病気やケガによる入院の際のお見舞いは、短期ならともかく長引く場合にはつらいものです。
お見舞いは形式よりも、わが身に置き換えた思いやりや配慮、励ましといった相手を思う気持ちがとても大切になるものです。
本人や家族の心を思いやり、無神経な言動はくれぐれも慎み、お見舞いの基本的なマナーを身につけましょう。
病気お見舞いのマナーは?
お見舞いとは、「気配り」でもあります。
本人もですが、看病する家族にもこの気配りが必要になってきます。
まず、お見舞いの際には、自分勝手に訪問することは避け、事前に本人または家族に連絡してから伺うのがマナーです。
見舞いに伺っていいか?を家族に尋ねてもはっきりとした返事がない場合には、自宅宛に見舞いの品を送ったり、見舞状を出す程度に留めておきましょう。
親しい間柄で、家族の方も見舞いを歓迎しているようであれば、時間が許す範囲で何度でも足を運ぶとよいでしょう。
見舞いは、看病で疲れている家族を助けることも大切なことです。
本人のみならず家族に対しても気配りができるよう心掛けたいものです。
病気お見舞いの贈り物や金額の相場は?
病気見舞いの際にお見舞いの品を持って行くこともあります。
本人の好物や果物、日持ちのするお菓子、本や雑誌など病状に合わせて考えるとよいでしょう。
病状によっては、食べられるものも制限がある場合もあります。事前に家族に確認が取れるようであれば確認してから持参するとよいでしょう。
見舞いの品として、花も一般的ですが、病院によっては「生花」が禁止の場合もありますので、事前に確認してからがよいでしょう。また、切り花を持参する場合には日持ちするものを選び、花瓶もつけて送るとよいかもしれません。
病気お見舞いでNGなものは?
- 鉢植え
- 椿
- シクラメン
- 香りの強い花
- 痛みやすい食べ物
- 置き場に困るもの
「根付く=寝つく」の意味につながり、病気見舞いの際に送ることは避けられます。
椿の花は、首の部分からポロッと落ちるため不吉として避けられます。
「死と苦に通じる」という語呂合わせ的な意味合いがあり避けられます。
病気によっては入院が長引くこともあります。本人をはじめ家族も精神的に不安定になりやすいものです。不吉な話はもちろん、連想させるようなものは避けるのがマナーです。
また、本人だけでなく看病している家族に対してもお見舞いとして、食べ物や飲み物など、状況に応じて持参する気配りも大切です。
入院は、経済的にも負担が大きいものですので、お見舞いとして現金か商品券を送ることもよいでしょう。家族の経済的な負担を助けることにもつながります。
病気見舞いの金額の相場は?
- 友人・知人:5,000円
- 近親者:10,000円
- 会社関係:3,000~5,000円
注意ポイント
病気見舞いののしは?
病気見舞いの際には、全快を願って、水切は「結び切り」で、色は紅白のものを用います。
なお、病気見舞いには生臭物を避ける意味で、のしをつけない紅白ま結びのものを用います。
表書きは、「御見舞」、「お見舞い」とし、目上の方に対しては「御伺」として渡します。
ポイント
病気お見舞いの手紙は?
遠方などでお見舞いに伺えない場合や、本人の体調が優れないなどの事情によりお見舞いできない場合には、お見舞い状として手紙などを送ることも、本人を勇気づけ、全快への励みになります。
お見舞いの品を送る場合にも、見舞状を添えて送ると失礼がありません。
下記に見舞状の例文をご紹介します。
病気のお見舞い【例文①】
日頃ご壮健な○○様でございますから、じき快方に向かわれることと信じておりますが、どうか治療に専念して 全快まで十分な治療に努められ一日も早く復帰なされますよう、心からお祈り申し上げます。
ご家族の皆様におかれましても、突然の看護生活でお疲れのこととお察し申し上げます。私にお手伝いできることがございましたら、どうぞ遠慮なくお申し越しいただき、何卒お身体を大切になさいますようお祈り申し上げます。
機会をみてお見舞いに伺いたいと存じますが、まずは取り急ぎ書中にてお見舞い申し上げます。
草々
病気のお見舞い【例文②】
平素 仕事一筋にてお過ごしでいらっしゃったためにお疲れが出たのでしょうか。ご一同様さぞかしご心痛のこととお察し申し上げます。
ご多忙の御身でもあり、思うようにはならないかと存じますが、十分にご静養のうえ、一日も早いご全快を心よりお祈り申し上げます。
早速お見舞いにと思いましたが、かえってご迷惑をかけてはと思い、別便にて心ばかりのお見舞いの品をお送りいたしました。お納めくだされば、幸甚に存じます。
まずは書中にてお見舞い申し上げます。
草々
病気の見舞状を書くときの注意点は?
お見舞い状では、改まった相手でも時候の挨拶は不要です。また、「突然の知らせで、とるものもとりあえず書いた」という姿勢を示す頭語を用いることが一般的で、「急啓」「前略」などを用います。頭語を省略していきなり主文に入る場合でも結語には必ず「草々」と入れます。
また、「忌み言葉」は、不吉な状況を連想させる言葉ですので、忌み慎んで使わないことがマナーです。
お見舞い状も「気配り」が大切です。病名や病状を詮索するような文章や、励ましの言葉が逆にプレッシャーになるような文面など、相手に対して配慮に欠けた文章はマナー違反です。
わが身に置き換えた思いやりや配慮、励ましといった相手を思う気持ちを大切にしましょう。