毎年、年末の時期に行われる年末調整。
年末調整に必要な各種申告書は、書き方や記入方法など難しい印象がありますが、ポイントを抑えて記入すればそれほど難しいものではありません。
今回は、令和4年分の扶養控除等(異動)申告書の書き方についてご紹介します。
年末調整【令和4年分】扶養控除申告書の書き方は?
まずは、下記の書類を勤め先から渡されると思いますので確認しましょう。
※扶養家族や自分の状況(障害者や寡婦など)の情報を記入する書類
関連令和5年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方はコチラ
②令和4年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
※年末時点における扶養家族や自分の状況(障害者や寡婦など)の情報を記入する書類
③令和4年分 給与所得者の保険料控除申告書
※支払った保険料の情報を記入する書類
関連令和4年分給与所得者の保険料控除申告書の書き方はコチラ
④令和4年分 給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書
※配偶者の情報を記入する書類
関連令和4年分給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書の書き方はコチラ
『給与所得者の扶養控除等(異動)申告書』は、令和4年分(今年分)と令和5年分(来年分)の2枚あります。
原則として、『給与所得者の扶養控除等(異動)申告書』は、その年の給与の支払を受ける日の前日(1月の給料日の前日)までに提出するのが決まりなので、令和4年分は、昨年末に記入した扶養控除等申告書を使用します。そのため、昨年末に提出されたもののコピーなどが返却されている状態となります。
令和4年分(今年分)は、今年1年間、会社はその内容をもとに、積立金として所得税を天引きしてきたわけですが、「もし変更があるなら修正してください。問題なければこの内容で今年の年末調整やります!」という最後の確認を兼ねて一旦本人に返却して確認してもらいます。
ですので、令和4年分(今年分)に関しては、内容を確認し問題なければそのままの状態で提出し、修正があれば分かりやすいように赤ペン等で正しく書き入れ、【異動月日及び事由】の欄に理由を書いて提出します。
ポイント
令和5年分(来年分)は、来年の給与計算と年末調整で使うためのものです。本来であれば令和5年1月の給与支給日までに提出すればいいのですが、年明けすぐにまた社員全員に配布して書いてもらって回収してとなるのも面倒なので、このタイミングに一気に書かせるのが一般的です。
今回は、令和4年分(今年分)の給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方について下記にご紹介していきます。
①令和4年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方
参照【国税庁】令和4年分の扶養控除等(異動)申告書の記載例上記の国税庁の記載例では、わかりにくい点もあるかもしれませんので、下記にそれぞれの箇所の記入例とともに具体的な書き方をご紹介します。
独身者の場合
独身で、A~Eに該当する扶養親族がいない場合は、一番上の「①」の部分だけ記入・押印して提出すれば完了です。
※独身の場合は「配偶者の有無:無」を囲む。
A源泉控除対象配偶者欄の書き方
例
100万円-55万円=45万円
となり、所得の見積額の欄には45万円を記入します。
※なぜ55万円を引いているのか?については、年収100万円は下記の給与所得控除額の速算表の上から2番目に該当するため、【給与収入-55万円】となります。
このA欄の対象者は、下記の通りです。
②申告者の給与年収1,195万円(合計所得金額1,000万円)以下
②申告者の給与年収1,195万円(合計所得金額1,000万円)以下
ポイント
※配偶者は青色・白色の事業専従者ではない
※配偶者は他の人の扶養親族になっていない
この「A」の欄は、『配偶者控除』に該当する人が記入することになり、「配偶者特別控除」に該当する人は別紙の「給与所得者の配偶者控除等申告書」への記載提出が必要となります。
所得の見積額については下記の表もご参考に!
関連【年末調整】配偶者控除と配偶者特別控除の違いは?金額や計算方法は?関連【共働きの年末調整】生命保険控除&子供の扶養はどうする?おトクな方法を教えて!
関連離婚した場合の年末調整の注意点は?配偶者控除や扶養控除はどうなる?
生計を一にしているとは?
「生計を一にする」とは、必ずしも同じ家屋に同居していることをいうのではなく、それぞれ次によることとされていますのでご参考に!
- 1.勤務、修学、療養などの都合で同居していない親族がいる人は、以下のときにはこの親族は生計を一にするものとします。
- 2.親族が同じ家屋に同居している時には、明らかに独立した生活をしている場合以外は、その親族は生計を一にするものとします。
●同居をしていない親族が、その親族の休日や休暇のときには同居をしている。
●同居をしていない親族に、生活費、学資金、療養費などの送金をしている。
B控除対象扶養親族欄の書き方
このB欄の対象者は、下記の通りです。
- 16歳以上である6親等内の血族および3親等内の姻族(※配偶者を除く)
- 申告者と生計を一にしている
- その年の合計所得金額が48万円(※給与の場合年収103万円)以下
- 他の所得者の控除対象配偶者または控除対象扶養親族となっていない
- 青色・白色の事業専従者となっていない
ポイント
ポイント
ポイント
尚、70歳以上(昭和28年1月1日以前生まれ)で同居しておらず老人ホーム等に住んでいる場合、老人ホーム住まいは同居扱いにならないため「その他」にチェックを入れます。
源泉控除対象配偶者または控除対象扶養親族が非居住者である場合には「非居住者である親族」欄に「〇」を記入します。
C障害者、寡婦、寡夫、又は勤労学生欄の書き方
ポイント
「所定の学校」に当てはまるかどうかは、学校の窓口に問い合わせるとわかります。
「内容」への記入内容は次のように区分に応じて記入内容が異なります。
扶養親族が該当する場合にはその氏名、特別障害者の場合は同居の有無
●勤労学生:学校名、入学年月日、所得金額
D他の所得者が控除を受ける扶養親族等欄の書き方
この欄は、あなたと生計を一にする人の中に所得者が二人以上いる場合に、「控除を受けられるのは一人だけ」という趣旨を理解しておけば書くのも分かりやすいでしょう。
例えば、共働きの夫婦がいるとします。またその夫婦に子供が1人いて、20歳の大学生だとします。
この場合、その子供について扶養控除を受けられるのは、父か母のどちらか一方で、2人同時に受けることはできません。
もし父が扶養控除を受けるのであれば、母の扶養控除等申告書には、このD欄にその情報を書けばいいことになります。
まずはじめに子供の情報を書き「控除を受ける他の所得者」の欄には父の情報を書きます。
記載しなくても直接控除額には影響ありませんので、分からない場合は空欄でもいいでしょう。
E16歳未満の扶養親族欄の書き方
この欄は、地方税法第45条の3の2及び第317条の3の2に基づき、給与の支払者を経由して市区町村長に提出する給与所得者の扶養親族等申告書の記載欄を兼ねています。
令和4年分であれば、年齢16歳未満(平成19年1月2日以降生まれ)の扶養親族を記入します。
関連令和5年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方はコチラ関連令和4年分給与所得者の保険料控除申告書の書き方はコチラ
関連令和4年分給与所得者の基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書の書き方はコチラ
関連【年末調整】生命保険控除の書き方&計算方法は?注意点やポイントもご紹介!
関連【年末調整】配偶者控除と配偶者特別控除の違いは?金額や計算方法は?
関連【共働きの年末調整】生命保険控除&子供の扶養はどうする?おトクな方法を教えて!
関連離婚した場合の年末調整の注意点は?配偶者控除や扶養控除はどうなる?
まとめ
いかがでしたか?
毎年やってくる年末調整は複雑な感じがしますが、慌てずに該当するかしないかを確認しながら記入していきましょう。