が窪地に溜まり、大きな水溜りのようになりました。これが海の始まりです。
そして、海が出来たばかりの時には、塩酸が含まれた酸性の水だったものが、岩石に含まれるナトリウムと反応して中和され、現在のような海ができていったのです。
つまり、塩素を含んだ水にナトリウムが溶けて、塩化ナトリウム(塩)の水ができたのです。
そして現在、地球に降る雨は、陸地を流れ、川の流れに沿い、陸地の岩石などに含まれる塩分を溶かしながら海へと運び続けているため、現在も海の水はしょっぱいのです。
何十億年も掛けて作られた、大きな水溜りは、人間の想像を超えるぐらいの長い時間をかけて、今の姿「海」になっているのです。
海はしょっぱいのに魚がしょっぱくない理由は?
海の中にはお魚がたくさん住んでいます。
コイや金魚のように川や湖などの真水のところでしか生きられない魚を「淡水魚」、海の中のような海水のなかでしか生きられない魚を「海水魚」と言います。
海水魚は、塩分がある海水の水の中でも生きられるのはなぜでしょう?
塩辛くないのでしょうか?
海の中にいる魚も、やはり海水の中に住んでいると「塩分」が魚の体の中に入ってきます。その入ってきた塩分はやはり体外に出さないと、人間と同じように「塩分の摂り過ぎ」になってしまうんです。
ですから海水魚は入ってきた塩分を体の外に出します。どうやって出すのかと言うと、「オシッコ」として排出します。
これも人間の体の仕組みと一緒です。人間も、余分な水分や不要物は、尿として排出します。また汗も同じです。汗を舐めてみると少ししょっぱいことはありませんか?これは体内の塩分が汗と一緒に体外に排出されるからなのです。
このように、人間の体も、尿や汗(体液の一部)によって余分な不要物は排出しているのです。
また、魚には「エラ」がついています。
海水魚はこのエラからも、余分な塩分を外に出してくれてるんです。
でも魚も人間と同じようにある程度の塩分は必要なんです。だからある程度の塩分は体内に残しつつ、余分な塩分はエラやオシッコで排出したり入らないようにして調節しているのです。
こういった仕組みを進化とともに身に付けていったから、海水魚は、塩分がある海の水の中でも生きられるし、適度な塩分濃度に保つ仕組みもあるので塩辛くはないのです。
海に住む魚はどうしてしょっぱくないの?
海に住む魚は、人間も大切な資源(食料)として食しています。
みなさんはお寿司は好きですか?
お寿司のごはんの上には、海に住む魚が沢山並んでいます。
でも、その魚を食べた時に海水を飲み込んだ時のような「しょっぱさ」はありますか?
海に住む魚を食べてもしょっぱさは感じません。
どうして海水の中に住んでいるのに、しょっぱくないのでしょう?
先程、説明したように魚も人間と同じように体内の塩分量を調節しています。だから一定量の塩分しか体内には存在しません。
では、その一定量の塩分はどこにいったのでしょう?
それは、魚の血液などの「体液」の中にあるのです。
魚も人間と同じように全身を血液が流れて生きています。その血液などの体液の流れにのって、栄養分を体全体に吸収しているのです。
魚も一定量の塩分を体内に取り込んでいますが、それは身体を流れる体液の中に含まれているから、普段、私達が食べている魚の「身」の部分はしょっぱくないのです。
ですから、お寿司を食べてもしょっぱいと感じることはないんですね。
これは普段私達が食べている、牛や豚、鶏でも同じことが言えます。
牛や豚、鶏も一定量の塩分は必要なので体内に塩分を含んでいますが、血液などの体液の中に塩分は含まれているのです。
ですので、牛肉や豚肉、鶏肉を食べても海水を飲んだような「しょっぱさ」を感じないのです。
人間も、動物もそして魚も体液という同じような仕組みでできているのです。
まとめ
いかがでしたか?
海は長い時間を経て今の姿があるんですね。海の魚もしょっぱくないのは人間の体の構造と一緒で、体液に塩分が含まれているから、お魚の身は食べても塩辛くないんですね。
海の豆知識としてご参考にされてください。