年末調整のスケジュールは?準備から提出までの主な流れをご紹介!

年末調整スケジュール
年末が近づくとやってくる「年末調整」

会社の経理担当者さんなどは提出書類の告知やチェックなど忙しい日のはじまりでもあります。

まだ、経理に慣れない場合だと年末調整のスケジュールや流れについて事前にしっかり確認しておくと、スムーズに準備や確認ができるので便利ですよ。

そこで今回は、【経理担当者必見!】年末調整のスケジュールは?準備から提出までの主な流れについて詳しくご紹介します。

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年末調整のスケジュールは?準備から提出までの主な流れをご紹介!

年末調整を行う時期は?

年末調整を行う時期は、「年末調整」という言葉通り、通常は12月の本年最後の給与または賞与を支払う時期に行います。

ただし、年の途中で死亡退職したり非居住者となった人など一定の人については、そのような事実が発生したときに年末調整を行います。

年末調整はなぜ必要?

毎月の給与や賞与などの給与所得については、その支払者が毎月の支払いの際に所定の税額表によって所得税および復興特別所得税を天引きして納付するという源泉徴収制度で行われています。

ですが、年の中途控除対象配偶者および控除対象扶養親族などに異動があった場合でもさかのぼって源泉徴収税額を修正しないとか、各種の保険料控除、配偶者特別控除や住宅借入金等特別控除に相当する控除が行われていないなどの理由により、必ずしも年額税とは一致しないため、その精算手段として年末調整という手続きが必要となるのです。

尚、これによって大部分の給与所得者が確定申告をすることなくその年分の源泉所得税および復興特別所得税の納税を完了することになるため、年末調整は、いわば給与所得者の源泉所得税および復興特別所得税の「総決算!」とも言える、とても重要な手続きでもあるのです。

年末調整のスケジュール

年末調整は、11月の年末調整用の申告書の入手から翌年1月末の法定調書の提出まで、およそ3ヶ月間続きます。

この3ヶ月間の間には、年末年始もあるため、スムーズに進められるよう十分な事前準備としっかりとした全体のスケジュールを頭に入れておくと、効率的な事務作業ができますよ。

★11月中旬

年末調整用の申告書と必要書類の準備
税務署から「年末調整のしかた」などの手引きと源泉徴収簿、年末調整用の申告書、法定調書の用紙が送付および年末調整の説明会が開催されます。

※この時に税務署から送付される「給与所得に対する源泉徴収簿」と「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は翌年のぶん(平成29年分)のものとなります。

本年の年末調整では、平成28年分の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を使用します。

★11月下旬

年末調整のお知らせと申告書を配布
すでに提出済みの申告書である平成28年分の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に控除対象配偶者、扶養親族や障害者などの異動がないか確認してもらいます。

尚、この際に翌年分(平成29年分)の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」も配布し、平成28年分と同時に回収するのが一般的です。

他にも下記の申告書も確認してもらいます。

●平成28年分「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」
●平成28年分「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」(※適用を受ける人のみ)
●中途入社の人は、前職分の「給与所得の源泉徴収票」

★12月上旬

給与等の集計と申告書のチェック
給料および賞与の支払い金額、社会保険料、源泉徴収額を計算して「給与所得に対する源泉徴収簿」に記入します。

各社員から年末調整用の申告書と控除証明書の提出を受け、順次、必要書類と控除証明書をチェックします。

★12月中旬

年末調整の計算
年末調整の計算をして「給与所得に対する源泉徴収票」を完成させます。

本年最後の給与および賞与の支払い時に、源泉徴収税額の過不足額を精算します。

源泉徴収簿から「給与所得の源泉徴収票」と「給与支払報告書」を作成します。

★翌年1月

源泉徴収税額の納付と新年の源泉徴収簿の作成
・10日期限
税務署に源泉徴収税額を納付(毎月納付分)

・20日期限
税務署に源泉徴収税額を納付(納期の特例分)
※「所得税徴収高計算書(納付書)」は、本税が0円の場合でも提出する必要がありますのでご注意を!

・31日期限
●各社員全員に「給与所得の源泉徴収票」を交付
●税務署に源泉徴収票と支払調書および法定調書合計票を提出
●市区町村に「給与支払報告書」と総括表を提出

※翌年(平成29年分)の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、その年の最初の給与等の支払いをする日の前日までに給与支払者に提出する必要があります。この点を各社員に徹底して、できるだけ早めの提出を求め、提出を受けたら、平成29年分の「給与所得に対する源泉徴収簿」を作成します。


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年末調整の事務手順一覧

STEP① 年末調整用の申告書の配布と回収

本年平成28年分の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、通常平成28年1月にすでに各社員から提出を受けていますので、その申告書を再度配布して、平成28年中に控除対象配偶者、扶養親族や障害者などの適用に異動がないか?を確認してもらいましょう。

平成28年分扶養控除申告書_例01

平成27年分給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書_例02
※平成27年分にて説明していますが、実際は平成28年分にて確認。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
【適用される所得控除・税額控除】
配偶者控除、扶養控除、障害者控除、寡婦・寡夫控除、勤労学生控除

【証明書類】
勤労学生控除の適用を受ける一定の勤労学生は、学校または法人等が発行する証明書

【確認事項】
申告者と配偶者・扶養親族の氏名・生年月日および住所、所得金額の確認

給与所得者の保険料控除申告書
【適用される所得控除・税額控除】
生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除

【証明書類】
●生命保険料控除証明書(一般用、介護医療用、個人年金用)
●地震保険料控除証明書(※旧長期損害保険控除証明書)
●国民年金と国民年金基金は証明書または支払ったことを証する書類
●小規模企業共済等掛金払込証明書

【確認事項】
保険料控除証明書などの確認
※申告者がその年に支払った国民健康保険、国民年金、介護保険料などの金額(※生計を一にする親族の分を含む)

給与所得者の配偶者特別控除申告書
【適用される所得控除・税額控除】
配偶者特別控除

【証明書類】
特になし

【確認事項】
配偶者の給与収入や公的年金収入などから所得金額の確認をする

給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
【適用される所得控除・税額控除】
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除

【証明書類】
●給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書(※税務署が発行)
●給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書(※税務署が発行)
●住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(※金融機関が発行)

【確認事項】
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書の確認

STEP② 「給与所得に対する源泉徴収簿」で給与の総額および源泉徴収額、社会保険料を集計

平成28年分給与所得に対する源泉徴収簿_例03

給与等の支払いを受ける人について、本年分を集計した「給料・手当等の金額の計」に該当する①欄「賞与等の金額の計」に該当する④欄を加算して「本年分の給与の総額の計」に該当する⑦欄に記入します。

次に本年分を集計した「給料・手当等の税額の計」に該当する③欄「賞与等の税額の計」に該当する⑥欄を加算して「源泉徴収税額の合計額」に該当する⑧欄に記入します。

そして、本年分の「給料・手当等の社会保険料の計」に該当する②欄「賞与等の社会保険料の計」に該当する⑤欄を加算して「社会保険料等控除額」の「給与等から控除分(②+⑤)」の⑩欄に記入します。

STEP③ 給与所得控除後の給与等の金額の計算

平成28年分給与所得に対する源泉徴収簿_例004

「本年分の給与の総額の計」に該当する⑦欄「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」に当てはめて、「給与等の金額」に対応した「給与所得控除後の給与等の金額」⑨欄を求め記入します。

◆「給与所得控除後の給与等の金額」⑨欄=本年分の給与の総額⑦欄-給与所得控除額

STEP④ 年末調整用の申告書の内容確認と控除額の計算

「STEP①」で配布した申告書を回収し、記入不備・添付書類の不足がないかを確認し、所得控除額を計算します。

中途入社の人は、前職分の「給与所得の源泉徴収票」が必要となります。

STEP⑤ 所得控除額の合計額の計算

回収した申告書から所得控除額を転記し、その合計額を「所得控除額の合計額」に該当する⑰欄に記入します。

STEP⑥ 課税給与所得金額の計算

「給与所得控除後の給与等の金額」⑨欄から「所得控除額の合計額」⑰欄を差し引いて「差引課税給与所得金額」⑱欄を計算します。

計算した課税給与所得金額に1,000円未満の端数がある場合は、その1,000円未満の端数は切り捨てます。

◆「差引課税給与所得金額」⑱欄=「給与所得控除後の給与等の金額」⑨欄-「所得控除額の合計額」⑰欄

STEP⑦ 算出所得税額と年調所得税額および年調年税額の計算

「差引課税給与所得金額」⑱欄の金額に「年末調整のための所得税額の速算表」を使用して「算出所得税額」⑲欄を求め、その算出所得税額から「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額」⑳欄を差し引いて「年調所得税額」21欄を計算します。

そして、「年調所得税額」に102.1%を乗じて「年調年税額」22欄を計算します。

年調年税額に100円未満の端数がある場合は、その100円未満の端数は切り捨てます。

◆「算出所得税額」⑲欄=「差引課税給与所得金額」⑱欄×所得税率
◆「年調所得税額」21欄=「算出所得税額」⑲欄-「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額」⑳欄(※マイナスの場合は「0」)
◆「年調年税額」22欄=「年調所得税額」21欄×102.1%

STEP⑧ 過不足額の精算と還付または徴収

「年調年税額」22欄「源泉徴収税額の合計額」⑧欄を比較し、所得税等の超過額として還付または不足額として徴収する金額を「差引超過額又は不足額」23欄に記入します。

◆「差引超過額」23欄=「源泉徴収税額の合計額」⑧欄-「年調年税額」22欄
◆「差引不足額」23欄=「年調年税額」22欄-「源泉徴収税額の合計額」⑧欄

「差引超過額」は、本年最後の給与の税額に充当します。充当しきれない超過額は、本年最後の給与または翌年の給与より順次還付します。

「年末調整過納額還付請求書兼残存過納額明細書」を税務署に提出して、税務署から還付を受ける場合もあります。

「差引不足額」は、本年最後の給与から徴収します。

「年末調整による不足額徴収繰延承認申請書」を税務署に提出して、翌年へ繰り延べる場合もあります。

STEP⑨ 年末調整計算後に源泉所得税の納付

年末調整後に所得税徴収高計算書(納付書)を作成して源泉所得税を納付します。

所得税徴収高計算書(納付書)は本税が0円の場合も提出する必要があります。

納期の特例の承認を受けている場合は、様式の異なる納期の特例用の所得税徴収高計算書(納付書)を使用し納付します。

まとめ

年末調整は、本年度の源泉所得税および復興特別所得税の総決算として重要な役割を担います。

経理担当者は大変な作業も多いですが、ひとつひとつの作業スケジュールを確認し丁寧に運べるようご参考にされてみてください。

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