神社などへ参拝した時に、お守りやお札を購入する方も多いですが、「おみくじ」を引く方も多いものです。
おみくじを引いて、ふと疑問に思うことに、「半吉」や「吉」どちらが良いの?や、おみくじの内容が昔ながらの文体で書かれていてどういった意味なの?などがあります。
そこで今回は、おみくじを引く正しいタイミングや順番、意味の一覧とともに、境内の結び所などに結ぶ際のマナーなども合わせてご紹介します。
おみくじを引くベストなタイミングはいつ?正しい参拝の作法

おみくじを境内に到着してすぐ、参拝する前に引いてしまう方を時々見かけますが、実はこれには正しい順番があります。
参拝前と参拝後、どちらに引くのが正解?
おみくじを引く正しいタイミングは、必ず「参拝の後」です。
境内に入ったら、まずは手水舎(てみずや)で手と口を清め、神前または仏前へ向かいましょう。
お賽銭を納め、二礼二拍手一礼(寺院の場合は合掌)をして、日頃の感謝やお願い事をしっかりとお伝えします。
神仏にご挨拶をしてから「お返事」として拝受する
おみくじとは、こちらからの問いかけやご挨拶に対して、神様・仏様がくださる「お返事(メッセージ)」のようなものです。
そのため、最初にご挨拶(参拝)を済ませてからおみくじを引くのが、最も丁寧で正しい作法とされています。
どっちが良い?おみくじの種類と一般的な順番(序列)の違い
吉凶や運勢を占うおみくじは、その昔、国の祭政に関する重要な事項や後継者を選ぶ時に、神の意思を占うために籤引きをすることがあり、これが現在の「神籤」の起源とされています。
その後、叡山の高僧であった慈恵大師(元三大師)良源が信者の悩み相談を五言絶句を以て行ったものが、現在の「おみくじ」の最初と言われています。
神社本庁の基準と、社寺ごとの「吉」「中吉」の順位揺れ
おみくじは取り扱う寺社によって、5段階や7段階など吉凶の種類は異なります。
また、明治神宮のように吉凶がないおみくじもあったりします。
一般的に「吉」と「中吉」はどちらが上なのか迷う方が多いですが、実は社寺によって以下の2パターンの順番が存在します。
| 順位 | パターンA(神社本庁などの主流) | パターンB(一部の社寺) |
|---|---|---|
| 1 | 大吉(だいきち) | 大吉(だいきち) |
| 2 | 吉(きち) | 中吉(ちゅうきち) |
| 3 | 中吉(ちゅうきち) | 小吉(しょうきち) |
| 4 | 小吉(しょうきち) | 吉(きち) |
| 5 | 半吉(はんきち) | 半吉(はんきち) |
| 6 | 末吉(すえきち) | 末吉(すえきち) |
| 7 | 末小吉(すえしょうきち) | 末小吉(すえしょうきち) |
| 8以降 | 凶・小凶・半凶・末凶・大凶 | 凶・小凶・半凶・末凶・大凶 |
全国の多くの神社を包括する「神社本庁」の見解では、パターンAの「吉」を上とする順序が一般的です。
これは「中」という漢字に「中ほど・半分」という意味が含まれるため、吉の半分が中吉、さらにその半分が小吉、と捉える解釈に基づいています。
珍しいおみくじの例:伏見稲荷大社の17種類の吉凶順(前半)
ちなみに全国的にも珍しいおみくじとして有名な、京都の伏見稲荷大社のおみくじ(1番〜32番)に登場する17種類の吉凶の順番は下記の通りとなっています。
| ・ | 大大吉 | : | 願いが叶う最高の幸運吉。神様からの大きなご褒美。 |
| ・ | 大吉 | : | 大変良い運。願い事も叶いやすい最高峰の状態。 |
| ・ | 向大吉 | : | 大吉に向かう良い運。これからどんどん上昇していく。 |
| ・ | 末大吉 | : | 「先(いずれ)」良い運に。焦らず待てば未来は大吉。 |
| ・ | 吉凶末分末大吉 | : | 吉か凶かまだわからないが、先々では大吉になる。 |
| ・ | 吉 | : | 標準となる安定した運勢。地道な努力が実を結ぶ。 |
| ・ | 中吉 | : | 吉に準じる運勢。まずまず良好で波風の立たない状態。 |
| ・ | 小吉 | : | 控えめな吉運。小さな幸せや平穏を大切にすべき時。 |
| ・ | 後吉 | : | 後から吉が訪れる運勢。今は我慢の時期と言える。 |
| ・ | 末吉 | : | 次第に開運していく運勢。末広がりの未来を信じる。 |
| ・ | 吉凶不分末吉 | : | 吉か凶かと明確に分けられないが、いずれは吉に。 |
| ・ | 吉凶相交末吉 | : | 吉と凶が互いに交わっているが、いずれは吉に。 |
| ・ | 吉凶相半 | : | 吉と凶が丁度半々の状態。行動次第でどちらにも転ぶ。 |
| ・ | 吉凶相央 | : | 基本的に「吉凶相半」と同じ意で、吉と凶が真ん中。 |
| ・ | 小凶後吉 | : | 多少の苦難があるものの、それを乗り越えれば吉に。 |
| ・ | 凶後吉 | : | 苦難が多いが、自分自身の心持ち次第でいずれは吉。 |
| ・ | 凶後大吉 | : | 凶の山を乗り越えたところで、これから大吉へ開く。 |
京都の伏見稲荷大社のおみくじは、「吉凶不分末吉」など、初めて引いた方にとっては意味が理解しにくい場合も多いですが、他の寺社と比べても非常にレアなおみくじなので、立ち寄る機会があれば引いてみるのがおすすめです^^
おみくじの内容(見立て)を読み解く!主要項目の意味一覧
おみくじを引いて、「大吉」や「小吉」なども気になりますが、本当に大切なのはおみくじに書かれている「内容(見立て)」です。
おみくじは例え吉凶が「凶」であっても、内容に書かれたアドバイスを実践することで「大吉」に匹敵する幸運を引き寄せられると言われています。
書かれている言葉の意味を正しく理解して、今後の生活の参考にしてみましょう。
下記に、おみくじでよく見かける代表的な言葉の意味をまとめました。
結婚や仕事に影響する「待人」と「縁談」の違い
| ・ | 待人・待ち人(まちびと) | : | 自分の人生を良い方向へ導いてくれる人(※詳細は後述) |
| ・ | 縁談(えんだん) | : | 結婚の話、将来の伴侶との出会い |
「待人」は単に恋人だけを指すわけではありません。
「あなたの人生をよい方向に導いてくれる人」のことで、言わば人生のキーパーソンとなる人物を指します。
人によっては、自分の仕事や人生を引っ張ってくれるような強い影響力を持った恩師や上司、転職のきっかけをくれる人かもしれません。
ビジネスパートナー、友人、恋人など、幅広い意味であなたが心に思い描く人物をイメージしながら読んでみると、より深いメッセージとして受け取ることができますよ。
現代の投資にも通じる「相場」や、その他項目の見方
| ・ | 失物・失せ物(うせもの) | : | 失くした物、落とし物、見失っていた大切なもの |
| ・ | 旅行(たびだち) | : | 旅行、出張、遠出、旅立ち全般 |
| ・ | 商売(あきない) | : | ビジネス、売り買い、商取引 |
| ・ | 学問(がくもん) | : | 勉強、受験、資格取得などの勉学 |
| ・ | 相場(そうば) | : | 株、FX、投資、ギャンブルなど価格が変動するもの |
| ・ | 争事(あらそい) | : | 他人とのいさかい、ケンカ、裁判、試合など |
| ・ | 恋愛(れんあい) | : | 現在の恋、これからの恋心 |
| ・ | 転居(てんきょ・やうつり) | : | 引越し、住まいを変えること |
| ・ | 出産(おさん) | : | お産、お産に臨む体調や心構え(※詳細な注意事項は文末の免責事項をご確認ください) |
| ・ | 探し物(さがしもの) | : | 自分が探している人や物、目的 |
| ・ | 方位(ほうい) | : | 自分から見た方角、行動するのに良い方向 |
「~べし」「初のうち思ふ様に無」など独特な文体・解説
| ・ | 訓(くん) | : | 神仏からの教え、生活の指針となる戒めの言葉 |
| ・ | 安し(やすし) | : | 簡単、たやすい、心配ない |
| ・ | 初のうち思ふ様に無 | : | はじめのうちは自分の思うように事が進まない |
| ・ | さわがず | : | 慌てず、うろたえず、心を落ち着けて待つこと |
| ・ | 平(たいら) | : | 波風が立たず、良くも悪くもない穏やかな状態 |
| ・ | よろし | : | ちょうど良い、差し支えない(「良い」よりも少し控えめな表現) |
| ・ | 出でず | : | 出てこない |
| ・ | 出ずべし | : | そのうち出てくるだろう |
| ・ | ~べし | : | ~するのが良い、~だろう(確信を伴う推量・命令) |
境内マナーを守る!おみくじの「結び所」の使い道と持ち帰り方
おみくじを引いた後、おみくじを境内の「結び所(みくじ掛)」に結んで帰る方も多くいらっしゃいます。
基本的におみくじは「結果が良かったら持ち帰り、悪かったら境内に結びつける」とよく言われますが、本来は結果の良し悪しにかかわらず、持ち帰っても結んで帰ってもどちらでも構いません。
木の生育を守るために指定の「みくじ掛」へ
古くから「結ぶ」という行為には信仰的な意味合いが込められており、元々は「神仏とご縁を結ぶ」という意味で行われていたものです。
大吉など良いおみくじが出た場合には、書かれていることが無事に叶うようにとの願いを込めて、「神仏のご加護をいただき、縁を結ぶ」という意味で結び所に結んで成就を願います。
また、凶など悪いおみくじが出た場合は、利き手ではない方の手(一般的には左手)だけで結ぶことで「困難な修行を達成した」とみなされ、凶が転じて吉になると言われています。
また、境内にその運気をとどめて、さらなる神仏の加護を願うという意味合いもあります。
なお、昔は境内の木の枝に結ぶ光景がよく見られましたが、現代では「木が傷んで枯れてしまう」のを防ぐため、多くの寺社で木への割り結びが禁止されています。
自然環境や神木を守るためにも、おみくじを境内に残す際は必ず指定された「結び所」を利用しましょう。
お財布や手帳に入れる?持ち帰った後の正しい保管方法
おみくじを持ち帰る場合は、神仏からの大切なメッセージとして丁寧に扱いましょう。
カバンの底などにそのまま放り込んでおくのはNGです。
お財布や手帳のカードポケットなど、普段からよく目にする場所に綺麗に挟んで保管するのがおすすめです。
定期的に読み返すことで、日々の行動の教訓や、初心に立ち返るきっかけとして活かすことができます。
まとめ:おみくじの有効期限と古くなったおみくじの返納方法
初詣などの場合、新年初めての参拝ということもあり、「今年一年の運勢」を占う意味でおみくじを引かれる方も多いものです。
本来、おみくじは「引いたその時の本人の状態や、神仏からのアドバイスを表しているもの」とされています。
そのため、そのメッセージの有効期限が一年間継続するのか、あるいは数日程度のことなのかは、本人の心持ちや状況の変化次第とも言われています。
おみくじには厳格な「賞味期限」のようなものはなく、引いた人それぞれの受け止め方で良いのです。
もし悪い内容だったからといって、その場ですぐに何度も引き直すのは、神仏に対して失礼(不敬)にあたるとされているため避けましょう。
もしどうしてもアドバイスを求め直したい場合は、日を改めて参拝した際に引くか、あるいは「仕事について」「恋愛について」など、別の具体的な願い事を心の中で念じながら引くようにすると良いとされています。
おみくじは、お守りや御札と同様に、神仏とのつながりを示す大切なものです。
破って捨てたり、その辺にポイ捨てしたりするような粗末な扱い方は絶対にNGです。
役割を終えたり、古くなったりしたおみくじを処分したい場合は、主に以下の2つの方法があります。
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1. 寺社の古札納め所へ返納する:
次に参拝した際に、お守りなどと一緒に境内の「古札納め所」にお返しします(引いた場所と違う社寺でも基本的には問題ありません)。 -
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2. 自宅で感謝を込めて処分する:
どうしても参拝に行けない場合は、おみくじを白い紙の上に広げ、塩を振って清めてから手放します。
大切なことは、吉凶の結果に一喜一憂するのではなく、書かれている具体的な内容をよく読み、これからの行動の参考にしたり、日々の生活で気をつけるようにすることです。
良いおみくじも悪いおみくじも、神仏からの温かいアドバイスとして心に留めておくのが一番の向き合い方かもしれませんね。
💡 本記事の解説に関する根拠・公式データについて
おみくじの吉凶順について:全国の主要な神社を包括する「神社本庁」の見解(公式ホームページ等)において、おみくじの吉凶の種類や並び順は全国一律ではなく、各社寺の伝統や地域によって多様であると明記されています。
「中吉」や「吉」の優劣についても、言葉の解釈の違いにより社寺ごとに独自の配列が採られています。
伏見稲荷大社のおみくじ構成:京都の伏見稲荷大社では、参拝者が引く「みくじ棒」は1番から32番までの計32通り存在します。
その中に「大大吉」から「凶後大吉」まで、同社特有の伝統的な吉凶表現が「17種類」割り振られて構成されています。
境内マナーについて:自然環境への配慮および神木の保護の観点から、現代では「境内の木に直接おみくじを結ぶ行為」を禁止し、専用の「みくじ掛(結び所)」の利用を推奨・指定する社寺が現代の標準的な参拝ガイドラインとなっています。
⚠️ 免責事項(医療・健康に関するご注意)
本記事に掲載されているおみくじの「出産」「健康」などの項目に関する解説や記述は、日本の伝統的な民俗風習および文化的な解釈に基づいたものです。
これらは神仏からの精神的な指針やアドバイスとして楽しむものであり、医学的な診断、治療、予防、または専門的なカウンセリングに代わるものではありません。
妊娠、出産、心身の体調不良などに関する具体的な健康上の不安や疑問がある場合は、おみくじの文面のみで判断せず、必ず医師や助産師など専門医療機関の診断を受けてください。
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